ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第2ステージ
ブエルタ・ア・エスパーニャにしては珍しい、第2ステージから山岳ポイントの一切ないピュアスプリントステージ。
逃げもすぐ確定し、平穏な時間が長く続くことになったが、最後は白熱の集団スプリントが繰り広げられることとなった。
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聖ドミニコ没後800周年を記念して彼の生誕地であるカレルエガから出発したプロトン。
アクチュアルスタート直後にUCIプロチームに所属する3名の逃げが飛び出し、山岳ポイントもないということで、これはすぐさま容認。「典型的」なグランツール初日平坦ステージの様子が作り出された。
ディエゴ・ルビオ(ブルゴスBH)
セルジオ・マルティン(カハルラル・セグロスRGA)
シャビエルミケル・アスパレン(エウスカルテル・エウスカディ)
最初の15㎞でタイム差4分弱という、完全な容認ぶり。
集団はグルパマFDJとドゥクーニンク・クイックステップが牽引。
タイム差はあえて縮め過ぎないようにコントロールし、平穏な時間が過ぎていった。
残り30㎞を前にして一時集団とのタイム差も30秒近くまで縮まり、先頭からはルビオが独走を開始。一旦タイム差を1分以上にまで戻す。
しかし残り21㎞でこのルビオも集団に吸収。
残り16.7㎞地点に用意されたスプリントポイントを巡り、アスタナ・プレミアテックが集団を牽引。
前日のTTでログリッチに対して6秒差をつけられたアランブル。何とかこの日のこの中間スプリントポイントとフィニッシュ地点でボーナスタイムを獲得し、逆転を狙う。
最終的に、このスプリントポイントではヤコブセンが先頭通過で20ポイントと3秒を獲得。アランブルは2位通過し、2秒のボーナスタイムを手に入れた。
そしてラストの集団スプリント。引き続きアスタナがアランブルのために猛牽引。ドゥクーニンク・クイックステップ、グルパマFDJもトレインを形成し、番手を上げていく。
だが、残り4㎞で落車が発生! ボーラ・ハンスグローエのスプリンター、ジョルディ・メーウスも巻き込まれたほか、マキシミリアン・シャフマンもすぐに起き上がったもののタイムを失うことに。
残ったメンバーでいよいよ最後の集団スプリントに突入していく。
残り2㎞でアルペシン・フェニックスのアシストが集団先頭を猛牽引。その背後にはドゥクーニンク・クイックステップが隊列を作る。
残り1.2㎞。一時姿を消していたグルパマFDJもトレインを作り、アルペシンのトレインと並ぶ。
肩をぶつけ合い、高速度域で集団の先頭を突き抜けていくドゥクーニンクとアルペシン。
そしてFDJは、最終発射台が失速してしまった? デマールが番手を一気に後方に落とし、挽回不可能となってしまった。
ラスト500m。ドゥクーニンクとアルペシンはそれぞれアシストを1枚ずつ残し、左からは別ラインでマッテオ・トレンティンがフアン・モラノを率いて誰もいない空間を一気に上がっていく。
残り300m。先行したのはこのトレンティン。
残り200m。その背後から、モラノがスプリントを開始! その背後にマイケル・マシューズがついていき、さらにその背後にファビオ・ヤコブセンとジャスパー・フィリプセンとが横並びでついていく。
残り100mでマシューズが発射。
残り75mでマシューズの右からヤコブセンが、左からフィリプセンが同時にスプリントを開始。
最後は右にラインを切ったマシューズを避けてスプリントをしなければならなかったヤコブセンが余分に遠回りをしてしまった分、フィリプセンが先行してフィニッシュラインに到達ができた結果に。
モラノとフェンスとのわずかな隙間を突き進んだフィリプセン。モラノもしっかりと自分のラインを護り、フィリプセンのスプリントを邪魔しなかったという点で、非常にクリーンなスプリント勝負であった。
これでアルペシン・フェニックスは今年のグランツールすべてで「最初の平坦集団スプリントステージ」を勝利。
フィリプセンにとっても、ツールで2位を3回、3位を3回という悔しい結果に終わったことへのリベンジを果たした形となった。
総合では落車の影響か、ルーカス・ハミルトンやアダム・イェーツが30秒近く遅れることに。
公式にはまだ未確認だが、ヒュー・カーシーやマキシミリアン・シャフマンなども遅れたとの話。
グランツール初日はトラブルはつきものだが、これ以上のトラブルがなければよいのだが。
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