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クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2022 第6ステージ

第5ステージはこちらから

ツール・ド・フランスでもお馴染みのアルプスの麓の街ギャップへと至る196.5㎞。ツールでも、そして過去ドーフィネで出てきたときも、アタッカーによる逃げ切り勝利のパターンが非常に多く、この日も逃げきり向きと思われていたステージであった。


最初の逃げは7名。

ジョフリー・ブシャール(AG2Rシトロエン・チーム)
アンドレア・バジョーリ(クイックステップ・アルファヴィニル)
ヴィクトール・ラフェ(コフィディス)
ブルーノ・アルミライル(グルパマFDJ)
ヴァロンタン・フェロン(トタルエナジーズ)
ワレン・バルギル(アルケア・サムシック)
ピエール・ロラン(B&Bホテルス・KTM)

残り66.8㎞地点に用意された2級山岳(登坂距離9.1㎞、平均勾配4.6%)でアルミライルが脱落し先頭は6名に。ディラン・フルーネウェーヘン(チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ)もまたまたまたまた遅れるが、この日はその後集団に復帰を果たす。

逆に言えば、それだけ集団のペースが遅かったということ。残り10㎞を切っても集団と先頭6名とのタイム差は1分半近く残っており、第2ステージに続く逃げ切りが濃厚となってきた。

残り5㎞地点に用意されたカテゴリのない登り(登坂距離3.2㎞、平均勾配2.8%)で最後の追い込みをユンボ・ヴィズマイネオス・グレナディアーズともにかけていく。その過程でフィリッポ・ガンナクリストフ・ラポルトなど、第5ステージで逃げを捕まえるために大きな役割を果たした重要な選手たちも使い果たし、残り4.5㎞で50秒まで縮めたが、それが限界だった。

残り1.5㎞で40秒。逃げ切りが確定した。


残り1㎞。フラム・ルージュを過ぎた直後、6名の隊列の先頭は、最もスプリント力があると見られていたアンドレア・バジョーリであった。

その後ろにラフェ、ブシャール、バルギル、ロランと並んでいた。

そして誰もが前を見て、バルギルが右側に飛び出したその瞬間、最後尾からおもむろに腰を上げて加速を開始したのがヴァロンタン・フェロンだった。

並木道の中で影が多く、もしかしたらその姿ははっきりと見えづらかったのかもしれない。彼が飛び出してすぐ反応できる選手はおらず、慌ててバジョーリが先頭に立ってこれを追走するが、すでにフェロンが全力でペダルを回すことに何の抵抗もないほどに決定的なギャップが開いていた。

あとは、800~900mもある残り距離を耐えきれるかどうか。

しかし追走も追走で、バジョーリ以外は誰も先頭に立とうとせず、さすがにバジョーリも後ろを何度も振り返り牽制気味に足を緩めてしまう。

対して先頭のフェロンは何も迷う必要はない。足はとうの昔に限界を迎えていたであろうが、それでも彼は、昨年のツール・ド・ルワンダ以来となる、プロ2勝目、それも念願のワールドツアー初勝利に向けての直線をたった一人で突き抜けていった。

ヴァンデU時代からの生え抜きの24歳が、たった一発のアタックで決めた最高の勝利だった。

後続ではファンアールトも最後は足を緩め、集団先頭を獲ったのはフェロンのチームメートのボアッソンハーゲン。

そしてここまですべてのスプリントステージで勝負にすら入れさせてもらえていなかったフルーネウェーヘンはこの日ようやく集団の中で勝負し、2位に入る結果を持ち帰る。だが、結局は逃げ切られてしまったわけだが・・・。


そしていよいよ本格的な総合争いが始まる。

週末山岳2連戦の初日は、今年のツール・ド・フランス第12ステージを模した、ガリビエ峠&クロワ・ド・フェール峠&超激坂フィニッシュだ。


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