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【⚽️日本サッカーを愛そう】【2022最新版】賢い経営をしているJリーグクラブはどこか!?で斬ってみる

さて!今年も出そろいました決算報告!!

あなたが応援しているチーム。積極的に選手を補強してバンバン監督代えてますけど・・・お金の方は大丈夫ですか!!!!


毎年夏休み前にひっそりと出揃う各チームの経営通信簿。
それを今回も以下の項目で斬ってみて、あなたの推しチームがグラウンドの外でもイケてるのかそれともイケてないのか。これを勝手に診断しちゃいます!!

診断項目は以下の通りだ!

① 全収入のうち、スポンサー収入に最も依存しているチームはどこか

 そのスポンサー収入を最もチーム年俸に突っ込んでいるチームはどこか

 ホームで試合をするたびに、きっちり儲けているチームはどこか

 グッズを売るたびに、きっちり儲けているチームはどこか

⑤ クラブ運営で最も無駄遣いを抑えているチームはどこか

①~④は毎年恒例。
⑤は今回新たに追加した項目です。宣伝広告などの販売費。それから消耗品や通信費などの一般管理費。つまりクラブ運営していくうえで必要な費用をしっかり節約できているクラブをチェックします!!


今回は2022年にJ1所属していた18チームが対象。
それでは早速見ていきましょう!



■スポンサー依存度

これは、全収入のうち、スポンサー収入に最も依存しているチームはどこか!?を示しています。
計算式はシンプルに、全収入におけるスポンサー収入の割合

表中の矢印は前年からの数値の増減を示しています(順位の変化ではありません)。これにて、昨年より良化したのか悪化したのかがわかります。

これについてはズバリ数字は低い方が良い、と思います。

今年はですね。絶賛債務超過中のクラブに★印をつけています。

”債務超過中”とは借金を抱えている経営的にやばいクラブ。ちなみに金額は、
セレッソ大阪 11億5千万円の赤字
アビスパ福岡   3億3千万円の赤字
サガン鳥栖    2億9千万円の赤字
柏レイソル    2億6千万円の赤字

むむむ。セレッソさん断トツで気合入ってます!


まずはやはり
昨年の70%オーバーから良化はしていますが依然としてリーグトップの依存率。ちなみに鳥栖が大口スポンサーと契約破綻して20億もの赤字を出した時の依存率は54%でした。バックに日立が居るとはいえやはりまだまだ抑えたい所。


そして気になるのがマリノス
依存率が一気に下がってますがこれって他の収入が増えたからではなく、シンプルにスポンサーが激減してるんですよね。

スポンサー収入額

実数字でも前年から3億8千万マイナスと断トツ。少し気になります。


そして上の表でちらっと見えてしまいましたが磐田も地味にスポンサー収入減ってます。J1に昇格したのに・・・
もともと依存率の高いクラブでしたが、スポンサー収入が減って依存率微減というのが実態のようです。


そして、債務超過クラブである福岡鳥栖
依存率は増えていますがこちらはむしろ収入が増えなくてはいけないチーム。実数字でも前年から3億以上増えていて経営的にはgoodと言えそうです。
営業の皆さん頑張りましたね!



■人件費つっこみ度

どんどん行きましょう。
次は、そのスポンサー収入を最もチーム年俸に突っ込んでいるチームはどこか!?というのを見ていきます。

計算式は、こちらもシンプルにスポンサー収入と、チーム人件費(選手・スタッフの年俸)の割合です。

こちらも数字は低い方が良い、と思われます。
人件費はすぐには削れませんから、突っ込みすぎなクラブはスポンサーが去った瞬間に赤字に陥ってしまいます。

J1平均は106%と相変わらず100%は超えているんですけどコレ、だんだんと減ってきてるんですよね。
入場料の増加が効いていると思うんですけど、スポンサーさんに依存しなくてもそれ以外で儲けられてるクラブが増えているというのはとても良いこと。


こちらも注目はマリノス
スポンサー収入が減ったのですが高額選手の保有はそのままで依存度は増加。
つまりマリノスは収入減っても選手の整理をしなかったわけで、今年何としてもタイトル取って賞金を得なくてはいけない状態にあります。まさに勝負の年。


続いて特筆すべきは鳥栖
昨年度の204%からなんと半減の104%へ。ようやくリーグ平均を下回りました。相変わらず債務超過ではあるものの、ようやく普通のクラブになりつつありますね!


