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「土曜の夜は羽田に来るの」(昭和50年 1975)HI-FI-SET

*この記事は、2023年に書いたものです。

 最近、MDラックを見返す機会があって、いわゆる“棚つか”(棚からひとつかみ)した中に、ハイ・ファイ・セットと赤い鳥のMDがありました。
 どちらのMDも、聴き返すと本当に良くて。
 その中から2曲、ご紹介します。

 まずは、昭和50年にシングル「スカイレストラン」のカップリングとして発表された「土曜の夜は羽田に来るの」を紹介します。
 両曲とも、作詞が荒井由実、作曲が村井邦彦です。

 サビの歌詞で、曲の中の主人公の女性がはっきりとした意思をもって土曜の夜に羽田空港に行っているのが分かります。
 ♪たったひとりで 羽田に来るの と重ねて“ひとり”を強調しています。
 ♪(展望デッキで独り佇んでいると)うしろからそっと抱いてくれる気がする という歌詞も沁みてきます。

 一番の歌詞だけだと、彼と別れた女性が、彼を忘れられなくて、思い出の地である羽田空港に行っている、と捉えられます。
 が、2.5番の歌詞で分かるわけです。
 その彼との衝撃的な別れ方が。

♪空から帰らないあなたと話すため

 これです。

 旅が好きだった彼は、おそらく、その途上、航空機事故に遭ったか、行った先の国で亡くなられたことが伺えます。

 細かいことですが、「土曜の夜は羽田に行くの」ではなく、現在地に居る彼女の立場で「羽田に来るの」と言っているのも奥深いものを感じますし、村井邦彦氏の秀逸なメロディによく合っている、と思います。

♪「土曜の夜は羽田に来るの」(昭和50年 1975)ハイ・ファイ・セット
 作詞:荒井由実 作曲:村井邦彦


♪山本潤子ライブバージョン