中国の自動運転新興;WeRideが50億ドルの評価額で米国IPOを目指す
中国の自動運転新興;WeRideが中国系としては5月のGeely以来の米NASDAQ上場を目指しています。
中国本土での景気動向の悪化に加えて、自動運転の事業化へのタームの長さから投資家が資金を引き揚げている中、規模/流動性が見込める公開市場への上場で調達を目指す算段のようです。
今回のIPOに先立っては複数の安定投資家も名を連ねており、今後の事業安定化にも弾みをつける算段のようです
1;上場申請と割当>
中国の自動運転新興;WeRideは8/9にSECに上場申請書類を提出、最大50.2億ドルの評価額で上場、公募/私募併せて最大4億ドルの調達を目指す
(公募) IPO/新株発行で最大1.19億ドルの調達を目指すが、IPO株価レンジは15.5-18.5ドル
(私募) 資本提携加味した第三者割当で3.2億ドルを調達予定で、下記が想定される
-0.97億ドル=AllianceVentures(Renault/Nissan/Mitsubishi)
-0.70億ドル=JSC International Investment Fund
-0.50億ドル=Get Ride
-0.46億ドル=Beijing Minghong
-0.30億ドル=Kechuangzhixing HD
-0.20億ドル=Guangqizhixing HD/Gac Capital
中国政府は海外IPOの事実上の禁止を1年前に緩和、緩和後に準備を進めてきてからの今回の上場申請となった。
23/03に非公開の形で上場申請を実施(評価額=51.1億ドル/13.9億ドルの調達)していたが中国政府から待ったがかかっていた。一方で自動運転企業の事業化タームの長さから多くのVCは資金拠出を絞っており、大規模調達には公開が必要だった
2;申請書類からのWeRideの状況
FY24(上期)収益は2,070万ドルで、FY23(上期)の2,550万ドルを大きく下回って着地。純損失はFY24(上期)に1.21億ドルに計上し、FY23(上期)の1.09億ドルから拡大。
今回のIPOによる調達資金は下記の用途で用いられるとのこと
35%=研究開発
30%=自動運転車両の商業化/マーケティング
25%=設備投資(試験車両の購入)
10%=企業運用
3;中国系企業のIPO
WeRide以外にも中国系企業の上場が復活しつつあり、自動運転で競合であるPony.aiは21年に上場に失敗した後で再びIPO準備をしている。当時はSPAC上場で120億ドルの評価額での上場を目指していたが、中国政府との合意が得られずに保留に
直近では24/05にGeely傘下の高級EV新興;Jeekが上場。ただし、株価は上場以来48%下落している