Fordが主力EV(Mach-E)を値下げへ
Fordが販売するMach-E(SUVモデル)について環境の変化に伴い値下げ(最大8100ドル)が確認されました。
事業担当によるとTeslaの値下げによる市場混乱や消費者スタンスの変化に対応する目的で、値下げ以外にもインセンティブ供与もしています。
EV販売が一巡した感のある米国でのEV販売戦略、従来の考え方では足元をすくわれそうです
1;FordによるEV値下げとインセンティブ
Fordは在庫処分/低価格帯モデルの浸透といった環境変化に対応すべく展開するEV価格を引下げ。
Mustang Mach-Eが対象で3,100~8,100ドルの引き下げが確認され、加えて販促に向けて[自動車ローン利率0%(72ヵ月)][リース契約者向けインセンティブ(7,500ドル)]も実施
*追加インセンティブは現在提供している税額控除に追加
FordのCFO; John Lawler氏は下記のように語って市場変化への対応を強調
-[EVの最新の販売比率は8%弱だが、市場拡大につれて消費者の段階はアーリーマジョリティへと移行。EVに割増料金を払いたくない層がターゲットになってきた]
-[値下げはMach-EがIRAに基づく3,750ドルの税額控除資格を失い、販売量が23/01にYoYで51%減となったことを受けての対応]
また、Fordの広報担当はSUV-EVにおいて米国2位のポジションを維持すべくの施策であると語っている
-[Mach-Eは2023年にSUV-EVで全米2位の規模を誇るブランドで、売上成長/顧客価値の最適組合せを達成するために価格調整した]
2;Teslaとの競争
Fordを始めとするOEM各社はプレミアムゾーンのEV需要鈍化の中でTeslaの値下げと競争に直面
競争状態についてFordのCFOはTeslaの戦略への認識と、Teslaの今後の見通し不安について語った
-[TeslaはModel-3とModel-Yの両方を同時に供給を増やし、誤った需要意識を生み出したと考えている]
-[現在のTesla車の価格は手ごり水準となり、驚異的な成長を遂げたが需給ギャップ故に熱狂を産んだように見えただけだったのかもしれない]
-[結局のところTeslaの値下げはOEM各社の締め出しと業界混乱を狙ったものだったと考えている]
Teslaは22年後半から23年末にかけて4モデルの価格調整を実施。TeslaはD2Cモデルを取るため、価格引き下げで売上は増加したが利益は減少する結果に陥った
ちなみに、2023年のTesla出荷台数は181万台、営業利益は研究開発費/CybarTRUCKコスト/値下げによって打撃を受けた