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イノベーションへの過剰な期待「イノベーション推進バイアス」
「認知バイアス大全」マガジン
認知バイアスとは、人間が進化の過程で獲得してきた生き延びるための工夫……のバグ部分。これが、現代ではさまざまな場面で不合理な行動の原因となります。そんな認知バイアスを集めたマガジンが「認知バイアス大全」マガジンです。
「21世紀までにペーパーレス社会になっているだろう」
1986年、当時のゼネラル・モーターズの会長、ロジャー・スミス氏は、「世紀の変わり目までにわたしたちは、ペーパーレス社会に生きることになるだろう」と述べていました(※2)。ちなみに2019年の日本の製紙業界の規模は5.2兆円で成長率は+2.7%です。
また、1950年代頃は、核の時代とも呼ばれ、多くの科学者たちは、核の力が発電の常識をガラリと変え、それまでの爆弾武器はすべて時代遅れになり、水を淡水化させ、宇宙における人類の世界も変わるであろうと信じていました。この時代の核への強い期待が、今なお残る古き良きSF映画にも反映されています。
このように、わたしたちは、一度イノベーションを認めると、それが社会をガラリと変えるはずだと楽観的に信じ、その欠点や限界を軽視します。これを「イノベーション推進バイアス」と言います。
イノベーション推進バイアス
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イノベーション推進バイアス(Pro-innovation bias)とは
イノベーションが社会的に有用であることに対して過度に楽観的である一方で、その限界や弱点を認識しない傾向
です。英語の「Pro-」は「〜支持の」という意味。
対策
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未来のことはわからない、ということを忘れないでおく。
未来はわからないものです。科学的に。わからないけど、予測を試み続ける。未来の予測は、投資、人生などあらゆる点で、必要な態度です。
関連書籍
エベレット・ロジャーズ『イノベーションの普及』
このイノベーション推進バイアスを紹介しているのが、エベレット・ロジャーズ( Everett M.Rogers)の『イノベーションの普及』という本です。イノベーションはどのように伝播していくのかを解説しています。
佐藤航陽(著)『未来に先回りする思考法 Kindle版』
これ、ほんとおもしろい。世界の見方、未来についての考え方が変わりました。
参照
※1:
※2:Thinking creatively in turbulent times