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UCIワールドカップ2021-2022 第12戦「デンデルモンデ」

シクロクロス3大シリーズ戦の1つ「UCIワールドカップ」の第12戦が、12/26(日)にベルギー・オースト=フランデレン州の街デンデルモンデを舞台に開催された。

昨年初開催となったこのデンデルモンデの2回目。昨年同様雨に降られドロドロとなった路面を舞台に、今年シクロクロス初出場となったマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)と、数戦前から合流しているワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)トム・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ)が勢ぞろいするレースとなった。


ファンアールトとピドコックは2列目。ファンデルプールは3列目からのスタートとなったが、スタート直後に一気に番手を上げていくファンデルプール。ファンアールトもその脇に入り込み、一方ピドコックはこの時点で一気に遅れてしまった。
最初に抜け出したのはワールドカップ総合3位のトーン・アールツ(バロワーズ・トレック・ライオンズ)。最初のピットエリアでほとんどの選手がバイク交換をする中、ファンデルプールはこれをスルー。先頭のアールツに追い付いたまま1周目を終える。

が、その後アールツのペースアップにファンデルプール、ついていけない。単独3番手で抜け出してきたファンアールトがファンデルプールに追い付き、先頭はアールツが独走。
先頭アールツ。6秒差でファンデルプールとファンアールト。その後ろ12秒差でクエンティン・ヘルマンス(トルマンス・シクロクロスチーム)マイケル・ファントーレンハウト(パウェルス・サウゼン・ビンゴール)。ワールドカップ総合首位のエリ・イゼルビット(パウェルス・サウゼン・ビンゴール)は17秒遅れの単独6番手。
ピドコックは48秒差の8番手。彼はこの日はかなり厳しいようだ。

2周目は結局ファンデルプールとファンアールトに追い付かれ3人でフィニッシュしたアールツ。
その後もファンアールトが抜け出す場面やアールツが遅れかける場面、一度はファンデルプールが先頭に出る場面などもあったが、そうこうしているうちに全8周回中の5周回目――このあたりから、いよいよ調子の良さと体力の差が如実に出始める。

ウォッシュボード区間で自転車を担いだまま乗ったのと変わらないような勢いで先頭を突き進んでいくファンアールト。
ファンデルプールも自転車を押しながらこれを追いかけるが、ウォッシュボード終了後の立ち上がりでどうしても遅れる。さらにアールツも担いでここを攻略しようとするが、すでにその足元はフラフラ。ファンアールトとの差は歴然であった。
そのまま5周目終了時点で先頭ファンアールトと2番手ファンデルプールとのタイム差11秒。アールツ15秒。
この周回のファンアールトの周回ペースは7分45秒。これまでで最高のペースを叩き出したファンアールトは、以後、残る2人に影も踏ませないまま、先頭を突き進んでいった。


最終的にファンデルプールに49秒差をつけて今年2回目のワールドカップ優勝を果たしたファンアールト。今年ここまで4戦中全勝を記録する絶好調ぶりである。

UCIワールドカップ第12戦「デンデルモンデ」男子リザルト

一方のファンデルプールも今年のシクロクロス初戦から決して悪くない結果に。昨年もこのデンデルモンデでファンアールトに敗れているが、そのときは3分近いタイム差がつけられていたことを考えれば十分な出来と言えるだろう。
やはりラン区間などでは遅れが目立ったファンデルプール。東京オリンピックマウンテンバイクで負った怪我の影響がまだ残っているのか。今年の残りのシーズンは果たして、どうなるか。

この結果を経てのUCIワールドカップ総合リザルトは以下の通り。

UCIワールドカップ第12戦までの総合リザルト

上位の順位は変わらず。イゼルビットはまだまだ突き抜けてはいるが、例年この辺りから彼がずるずると落ちていき、アールツに追い付かれてしまいがち。
今年は残り3戦。優勝で得られるポイントは40ポイントなので、さすがにイゼルビットがその首位を奪われる可能性は低いとは思うが――ファンアールトたちの動向も含め、最後まで目が離せないだろう。


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