漫画家に皮様嚢腫(ミニピノコ)ができた話
漫画家の訃報ってよく目にします。
漫画の神さまこと手塚治虫先生は、「仕事をさせてくれ」という言葉を残して60歳で亡くなりました。
早いですよね…。
さて、手塚治虫先生の漫画で今も大人気の作品といえば「ブラック・ジャック」。
医師免許は持たないが奇跡の腕を持つ医者ブラック・ジャックが活躍するお話です。
お話はよく知らなくてもキャラクターのビジュアルは知っているという人は多いのではないでしょうか。
そのブラック・ジャックの側にいる、リボンを4つつけた小さい女の子はピノコといいます。
ピノコはブラック・ジャックがある患者の体の中から取り出した手、足、髪、脳などのばらばらだったパーツを組み合わせてつくった女の子です。
手術でピノコのパーツ一式を除去した患者は、妊娠もしていないのにいつの間にか体の中で人体が育ってしまい苦しんでいたのでした。
ピノコは漫画のキャラクターですが、妊娠していない女性の体内で人体のパーツができてしまう病気は実際にあります。
皮様嚢腫(ひようのうしゅ)といい、卵巣にできる腫瘍のうち内容に髪や歯、脂肪など人体の一部が含まれるものです。
卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)
http://www.iidabashi-ladies-clinic.com/medical_column/ovariantumor.html
その皮様膿腫ができてしまいました。
痛みはありません。卵巣の片方が7センチほど腫れていると人間ドックの検診で言われて気づきました。
通常の卵巣の大きさは約3センチなので2倍以上ですね。
大きいもののピノコにしては小さいので、私にできたのはさしずめミニピノコでしょうか。
卵巣嚢腫は小さければ経過観察でいいのですが、大きくなると卵巣と子宮を繋いでいる細い茎がねじれる可能性が高くなります。
この茎がねじれるとおなかに激痛が走るそうです。症状としては茎捻転といいます。
そんな事とはつゆ知らず、推しの舞台を見に行ったり漫画を描いたりしていた私ですが、もし何かの拍子で茎捻転を起こしたり卵巣が破裂していたりしたらその場で救急車を呼ばれたでしょうね…。
なんでも茎捻転を起こすと盲腸くらい痛いそうで、私が生まれる前に旅行先で盲腸になり病院に運ばれた母のことを思い出しました。痛かっただろうなあ。
救急車を呼ぶ前に手術しようということになり、MRIで卵巣嚢腫の大きさや内容物を確認するなどして手術のための準備を済ませました。
人間ドックに行ったのが10月、手術は11月末の予定です。
なんだか漫画のように手術が決まりました。手術も入院も人生初で、痛みもないのもありどこか他人ごとのような気分です。
漫画のブラック・ジャックといえばブラック・ジャック先生がメスで患者のお腹を開くところを思い出します。
ブラック・ジャックが連載されていたのは70年~80年代なので、手塚治虫先生が参考にしたのはその時代の医療でしょう。
お腹を開かなくても、おへそと下腹部だけに小さな穴を開けて悪いところを取り出す腹腔鏡下手術という方法が90年代に確立されました。
従来通り開腹手術で皮様膿腫を取り出すこともありますが、ありがたいことに私は腹腔鏡下手術を受けられる予定です。
大きくお腹を開かないので3日ほどで退院できると聞きました。
お世話になっているカウンセラーさんがたまたま同じ病気で入院したのですが、開腹手術だと退院するまで2週間くらいかかったそうです。腫瘍が大きかったんですかね?と首をかしげていました。
皮様膿腫は10代~20代の若い女性に多いそうです。なのでできるだけ検診を受けておくことが予防になります。
婦人科の検診を受けるときはパンツを脱いで開脚しないといけないし、子宮の組織をとるために器具を入れられると痛くて血も出ましたが…。
何も知らないうちにおなかが痛くなったらどこが悪いのかもわからず救急車で運ばれて開腹手術になったと思います。
婦人科の検診のときは男の先生が診てくれましたが、間にカーテンが引かれてお互いに顔は見えませんでした。
その後も女医さんに担当してもらうことができたので、可能なら女医さんのいる病院で手術や検診ができれば不安が軽減されると思います。
卵巣嚢腫は手術で取り除いても再発する可能性があるため、閉経後の女性であれば卵巣ごと取ってしまうこともあるそうです。
妊娠を望むのであれば、卵巣にできた膿腫だけを取り除くようお願いできます。
もしできたのが悪性の腫瘍で卵巣ごと取らなければならなかったとしても、卵巣は片方あれば機能するのだとか。卵巣が2つあるのには意味があったんですね。
手術まで日があるためミニピノコにはまだお目にかかれませんが、私のこれまでのお話が何かの参考になれば幸いです。
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