プログラミングで挫折して10年、紆余曲折ありながら結局プログラミングで飯を食っているという話
まずお前誰だよ…という方もいると思うので簡単に自己紹介をする。
私は大学院修了後、数年間商社で技術営業として働き、アラサーになったころ(今から1年半くらい前)にエンジニア転職をした者だ。
現在もエンジニアとして、CMでみかけるくらいには有名なアプリの開発に携わっている。
そんな私が、ちょうど10年前に大きな挫折を経験した。
それはプログラミングだ。
もちろん、それまでの人生がすべてスムーズにいってきたわけではない。中学高校時代に試験で悪い点をとったこともあれば、部活の試合で負けたこともある。
しかし、それらの失敗をすべて努力でリカバーし、次の試験や試合では満足のいく結果を残してきた。
また、受験をする生徒が10%ほどの高校から独学で難関の国立大学に合格し、在学中も単位を落とすことなく、入学後に始めたボクシングではプロライセンスを取得した。
自分で言うのもなんだが、周りの人よりは努力できるタイプだった。
大学2年の冬休み、ボクシング以外に何かおもしろいことをやってみたいという思いから、友人のススメでエンジニアのアルバイトをはじめた。
職場はもんじゃ焼きで有名な都内某所、シフトは自由だったが、冬休みなので9:00-18:00の平日フルタイムで働くことにした。
業務は自社ソフトウェアの開発で、最初の2ヶ月は研修期間、20個くらいの課題を解いて合格すれば本業務に入れるとのことだった。
研修初日、自分は大学の授業でC言語を少しだけかじっていたので、課題もちょちょいと解いてすぐに業務で活躍してやるぜ!と意気込んでいた。
そして1ヶ月が経った…
課題は…あと15個残っていた。
フルタイムで取り組んで、業務後の時間や土日も返上した上で、研修期間残り1ヶ月で3/4も課題が残っていた。
なんでこうなったのか?理由はいくつかあった。
1つ目は研修用PCでのインターネット利用と書籍の持ち込みが禁止であったことだ。
課題につまったときに調べ物があった場合、すべて社内の書籍を使わなければならなかったのである。用語の概念や文法を確認するには困らなかったが、エラーにぶち当たったときにネットを使えないのは本当に地獄だった。
2つ目は相談相手であるメンターのガチャでハズレを引いたことだ。
エラーにぶち当たった際、ネットを使えないとなると唯一頼れるのがメンターの存在だった。
メンターは今の自分と同じくらいの年齢で、常に舌打ちと貧乏ゆすりをしていて30分に1回はタバコを吸いに行くような人だった。
話しかけずともストレスが伝わってくるのでなるべく関わらないようにしていたのだが、どうしてもエラーを解決できなかったので意を決して質問してみることに…
「ちっ…なんでわかねーの?」
「はぁ…どうやったらこんなミスすんの?」
「本当に大学行ってんのかよこのバカ…(ボソッ)」
「才能ねーよお前」
何も解決しなかった。
質問前にこれまでやったことを箇条書きで整理したり図を書いたりしてみたが、ヒントを貰えるどころか暴言をぶつけられるだけだった。彼のまわりのエンジニアもニヤニヤ笑っていてこの上なく不快だった。
社会人経験を数年経た今であれば、こんな人間がいても適当に距離をとるなり上司に相談なりすると思うのだが、当時学生だった自分にはメンターの存在は絶対。その上、彼の「才能ねーよお前」という言葉を思いっきり真に受けてしまった。
ぶち当たった課題が「C言語でポインタを使って住所録アプリをつくる」というもので(今でも覚えてる)、どんなことをしてもエラーを解決できず、初めて人生で心が折れた。
そして研修一ヶ月かそこらで仕事をバックレた。佃大橋をうつむきながら歩いて帰ったのを今でも覚えている。
また、そのときに卒業後の進路からエンジニアという選択肢は消えた…
…はずだっただが、そこから10年間なんやかんやあり、私は現在エンジニアとして働いている。
エンジニアになった経緯はまたの話にするとして(するかわからんけど)、私が言いたいのは、プログラミングで挫折してもあきらめるにはまだ早いんじゃないか?ということである。
プログラミングの魅力というのは、人の役にたつサービスをユーザのことを考えながら自分の手でつくっていくところにあると思う(私の場合だけかもしれないが)。その楽しさに気がつく前にプログラミングをやめてしまったことについては後悔しかない。
私の場合は最初に出会ったエンジニアや会社の相性が悪く、IT業界そのものに対しても悪いイメージを抱いてしまったのが不運だった。
しかし、IT業界、とくにWeb系の企業であればそんな社風の方が稀だ。
なので、エンジニア就職や転職を考えていて、「自分はプログラミングに向いてないかも…」と思っている方がいたら、あきらめる前に自分なりのプログラミングの楽しさとは何か?というものをまずはみつけてみてほしい。
また、不幸にも雰囲気の悪い現場にあたってしまった場合は、部署異動や転職ですぐに環境を変えた方がいい。まわりに恵まれれば技術力も嘘みたいにアップする。
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