正直な姿を見せることで、なりたい自分に近づく
コロナ禍前に戻りつつある京都。
珈琲店には海外のお客様も多く、英語が苦手なわたしは
正直に言うと「お互いに翻訳機能を使って話せたらどれだけ楽になるだろう。」と思っていた。
でも、それは自分が間違えた英語を話しているところを見られたくない、という逃げだった。
お会計時、合計金額をiPadの数字を指しながら日本語で「2000円になります。」と伝える。空いたグラスにおかわりのお水を入れるときは、ピッチャーを持っていくとなんとなく伝わる。
こうやって逃げながら、なるべく英語を話さないでいいように過ごしてしまっていた。
ある日「正確な文法じゃなくても、伝えようという気持ちはお客さんに伝わる」「今のあなたに伝えたいという気持ちはちゃんとある?」とオーナーに接客に対する意識を問われた。
改めて自分の接客を振り返ると、いい時間を過ごしてもらいたい、居心地の良い空間を作りたいという思いより、なるべく自分が恥じなくて済むように…とばかり気にしていたことに気がついた。
(改めて書いていると、申し訳ない気持ちになります。)
なりたい自分から自らかけ離れていっていた。
自分は全然完璧な人間じゃないのに、それを他の人に察知されないように騙し騙し、隠し隠ししていた今までの自分。
あー、恥ずかし。
もっと最初からありのままの自分を見せて、「すみません。今の自分はここまでしかできません。でも今絶賛勉強中なんです!」とちゃんと伝えられたらよかったんだ。
そう気づいてから、わたしは接客で使うフレーズをGoogle翻訳で調べたり、歩いている時に一人で呟いたりしている。
英語が得意なスタッフにお豆の説明のフレーズなど教えてもらった。
そうすると、もっと覚えたい、話したい!と言う気持ちが沸々と湧き出てくる。
海外のお客様が扉を開けると「よし!」と思うようになった。
単語を並べただけになっていたり、新しい造語を作ってしまったりしているけど、接客が楽しい。伝わるって楽しい。
「自分からコミュニケーション取ろうとしているところ、今日たくさん見られましたね!よく頑張りました^^」
昨日帰る前に、あるスタッフの方からそう言ってもらえた。
完璧な人間だと、自分を大きく見せようとしなくていい。
今の自分を認めて、ちゃんとやるべきことをやったらいい。