そして今回新たに100%を切ったのがFC東京川崎湘南セレッソ。いずれもスポンサー収入を増やして、人件費の削減に成功しています。
一番頑張ったのは川崎ですね。スポンサー収入を3.5億増やして人件費を6億削減。つまり10億も改善させています。凄い!


そして触れずにはいられないのが磐田
先ほどスポンサー収入が減ったと述べましたが、にもかかわらず人件費への依存度をさらに下げています!
一番の要因は補強をあまりしなかったということでしょうか・・・。補強しないことはネガティブな側面がありますけど、節約という点ではやはり効きます。この辺のバランスが難しいところ。



■試合運営効率

これは、ホームで試合をするたびに、きっちり儲けているチームはどこか!?を示しています。

試合開催して得たお金の何%が利益になっているかが見て取れます。
”利益”は入場料収益と試合関連費の差分としています。試合関連費にはスタジアム使用料、警備費、運営設営費などが含まれます。

この数字は当然 高ければ高いほど良い、という見方になります。

こちらは無観客が解消されて軒並み入場料収入が増えたのでどのクラブも大幅アップしてますね!良い事です!!

そんな中・・・ちょっと待ってくれ札幌どうしたんだ!!
調べてみるとですね、入場料収入は増えてるんです。でもそれ以上に出金が増えてる。
こ、これってもしかして。

札幌市が日ハムに対して多額の使用料をむさぼり続けていた問題
結果的に日ハム側が激怒して自前でエスコンフィールドを建設。札幌ドームとの決別を図ったわけですけど、このあおりを受けているのがコンサドーレではないかと推察。

もともと高くなかった利益率はさらに悪化。今後も良化の見込み無しとなれば非常に厳しいですね。秋春制移行となるとドームは必須だけど・・・どうなるのでしょうか。


上位を見れば川崎浦和FC東京マリノスなど大箱所有クラブがやはり強いですね。観客さえ戻れば御の字モードに入ります。
それから鳥栖福岡と債務超過勢の頑張りも目につきます。


あと特筆すべきは京都。
完全に昇格効果
ですね。新スタジアムと12年ぶりのJ1がしっかり嚙み合って大幅な入場料増加につながっています!よかったね!


さぁそうなってくるともう一つの昇格チーム磐田はどうだ!?…しっかり最下位ですね!!毎年恒例です!!
運営費かかりすぎ!!と、これまた毎年恒例で叫びたいんですけどね。しかし今年に関しては少し様子が違うんです。

実はですね、試合関連経費自体はマイナス5千万円と減ってるんです。ここは少額ですけど会社としても努力したんだと思います。
じゃぁ理由は何だ!?というとですね・・・これです。

入場料収入額

衝撃的な結果。

無観客が終わった2022年。2シーズンぶりのJ1昇格。これだけの好条件の中、なんと入場料収入減ってるんですよ。当然ですけどJ1で唯一です。

この件については下記noteでたっぷり書きましたので”魂の叫び”は割愛。


クラブはホームタウン増やしたり、様々なイベント企画したりと奮起してくれていますが、やはり基礎にあるのは勝利。

再び勝てるチームになってタイトル争いを
もうこれしかない。コアサポは良いんです。でもそっちだけ向いてては経営が苦しくなってきてる。ライト層をどうスタジアムに戻すか。理想ではなく現実的な行動が求められています。

社長・・・。オレも叶えてあげたいよ。



■グッズ販売効率

さて気を取り直して・・
これは、グッズを売るたびに、きっちり儲けているチームはどこか!?を示しています。

グッズ販売して得たお金の何%が利益になっているか
”利益”は物販収益と物販関連費の差分としています。

こちらも当然高ければ高いほど良い、という見方になりますね!

