自分を愛して尊敬するための服
ここ数年、ワードローブが確立されてきた。どの服を着ても気分が上がり、モチベーションが出る。制服で太ももが露出するのは社会的にも家庭でも認められているのに、肩やデコルテが出るのは「はしたない」とされた環境で育った。どうやら女性性は資本主義の中で性的に取引されるもので、美しいもの、強みではないらしいと思い込んできた。そんな呪いを、大人になってから、自分の心が踊る服を買い揃えて、一つひとつ打ち破ってきた。
今のテーマは、優しさや調和、直感を大切にし、柔らかく受け入れる自分(Light feminine energy)と、内面や本音に向き合い、強さと変化を引き出すカリスマある力強い自分(Dark feminine energy)が調和する服。ちなみに日本の女性は、母のような愛情深さ、ナイーブさ、平和主義、慈悲深さ、穏やかさ、忍耐強さといったLight feminine energyが強い人が多い。それは、これらの特徴を持つ子どもが褒められて育ったからだ。まるで筋トレと一緒で、小さい頃からトレーニングされすぎて肥大した部分だ。一方で、感情や欲望を抑え込まずに深く受け入れて変容させるミステリアスさ、強さや自己主張する力、自分自身の強さや影の側面を直視し成長や力へと変えるカリスマなど、Dark feminine energyは弱い人が多い。理由は同じ。社会的に不要とされ、トレーニングされてこなかった側面だから。男性も、男性性を否定されて育ったり、男性性のお手本となる人が不在だったせいで、女性性が強い男性が多い。
先進国や忙しい人たちは、時を直線的に見たがるし、時の流れを区切りたがる。
・ウエディングは人生で一番輝きたい時(ウエディング以外の100年は美しくないの?輝けないの?)。
・若い子が一番綺麗。(30代からの60年間は「女を捨てる」?50代で膝上丈のスカートは”痛い”の?)
・一日8時間、実質9時間が”仕事の時間”。日本では、8時間を仕事に費やす生き方がデフォルトで、それ以外の生き方をする人は、4時間働いて倍稼いでいても、judgementや嫉妬を恐れて身を潜めているようだ。
・年末だから大掃除、夏前には水着ボディを作るためにダイエット、衣替えのタイミングで126万人が一斉に服を揃える。自分の感覚に心地よい厚さではなく etc etc。
16歳で海外に出る前は、すべてが当たり前だった。毎晩、クラシックバレエのクラスの1時間前にスタジオに入ってストレッチ、筋トレ。汗っかきでも、冬服だからブレザーやセーターを着る。全校集会で浮かないために。少し暑くても、体育の時間はジャージを着る。胸はどうやらいやらしいもので、視線を集める恥ずかしいものだから。
社会構造に区切られた時間を過ごしてきた人たちは、大人になってようやく自分のスタイルや自己表現を学び始める。個人的な経験では、日本人女性は「可愛い、ゆったりした体の線が出ないファッション」、男性は「みんな同じで個性がない」と言われがち。そして、自分の感覚がわからなくなっている。「今日何着たい?」「これは暑い?寒い?」と体に聞いても、何も返ってこない無の状態。自分の体や感覚がわからないから、人の感覚や体にも鈍い。思い出すだけでムカつくが、先日通りがかりに私の顔に向かって咳を飛ばした男がいた。その男も、自分の体と心に意識が行き届いてない卑しいなりをしていた。(an unaware man/an oblivious man)
誰もが自分の体を生き返らせ、愛し、尊敬するためのツールを作りたい。先日、自分の精神を目覚めさせ、true desireと自己の真実に生きるためのマインドマップツールを作成したけど、今は体と感覚を高め、より魅力的に、より自分自身とつながるローブを作った。
腕を通した瞬間、これまでで一番女だと感じ、嬉しくて踊り回っていた。全ての人が、自分とつながる時間を持ち、センシュアルな部分を呼び起こしてほしい。そんな願いを込めて、このローブをいつか日本、そして世界の人たちに届けたい。自分を愛し、尊敬する人々で溢れる社会でこそ、人への心遣いも自然に生まれるだろう。