見出し画像

板張り

通勤にバスを使っているのだけど、帰りのバス停でのことである。

2ヶ月くらい前、年末近く。寒いのにバスがなかなか来ないので暗くなった空を眺めたり、道を挟んで林立する建物を眺めたりしていた。

使っているバス停は町中の大通りにあり、交通量も人通りも多く、店舗やマンション、戸建がひしめきあう場所にある。

そんな中、あることに気づいた。気づくというより、凄い違和感があったのだ。
バス停向かいの10階建くらいのマンションの3階角部屋の窓が変なのだ。

他の部屋とは違っていたので、最初は1階2階のテナントの一部かと思った。
そうではなく、他の部屋と同じワンルームのようである。
その窓がガラスの色でなく、茶色、木目なのだ。板張りされている。

よーく目を凝らすと一枚板でなく、細長い板を横に渡してある。全面板張りでなく、ところどころガラス窓が見える。
ベランダがあるので下方はどうなっているか分からない。
冬の夕方だから暗くて見づらい。

なんだろう?どうなってる?

目を凝らしているうちにバスが来て、乗り込んで、すっかり忘れてしまう。

毎日バス停に立つものの、夜で暗いのと、疲れていたり寒かったりして、そのことを忘れてしまっていたりもする(おばちゃんなので…)

が、最近日が長くなり、先日、あの3階の部屋を再びしげしげ見るようになった。

どうやら板は外から打ち付けてあるようだった。
というのも、窓のすぐ脇を通るエアコンの配管までもが板で隠れていたのだ。

どうやって外側から打ち付けたんだよ…

中の部屋は空っぽではないのか、壁に配された出窓風の飾り窓の曇りガラスの下方に何か積まれているのが目視出来た。

因みにこのマンションの向かい、私のいるバス停は某外食チェーンの大型店舗前になる。
街なかのそんな場所に、窓を封じられた一室が向かい合う異様さ。

その瞬間、めちゃくちゃ怖い気持ちと、某事故物件サイトで確認したい気持ちとが同時に湧いてきた。

冷静に考えると、ベランダの下方は見えないので、恐らく人が一人通れるスペースを残して横に板を打ち付けたと推測される。

帰宅して夕食後、某事故物件サイトで確認。

…燃えてた…
ただコメント等はなく、詳細は不明だった。

あのバス停を利用するようになって数年だが、板張りは比較的最近のような…ようなだけど。
マンションから人が出てくるのを過去に見たことがあるが、くたびれた雰囲気の中高年の男性だった。
ちょっと小洒落た外観が醸し出すイメージとはかけ離れていたので、覚えていたのだ。

まあ、妄想逞しくなってしまうが、あそこで何かあって、使えないのだろう。

明日からは見ないようにする。
つまり、これは覚書なのだ。
見ないぞ。



いいなと思ったら応援しよう!