地下城の魔物
解説など。今まで一度も書いた事がなかったので
簡単なものを書いてみた。
観た人向けです。
概要
「地下城の魔物」3DCGSFアニメーション
26分 制作年数2021年
監督制作 鈴木朗
経緯
元々「地下城の魔物」はとあるプロダクションの元で商業作品として企画されていた。尺は1時間弱ほど
デザイナーの方々にクリーチャーやメカデザインもお願いしていた。
が、予算はなかなか集まらない。
もう、いっそのこと一人で作ってしまおうと始めたのが今作品。
とは言え1時間弱のものを一人では無理すぎる。
ストーリーよりやりたい場面を優先し、30分ほどを目指して製作を開始した。
結局製作に8年かかったのだが、企画段階から数えれば10数年はかかっている。
ストーリーと世界観
企画当初は死と生の間の世界からの脱出という単純な話だった。
そのまま作ればそれなりにまとまった作品になったとは思うが
分かりやすくまとまった話ほどつまらないものはない。
きれいなオチを捨て見終わったあと迷子になる作品。
自分の嗜好に全振りすることにした。
地下城の魔物のストーリーは一つでは無く
多世界解釈の世界観で複数の世界を行き来するような構成になっている。
ここでの多世界は
今この瞬間にも世界は無限に分岐しており
泡のように増え続けているという解釈だ。
お互いの世界はシャボンの隣り合う泡のように、
波のように干渉している。
一つの世界に大きな出来事、例えば核爆発のような出来事が発生したが、すぐ隣の世界では核爆発は発生しなかった。
このために世界を隔てる波、泡はかき乱され遠くの多世界と繋がる、あるいは干渉で歪んだ世界から異形の存在が生み出された。
地下城の魔物で出てくる異形の存在は幻覚や妄想では無く、
どこかの世界から、あるいは歪みから生まれた存在だ。
劇中では大きくわけて武蔵野州と東京都の2つの世界に別れている。
テロリストとしての男。
作業員としての男。
この2つの世界はどこかで分岐し別れて行った世界だ。
我々自身も幾つもの泡のように隣あった多世界を移動しているだけかもしれない。
劇中に出てくる起爆スイッチはこの多世界を行き来する時の象徴として出てくる。
ラストはテロリストとしての男と、どこかで分岐した
彼が行きたかった、望んでいた世界を描いてみた。
と、小難しいことも書いてみたが
一番やりたかったのはゲロゲロのアクションシーンですた。
受賞歴
スピーディーで迫力のあるアクション、
個性的なクリーチャーは 高く評価され 数々の映画祭の公式上映に選ばれ、米国ニューヨーク州で行われた BuffaloDreams Fantastic Film Festivalでは
傑出したアニメーション賞受賞。
Corrosivo Film Fest2022では短編映画部門の観客賞を受賞する快挙を得ました。
公式上映映画祭
◯2021 Buffalo Dreams Fantastic Film Festival 米国ニューヨーク州映画祭
Outstanding Animated Film受賞
◯Corrosivo Film Fest2022 audience award for Short Film受賞
◯Fall 2021 Edition of the HorrorHound Film Festival 米国オハイオ州映画祭
Judges Choice Best Shortノミネート
◯LUSCA Fantastic Film Fest 2021 プエルトリコ映画祭
◯8th annual SciFi Film Festival in Sydney オーストラリア シドニー映画祭
◯5th Annual American Horrors Film Festival 米国 ウィスコンシン州映画祭
◯Miami International Science Fiction Film Festival (MiSciFi) 米国マイアミ州 映画祭
◯IXth Fantastic and Terror Film Festival in Tàrrega - GALACTICAT 2022 スペイン タレガ州映画祭
◯ZedZed Fest Film Festival & Screenplay Competition2022
Semi-Finalist