試乗は、乗り比べよう！

　車を購入するとき、試乗をすることがあると思う。その際は、もし可能であれば、エンジンの違うモデル同士や足回りの違うモデル同士で乗り比べてほしい。同じ車でも印象が大きく異なることがある。

　例えば、スバルレヴォーグを挙げてみる。最近、STIスポーツに2.4リッターターボ仕様が登場したが、まだ試乗できていないので、感想を申し上げられないのをご了承いただきたい。今回は、1.8リッターターボのSTIスポーツとGT系グレードを比較したいと思う。

　STIスポーツは、ZF製の電子制御ダンパーを装着するなど、走行性能へのこだわりが詰まったグレードである。グレード名からして、ガチガチの乗り味を想像する方もいらっしゃるかもしれないが、実は非常に滑らかでしなやかな乗り味なのだ。一言で例えると、絹ごし豆腐のような滑らかさだ。1クラス上の快適性を実現している。

　一方、GT系グレードは、ごく一般的なダンパーを使用している。どちらかというと、STIスポーツよりも路面の状況を感じやすい足回りだ。コツコツとした印象はあるが、適度な硬さで、もしかしたら、スバルらしいスポーティーさを好むのであれば、GT系なのかもしれない。特に、GT系グレードの特筆すべき点は、車と一体になって走っている感触がSTIスポーツよりも強いことだ。このことから、STIスポーツは、高級セダンのような乗り味、GT系グレードは、ガンガン走りたい人向けのすみ分けなのかもしれない。本来であれば、STIが走りを極めたい人向きなのかもしれないが・・・。

　実は、レヴォーグの乗り味の違いは、スバルの販売店（メーカーの直営店）では、STIスポーツとGTでは大差はない、STIスポーツのノーマルモードがGT系の乗り味と説明を受けていた。ただ、本当にそうなのかという素朴な疑問を感じたため、少々離れた場所にあるスバルショップ（地元の法人が経営している小さな代理店）にレヴォーグのGT系の試乗車があったため、運転させてもらった。その結果、以上のような違いが分かった。販売店の人を悪く言うわけではないが、車の性能、乗り味の違いはご自身で実際に乗ってみて感じるのが一番良いと思う。