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現時点でのジロ、ツール、ブエルタ出場予定選手たち from sporza.

ベルギーの代表的なスポーツメディア「sporza.」で、現時点で判明している各グランツール出場予定選手がまとめられていた。

今回はこちらを確認しながら、簡単にレビューしていこう。


ジロ・デ・イタリア(5/6~5/29)

  • アスタナ・カザフスタン:ミゲルアンヘル・ロペス、ヴィンツェンツォ・ニバリ

  • バーレーン・ヴィクトリアス:ペリョ・ビルバオ、ミケル・ランダ

  • ボーラ・ハンスグローエ:エマヌエル・ブッフマン

  • コフィディス:ギヨーム・マルタン

  • グルパマFDJ:アルノー・デマール、アッティラ・ヴァルテル

  • イネオス・グレナディアーズ:リチャル・カラパス、テイオ・ゲイガンハート、トム・ピドコック、リッチー・ポート、エリア・ヴィヴィアーニ

  • モビスター:アレハンドロ・バルベルデ

  • クイックステップ・アルファヴィニル:マーク・カヴェンディッシュ

  • バイクエクスチェンジ・ジェイコ:サイモン・イェーツ

  • ユンボ・ヴィスマ:トム・デュムラン、トビアス・フォス

  • トレック・セガフレード:ジュリオ・チッコーネ、バウケ・モレマ

  • UAEチーム・エミレーツ:ジョアン・アルメイダ、ダヴィデ・フォルモロ、ディエゴ・ウリッシ


ここ数年の中でもTTの少ない今年のジロ・デ・イタリア。ベルナルもポガチャルもログリッチもいない中、ミゲルアンヘル・ロペスやギヨーム・マルタン、サイモン・イェーツらにとってはチャンスとなるだろう。とくにマルタンは初のジロ・デ・イタリア。ツールへの集中を捨ててでも挑む今回のジロに対する思いはかなり強いものがあるだろう。

もちろん、最大の優勝候補は2019年覇者で昨年のツール総合3位のリチャル・カラパス。2020年覇者ゲイガンハートや、まだまだ覚醒の可能性を残しているピドコック、そして今シーズンを引退イヤーと定めているポートといった強力な仲間たちが全力でサポートしてくれるだろう。

ほか、ポガチャルいぬまにチャンスを狙いたいジョアン・アルメイダ、昨年は可能性が十分にある中で志半ばで不運にも落車リタイアとなったジュリオ・チッコーネ、そして3年ぶりのグランツール総合を狙うことになるであろうトム・デュムランなどにも注目したい。

スプリンターではツール・ド・フランスの出場権を再びピノに引き渡したアルノー・デマール、同じくツール出場権をファビオ・ヤコブセンに取られそうなマーク・カヴェンディッシュ、そして5年ぶりの古巣復帰で再起を図るエリア・ヴィヴィアーニといった、ある意味ものすごく魅力的な激突が見られそうでワクワクする。

ところでカレブ・ユアンは今年、全グランツール勝利へのリベンジは狙うのだろうか? 昨年は残念だったが、ぜひ再びチャレンジしてほしい。


ツール・ド・フランス(7/1~7/24)

  • AG2Rシトロエン:ベン・オコーナー

  • アスタナ・カザフスタン:アレクセイ・ルツェンコ、ミゲルアンヘル・ロペス、ジャンニ・モスコン、ヴィンツェンツォ・ニバリ

  • バーレーン・ヴィクトリアス:ダミアーノ・カルーゾ、ソンニ・コルブレッリ、ジャック・ヘイグ、ミケル・ランダ、マテイ・モホリッチ

  • ボーラ・ハンスグローエ:サム・ベネット

  • コフィディス:ギヨーム・マルタン

  • グルパマFDJ:ダヴィド・ゴデュ、ティボー・ピノ

  • イネオス・グレナディアーズ:エガン・ベルナル、フィリッポ・ガンナ、ゲラント・トーマス

  • イスラエル・プレミアテック:クリス・フルーム、ヤコブ・フルサン、マイケル・ウッズ

  • ロット・スーダル:カレブ・ユアン

  • モビスター:エンリク・マス

  • クイックステップ・アルファヴィニル:ジュリアン・アラフィリップ、ファビオ・ヤコブセン

  • バイクエクスチェンジ・ジェイコ:ディラン・フルーネウェーヘン、マイケル・マシューズ

  • ユンボ・ヴィスマ:ローハン・デニス、セップ・クス、ステフェン・クライスヴァイク、プリモシュ・ログリッチ、ワウト・ファンアールト、ヨナス・ヴィンゲゴー

  • トレック・セガフレード:ジュリオ・チッコーネ、バウケ・モレマ、マッズ・ピーダスン、ジャスパー・ストゥイヴェン

  • UAEチーム・エミレーツ:タデイ・ポガチャル

  • アルペシン・フェニックス:マチュー・ファンデルプール

  • トタルエナジーズ:ペテル・サガン


デンマーク開催となる今年のツール・ド・フランス。注目コースについては下記記事でも紹介しているので要確認。

ポガチャルvsログリッチvsベルナルvsアラフィリップvsエンリク・マスvsミゲルアンヘル・ロペスといったまさに頂上決戦が期待できる布陣。そこに昨年ブエルタ総合3位のジャック・ヘイグや復活のティボー・ピノなどがどう食らいついていけるか。

