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【⚽️日本サッカーを愛そう】【静岡】売れないダービー。

ネガティブキャンペーンの片棒を担ぐかもしれない・・と恐れつつも、ややショッキングなタイトルを付けてみたのは他でもありません。

ある程度、いやそこそこ真面目に、現状を危惧しているから。


「売れないダービー」

それはエコパのせいなのか。あるいは前日から続いた雨予報のせいなのか・・・。
いずれにせよ2023年初のダービーは数字的には23,000人を集めたものの、画面から伝わる隙間の多いスタンドはややさみしいものがありました。



■SNSの実態

好きなチームを追いながらSNSをすることは楽しいです。

マッチデーになれば朝からワクワクを共有し、勝てば共に狂喜乱舞。負けた直後は不貞腐れるも気を取り直して「更なる後押し」を誓い合う。

サッカーのある週末を楽しみに待ち、時間がくればスタジアムへ。あるいはテレビの前に座り、あるいはお馴染みのスポーツバーへ向かう。

サッカーとは生活の一部であり、勝利とは明日への活力であり、ダービーとは絶対に負けてはならない”戦争”と例える人もいるが、ある意味 極限状態のお祭りかもしれない。


しかし、

SNSを中心に溢れている僕と僕の周りの世界観は、ジュビロ磐田が本来獲得すべき顧客総量のほんの一部に過ぎない。
肌感ではあるが、それはおよそ1割にも満たない程度なのではないだろうか。そんな風に感じる。

つまり残りの9割は、
勝っても負けても応援を続ける熱狂的サポとは一線を画す「そこまでじゃない」という人たち。

そして、
これこそがジュビロ磐田が獲得しなければいけないビジネスのすそ野。
満員のエコパを実現するための必要なピースなんだろうな、と。


では、
エコパでのダービーを満員にするためには何が必要なのか。残り9割の存在を意識しながら少し考えてみたい。



■勝つところが見たい

お金を払ったならば気持ち良さを得たいので、勝ってもらわなくては困る。

ジュビロ磐田に対して、「そうでもない」ぐらいのライト層の本音はこれだろう。


「そんな馬鹿な。」「むちゃくちゃ言うね。」「勝てなくても面白さはあるよ。」
言いたいことは山ほどあるが、ここで大事なのはこの意見に反論することではなく、そういう人たちがたくさんいるという事実を認識する事ではないだろうか。

面白い数字がある。

■クラブ別 Twitterフォロワー数 2023.03時点
鹿島アントラーズ 455,201人
 ジュビロ磐田   145,416人

2023年3月時点でのアントラーズとジュビロのツイッターフォロワー数を比較しているが、その差は何と31万人もある。
ちなみに鹿嶋市の人口は6.7万人。磐田市の人口は16.7万人と磐田の方が10万人も多い。

かつてチャンピオンを懸けてしのぎを削ったライバルとの差は、その間に積み重ねられた勝ち数の差に他ならない。


アントラーズサポになれば、お金を払って気持ち良さを得られる。なぜなら勝ってくれるから。

この感情が紛れもない事実であることは、市民の7倍以上もの人たちが”応援するチーム”としてアントラーズを選んでいることが証明している。

財布から金を出すという行為は、ライト層からすれば究極の行動。
奇麗ごとでは人は動かないということを多くの大人が認識しなくてはならない。


ダービーは順位もカテゴリーも関係ない!!

当事者や現行の熱烈サポーターにとっては間違いなくその通りだが、それがライト層をも巻き込んでの真意なのかと問われると、実態は違うように思う。

J2であることが悪いというよりも、J2同士になってしまったこれまでの積み重ねが、ジャブのように効いてエコパの集客を妨げている。



■可能性

先日 僕の甥っ子が春休みを利用して遊びにやって来た。

今年(2022年度)高校を卒業した彼は生まれも育ちも静岡の西部地方で、その高校もサッカー推薦で入学したという筋金入りのサッカー小僧だ。

しかし彼はここで言うところの絵に描いたような「ライト層」で、サッカーはするが特段足を運んでスタジアムには見には行かないタイプだった。

そんな彼が遊びに来たその日は札幌とのルヴァンカップ当日で、彼と渋谷あたりを散策しながらも僕はコソコソとスマホで試合経過を追っていた。

(お!健介くんが取ってる!!)
(おぉ!追いついたぞ!!)
(あぁーアディショナルでやられた・・・。)

