ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM3いつも何度でも① ~空の青さを知るについて~
こんにちは
野々村すずかです。
3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、
思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、
こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します!
より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うので
ご覧いただけますと幸いです。
今回は映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の初回です。
アルバム名は「天藍」。意味はどこまでも澄み切った空の色。
このアルバム名に至ったきっかけは、私が目にした空でした。
そんなお話をさせていただきます。
まずは簡単に、作品の説明を。
「千と千尋の神隠し」は2001年に公開されてから、スタジオジブリの興行収入第1位を維持しており、沢山の方に多く知られている作品です。
「いつも何度でも」は、多くのアーティストがディスク化したり、カバーされています。
外国人の方や、初音ミクさんもカバーされている、名曲。
歌詞も日本語で、多く私から解説することもないので、
今回はまず、アルバム名とこの曲の関わりについてご紹介します。
天藍と「いつも何度でも」
「空の青さ」に着目したきっかけは、この曲をレコーディングする日に私の周りで起きたある出来事が関わっています。(長くなるので改めて話します)
人生ではじめて、「喪失」に直面した経験です。
この曲をレコーディングする日、想像もしていなかったことが起きて、家の中で深い戸惑いに溺れていました。
悲しいけれど、悲しいと思うことでよくないことが起こってしまいそう。
そんな気持ちの中、レコーディングに備えて練習をするために、
家を出ました。
私の家は、玄関を開けると天井がなくて、すぐ上が空と繋がっているんです。
そこには、信じられないくらいに純粋な青い空が広がっていました。
なにか意味をつけられないくらいに、真っ青な空。
雲ひとつない、青い空。
あー。こんなに空って青いんだなあ。
知らなかったなあ。
空がただ青いだけなのに、すごく胸が苦しくなりました。
人生で味わったことがないくらいに動揺していて、
自分の無力さを突き付けられて、
とんでもなく悲しくて、
でも悲しいことがダメな気もしていて、
それでもこんなに悲しいのに、
この空の青さには悲しみも、喜びも、希望も、絶望も、無力感も、
全てがあったんです。
そのとき、ある歌詞が頭をよぎりました。
空がどう見えるとかではなくて、ただただその時は
空って青かったんだなあ、と思ったんです。
あのときみた空の色が、ずっと頭に焼き付いて離れないんです。
けれど時が経つにつれて、少しずつ思い出せる時間が短くなっています。
そうだとしても、あの時感じたあたたかさは、きっと忘れないと思います。
天藍は、そのときみた空の色を探して探して、
やっと出会った言葉でした。
鏡のように
この曲について、ひとつ思うことがあります。
それは、そのときの自分の状況によって、
感じるものが大きく変わってしまう、まるで鏡のような曲だということ。
レコーディングの日、練習をして、
歌詞の聞こえ方が、まるでかわってしまいました。
そしてそこからの1週間でまたいろんなことが起こりましたが、
そこでもまた、見え方が大きく変わりました。
歌い方もきっと変わったんじゃないかなと思います。
これまでどんな人と出会ったのか、
どんな別れがあったのか、
どんな景色をみてきたのか。
みなさんがどう感じるのかも、
きいてみたいなと思います。
さて、次回は今回ほんの少しだけ触れた
私の喪失についてお話したいなと思います。
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