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「さよならだけは言わないで」(昭和53年 1978)五輪真弓

 この方のソングライティングは、アンダーグラウンド風であったり、フォークソング風であったり、シャンソン風であったり、それらを融合させたものであったりと多彩です。真似をして曲を作る人は居たのかもしれませんが、ヒットして世の人たちに周知されるところまでになった人はいないのではないでしょうか。それだけ、唯一無二のソングライターである、と私は思います。

 デビュー曲の「少女」は、今聴いても衝撃があります。一年後のリリースになったユーミンの「ひこうき雲」はこの「少女」に感化されて作られたものじゃないか、とも思ったりします。
♪「少女」(昭和47年 1972)https://www.youtube.com/watch?v=YTeIjiwDy7E

 〇〇〇風のソングライティングから一転、意図的にザ・歌謡曲として世に送り出した第一弾がこの「さよならだけは言わないで」でした。
 後ろに流れるメロディが遅いテンポでも、速いテンポになってもあまり変わることなく、この字数の歌詞を朗々と、そして、溜めを作りながら、限られたフレーズの中で歌い切る凄さをいつも感じます。

 ツボは、二番のサビで、一番のサビと違うアレンジで言葉を伸ばし加減で歌うところが心憎いです。

 半年後にリリースされた「残り火」も系統が同じですが大好きな曲です。
 この曲も、自分のもとを去った男性に向けての詞になっていますが、「さよならだけは…」以降の、新しい恋に向けての旅立ちの歌にもなっています。
♪「残り火」(昭和53年 1978)https://www.youtube.com/watch?v=TVs7DqBbGIs

 そして、あの大ヒット曲「恋人よ」が二年後にリリースされます。

♪「さよならだけは言わないで」(昭和53年 1978)
 作詞 作曲:五輪真弓
https://www.youtube.com/watch?v=tlGpU-F0YE4