【映画】鬼太郎誕生とネトフリの悪魔くんを観た
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 2023年11月17日公開
Xでの口コミを見てると鬼太郎誕生とトットちゃんの感想がかなり熱のある良いポストが多かったのできっと良い映画なのだろう感じたので折角なのでまずは鬼太郎誕生を観にいってきた。
タイトル通り鬼太郎誕生秘話の話でなんだかんだ既存のキャラがたくさん出てくるような物語かと思って観に行った。実際観るとたしかにそうでもあるが、別にゲゲゲの鬼太郎を知ってなくても全然引き込まれる皆大好き因習村ミステリーでもあった。人類は謎のしきたりのある田舎に行って殺人事件に巻き込まれ何故か帰る事が出来なくなり巻き込まれる作品が大好きなはずなので(個人の偏見です)因習村という言葉でついときめく影のあるミステリっぽいのが好きな人は派生作品でしょ?という偏見を捨て観に行ってください。とても楽しかったし凄く良かった。
以下ネタバレ。
謎や悲劇がどんどん暴かれそれとどう向き合うのかみたいなのが最高なので実際観てきてほしい。口コミで火がついたらしく上映場所や回数が増えてるみたいで全然まだ映画館で観れると思うので。
どうしても理不尽な悲劇みたいな展開が苦手というなら無理にオススメしないのだけど、ゲゲゲの鬼太郎自体が妖怪が題材であり、人間の理解できない謎の存在や事象を扱った作品なので大丈夫かと。とはいえPG12だった。それなりに派手に多様に人は死にます。その無残な描写が凄く良かったけど人によっては苦手かもです。
昭和31年という戦後の復興の時代の物語で、主人公?の水木は戦争で戦地に行って生き残って帰ってきた生存兵、現在は製薬会社でとにかく出世を目指す敏腕サラリーマン。戦争中彼が何を見て何を悟ったか、だからこそ何に拘りどう生きようとしてるのか、そこから読み取れる戦争の理不尽さ、故に話が進む先に選ぶ彼の行動に魅了されると思う。
最近の作品はジェンダー感の意識というか、未来に向けた女性像で素敵な女性が描かれがちな気がする。今過去の話を描く時点でフィクションなのだから、その時代強いられてたであろう辛い事は辛いままに、そういう状況でもその時代なりの強さや美しさがあっただろうという物は綺麗に描かれてほしいと思うけどなかなかにそれは難しいみたいだなってよく思う。
これは村の話としては悲劇なので結婚や恋愛とは当時どういった側面を持っていたかが描かれてると思う。
上の説明だけだと何か凄く暗くて重い話っぽいけど、それだけで終わらないから是非観てほしいのである。
もう一人の主人公、鬼太郎の父(後の目玉のおやじ、以下はゲゲ郎と書く)は行方不明になった妻を探している。ゲゲ郎は幽霊族であってそれに関しての重たい設定もあるのだけど劇中ではとにかくシンプルに大好きな妻を必死に探している。
因習村の閉じた場所での人間の選択肢の無さが起こす悲劇と、戦争が見せた負の部分に影響を受けた人間の行動、そこに真っ直ぐな愛、この訳のわからない3つが融合してタイトル回収の鬼太郎誕生になり、未来とは何だろうという繋がりの物語になる。劇中は悲劇の連続でとにかく辛い物語なのだけど、貴方の中のゲゲゲの鬼太郎のイメージ分、この重い話がラストの鬼太郎誕生シーンで胸に響くんじゃないかなと。ゲゲゲの鬼太郎を観てない人でも全然観れるけど、凄く鬼太郎の為の派生作品だとも思える、そういうよくできた映画だと思う。
何を言ってるかわからないかと思うが、自分でもよくわからないので映画館で観てきてね。
個人的にはグロ演出も救いの無さも最高だった。でもこれは人によってはここが耐えられない部分でもあるのでオススメとは言ってはいけない部分なのだけど。
あとたぶんだけど、水木とゲゲ郎のキャラクターはオタク女子に凄く刺さると思う。私もすっかりおばあちゃんになったので萌えに関する感度がかなり低下してるので自信はないが、両極端な魅力的キャラの掛け合いと徐々に近づく関係性、全人類が好きなやつだと思う。
あと前半水木の出世思考みたいなのは、形は違えど普遍的な葛藤だとも思う。綺麗ごとだけでは生きていけないんだよというのはよくわかるけど、フィクションの中だからこそ最高に進んでいってくれる事は観てる側からしたら凄く気持ちの良いものだなと思う。
シナリオは最終的には勧善懲悪というか、どこに感情移入すべきかもわかりやすく作られてるので本当に酷い悲しい展開だけど心のやり場に完全に困る事もあまり無いと思う。ただ歳をとるとここまで見事な悪を描かれてもその人達の言い分も少しわかるみたいになって、こういう感情が映画を観るのに邪魔な感情なんだろうなって気持ちになる。12歳以上でピュアな心の残ってるうちに早く観よう。
結論、早く観てきてね、凄く良かった。
ちょっと最近体力が限界でnoteを別に書ける自信がないのでここで一応Netflixの新作の悪魔くんもオススメなので是非観てね。
私自身最初の悪魔くんの初代アニメの時ソロモンの笛が欲しくて欲しくてたまらない程度にキッズだった。だから話の内容はすっかり忘れている感じで観た。
かなり話は大人向け(悪魔の好む欲がかなり大人向け)にはなっているが、基本一話完結でスッキリ終わるので観てて面白い。主人公の悪魔くん二世が悪魔と人間に育てられた人間としての感情がわかりにくい超天才キャラみたいな位置づけだ。そこに凄い人間味あふれるメフィスト三世のツッコミがどんどん入りテンポよく話が進む。ホラーミステリーなのだけどなんでも魔術で解決とかではなく、どちらかというと超頭脳で解決みたいなほうが多いので大人の厨二病の方も楽しめるかと(楽しかった)
懐かしいキャラもでてくるが別に絶対前作の悪魔くんを知ってる必要はないかと。全体的に家族ってなんだろうとか、親になるって何だろうってテーマが多めで、そこで過去のキャラを知ってると少し懐かしさが増す程度だと思うので全然初見でいけると思う。コミカルな展開もあって、そういう部分に子供向けだった時の良さもあるので昔観てた人も是非観てほしい。
個人的に凄く面白くて12話一気に観た。
寒くて映画館まで行きたくない人はこっちを観てほしい。こちらは一応続編だなって思うし、鬼太郎誕生は良い派生作品だなって思う。作者の水木しげるはもう死んでいるので作者が死んだ後の続編の在り方もいろいろあるんだなって気持ちにもなるので両方を見比べてみるのも良いかもです。