例によって柏は決算報告に販売関連の数字が出てこないので0%になっています。
それ以外でみてみますと、


やはり清水が気になりますね。
利益率8割って。何度も数字見直しましたが計算ミスではありません。
もし清水サポさんが品質的に不満を持っているのならぼっ◯くりですけどそうでもないなら商売上手すぎる!!
個人的にもぜひカラクリを伺ってみたい!


あとはやはり京都
入場者が増えるとグッズも売れます。調べると、原価も増えてますのでコスト抑止したというよりは純粋にたくさん売れた結果と言えます。よかったね!


ちなみに売り上げで唯一10億円を超えてるのが浦和。利益率は低めですが「そんなの関係ねぇ」レベルで儲かってます。
ここはもうさすがとしか言いようがありません。これにトスパさんへの国旗代も加わるわけで(笑)。しっかり作ればしっかり買ってくれる。浦和サポはグッズに最もお金を支払ってる人達です!!



■経費ムダ遣い度

これは、全収入のうち、経費に最もお金を使っちゃってるチームはどこか!?を示しています。

計算式はシンプルに、全収入における販売費および一般管理費の割合
”販売費”とは広告宣伝費、販売手数料(代理店などへの手数料)、販売促進費(キャンペーン費用等)など。
”一般管理費”とは地代家賃や光熱費、消耗品費、通信費など、家計簿で言うところの切り詰めるべき部分。

こちらは低ければ低いほど良い、という見方になりますね!

こちらまず面白いなぁ、と思ったのがですね鳥栖福岡の債務超過組です。

借金してるわけですから当然切り詰めてやってるんでしょ?と思ってみたら、見事に皆さん切り詰めてやってました!!素晴らしいです。

勝つためには選手の人件費って下げられないですからそこは難しいと思うんですけど、それ以外のところは頑張ってやってるんですね。
これは各チームのサポさんも大いに誉めてあげてください!!


となるとやはり気になるのはセレッソ
J1平均より上の24%となりました。つまり全収入の約1/4を選手年俸や試合運営以外のところで食っちゃってる。赤字なのに。

これは他クラブと比較しても改善の余地ありと見えてしまうのですが、いかがでしょうか。。。


ちなみに今回”ムダ遣い”と題して数値化してみたんですけど、販促費や広告宣伝費って減らせばいいってもんじゃないんです!
当然ここぞの勝負所でドカーンと使って、リターンを待つような攻めの施策も打たなくてはいけないわけで。

ここは完全に経営センスの見せ所ですね。


ちなみに今回数字が高かった鹿島川崎、札幌あたりって、チームのプロモーションに関してサポさんの満足度は高めでしょうか?
もし十分満足している(かつ経営的に黒字)なら、これはムダ遣いというより良い金の使い方をしているとも言えると思います!



■最後に

皆さんの推すクラブの経営センスはいかがだったでしょうか?

何はともあれ今回は無観客から脱することができ、(1クラブを除いて)大幅に入場料収入が良化したのは良かったですね。それにつられてスポンサー収入も軒並み増加していました。


そして今回は債務超過クラブを明確にして数字を追ってみたわけですけどもセレッソがやはり心配です。
原因がヨドコウの借金にあるのか、かつての監督交代の違約金にあるのか、詳細は定かではありませんが、チームが最近海外からの補強ではなくJ2の選手を引き抜くことに躍起になっている理由もこのあたりから読み解くことが出来ます。

そして先日、
加藤陸次樹選手を広島に移籍させました。この時「バリバリのレギュラーをなぜ出すんだ!」との声が多くありましたけど、これもまた移籍金が手に入るならクラブ的には良い判断と言えるかもしれません。

つまり、
補強も放出も経営数値とセットでみないと正しい判断は出来ないんですよね。チームにはチームの事情があるわけで。まぁ勝てなきゃ意味がないんですけど。


つらつらとまとめてきたこちらも今年で5回目になります。
皆さんの好きなチームを俯瞰的に見て、冷静に評価するための一助となればこんなに嬉しいことはありません。

Jリーグと、皆さんの推しクラブに幸あれ!!
また会いましょう。




あと静岡県西部地方の人たちはエコパやヤマハスタジアムに行ってください!!
きっと勝ってくれるはずです!!

花火だってあげちゃうんだから! あ、経費増えるな。。




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