スプリンターではサム・ベネットvsカレブ・ユアンvsワウト・ファンアールトvsファビオ・ヤコブセンなど。そこにソンニ・コルブレッリやディラン・フルーネウェーヘン、2020年のシャンゼリゼ覇者マッズ・ピーダスンなどがどう絡んでいけるか。もちろん、今年からプロチームで出場することとなるペテル・サガンもその中心の1人だ。

ところでフルーネウェーヘンとマイケル・マシューズは同時に出場する方針の様子なのが少し驚き。ピュアスプリントはフルーネウェーヘン、逃げやポイント賞、起伏の多いスプリントステージではマシューズと役割分担をするのだろうか? 今年はあまりピュアスプリンター向きではないという話もあるので、そういう対策もあるのかもしれない。パリ~ニースも二人とも出るようなので、そのあたりでのコンビネーションをまずは確認していきたい。

ここに名前が載っているエースたちを支えるアシストたちに誰が選ばれるのかも今後の注目ポイント。個人的にはベルナルのアシストとしてカラパスも出場してほしいし、ポガチャルの両脇に昨年と同じラファウ・マイカやブランドン・マクナルティに加え、今年新加入のジョアン・アルメイダやマルク・ソレルなどが集うのかどうか。

そのあたりはすべて、この先のシーズンでの彼らの走り次第となるだろう。


ブエルタ・ア・エスパーニャ(8/19~9/11)

  • モビスター:エンリク・マス、アレハンドロ・バルベルデ

  • クイックステップ・アルファヴィニル:レムコ・エヴェネプール

  • UAEチーム・エミレーツ:パスカル・アッカーマン、ジョアン・アルメイダ、タデイ・ポガチャル、マルク・ソレル


オランダスタートとなるブエルタ・ア・エスパーニャは、さすがにこの時期に予定されているメンバーはまだまだ少ない。このあたりはシーズン全体での走りや怪我の状況などにも大きな影響を受けるため、どのみちこの時期に出てくる情報は信憑性も少ない。

それでも方針として、今年引退のアレハンドロ・バルベルデがツールを回避してジロとブエルタに出場することは早い時期から宣言されていた。20年間この自転車界の中心を走り続けてきた生ける伝説は、有終の美を祖国にて飾ることができるのだろうか。2017年のアルベルト・コンタドールのような、感動的なラストランを見てみたいものだ。

そして昨年はジロ・デ・イタリアで悔しいグランツールデビューを飾ったエヴェネプールが、今年は早々にブエルタ集中を宣言。

「僕はスペインのレースが好きだ。プロに転向してからスペインで2~3回レースで勝っているので、今シーズンブエルタ・ア・エスパーニャに挑戦できることが本当に楽しみだよ」


あとは、UAEチーム・エミレーツに移籍したパスカル・アッカーマンが今年のグランツールはブエルタ・ア・エスパーニャのみを走ることもほぼほぼ決まっている。普通に考えればツール・ド・フランスにエースとして出場するために移籍するというのがお決まりのパターンだが、だからこそ彼がUAEチーム・エミレーツに移籍すると聞いたときは誰もが驚いたものであった。

当然、メディアもそんな彼に疑問をぶつけ、そして彼は次のように応えている。

「今本当に重要なのは2019年に成し遂げたときの状態に近づけるようになることで、それが今シーズンの最大の目標だ。そのあとに、2023年についてはまだまだ可能性がある。自分がかつて持っていたコンディションを取り戻すことができれば。チームとは常に将来のツール・ド・フランスについて話をしている。でも今シーズンの目標は明確で、私はそれについて本当に満足しているよ」


また、ブランドン・マクナルティについても、以下の記事でツール・ド・フランスではポガチャルをアシストすることに全力を尽くし、ブエルタ・ア・エスパーニャでは自由を許される予定であると話している。


上記sporza. のデータではポガチャルがブエルタも出場する予定となっているが、昨年もその予定でいたところを途中でキャンセルしツールのみの出場となった経緯もある。

いずれにせよ、繰り返しになるが、ブエルタについては現時点ではほとんど確定的なことは言えない。

まだ見ぬ新鋭たちの活躍も含め、「何が起こるかわからない」感を存分に楽しむこととしよう。

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