電車で移動しながら人知れず一喜一憂していたのだが、家に着いてその甥っ子がスマホを見ながらこう言った。

「あ、ジュビロ負けてる。弱えぇ・・・。」

彼の発した言葉はそれだけで、そのままスマホを閉じた。
(わたくし含め)一瞬イラっとしたジュビロサポもたくさんいたと思うが、実はこの中に圧倒的真実がたくさん詰まっている。


特筆すべきは、
さっきまで渋谷の街で周囲をキョロキョロしながらハイテンションだった彼が、家に着き安堵してすぐジュビロ磐田の結果をチェックしたという事実だ。
全く興味が無いと思っていたので正直驚いた。しかもわざわざ声に出してつぶやいた。

これはジュビロ磐田と、静岡という土地柄の完全勝利と言える。

静岡にはこのように、深層心理で、あるいは頭のほんの片隅で我が町のサッカークラブを気に掛けているライト層が山ほどいるのだ。

静岡は今でもサッカーだけで2時間のラジオ番組が成立する。他県にこれが出来るだろうか。


しかし一方で、
彼の興味は「負け」を認識したところでピタリと止まった。

若手の活躍とか、サッカーの内容とか、そこまで踏み込むスキは無い。
その先に行くためにはやはり「今日も勝った」というわかりやすい事実が必要なのは明らかだった。



■その時を待つ

かつて営業の人が「商品力があれば営業なんて要らないのよ」と言っていた。

確かにその通りだと思う。しかし一方で大きな間違いもある。
商品ではなくブランドのファンになって欲しければ、商品力に頼っているだけではダメだからだ。


ジュビロ磐田が試合に勝って集客が増えたとしても、それで満足していてはサスティナブルなファン獲得には成っていない。

つまり、
(動機は何であれ)スタジアムに来てくれた人に対して”試合で勝つこと以外”の価値を見つけて、また行こう!と感じさせることが出来るか。

一言で言えば、「沼」に嵌められるか(笑)、これがとても重要になるからだ。


僕が先ほどのツイートでエコパの現状を憂いつつも、現場(試合)に直接かかわることのできないスタッフさんに「焦れずに」とエールを送った理由はここにある。

いくら商品力が弱くても、営業活動(企画や広報も含めて)は絶対にないがしろになってはいけない。
それは、
来るべき時に向けての絶対に必要な仕込みだからに他ならない。



■まとめると

集客を増やしビジネスとして優位に立ちたければ、勝たなくてはならない。
奇麗ごとも、遠回しの理屈も意味を成さない。

勝て勝て勝て勝て!! まずはそれに尽きる。

一方で、
勝てばスタジアムはいっぱいになるのか?という疑問に対しては、ありがたい事に「YES!!」と即答出来る。
可能性を秘めたライト層の深層心理にサッカーというものが擦り込まれているのが静岡県民だから。
これは土地柄のおかげ。実に恵まれた環境だと思う。


そして最も大事なのは、
商品力(勝つこと)と営業行動がガッチリと噛み合うその日を願って攻めの運営を止めないこと。
これではないかと思う。

いつかスタジアムに足を運ぶ人が増えた時、どれだけの人を沼に送り込むことが出来るか。
その準備は一朝一夕に出来るものではないからだ。


てことで、
先日ツイッターでこんなことを聞いてみた。

たくさんの熱い意見を頂きました。
僕たちサポは一人一人が企画者であり広報であり、営業マン。


今度は、
新たにスタジアムに足を運んでくれた人を沼に嵌める方法を考察してみたいと思います。

ジュビロ磐田が勝ってくれるならば、そこから先はチームとコアサポの腕の見せ所です!!


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