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【週刊ユース分析】ジュビロ磐田U-18vs大津高校を現地観戦してきたぞ!!

2022年11月27日。超快晴。

貴重な休日にも拘らず勤務時間とほぼ同じ7時台の電車に乗って新横浜の駅に向かいます。

19時からは日本対コスタリカの運命の一戦が控えている。そんな日に、こだま号に乗って静岡県への日帰り移動を決意させたのは他でもありません。

この日がもう一つの大一番、
プレミアリーグWEST制覇を懸けたジュビロ磐田U-18と、絶好調・大津高校の豪華カードを用意していたからだ。

場所は聖地ヤマハスタジアム。これが無料で観戦できるという。

行かない理由が無い。僕は財布とスマホだけを持って、まるで近所の公園に散歩に行くかのような気軽さで新幹線に乗り込みました。交通費のことは考えないようにして(笑)。


9:57。御厨駅に到着。
キックオフ約1時間前。駅からスタジアムまでの約15分の道中で”それらしき人”には結局一人も出会わず。

どうやら電車を2時間乗り継いでユースの試合を見に来るモノ好きは他にはいないらしい(笑)。
そりゃそうだよなーなどと妙な満足感に浸る。晴天というオプション付きで気分は爽快。休日出勤されているNTNとYAMAHAの社員さんに敬意を表しつつ工場の間をてくてく歩くと・・・

着いた。
ヤマハスタジアム。背景に奇麗なサックスブルーを纏っている。絶景だ。


メインスタンド側から入場し、QRコードをチェックしてもらいメンバー表をパチリ。

U-17日本代表で直前まで海外に行っていた後藤啓介選手、伊藤陵介選手はコンディション未調整のためベンチ外であることを教えてくれた。

それ以外は大津高校も含めてベストメンバー。
先日、大津高校をnoteにまとめた際に注目選手に挙げた小林俊瑛選手、碇明日麻選手も先発だ。

これはヤバい試合が見られそうだ。

胸の高鳴りを抑えつつ、無料であることのありがたさを噛みしめながらスタジアムの中に。


メインスタンドは既に先着400の枠を勝ち取った人々で埋まっていた。
程よい緊張感でザワザワとしていると、平岡大先生も思わずその様子をチェック(笑)。


そして、
芸術的に美しいヤマハスタジアムの芝の上で、3年生にとっての最後のホーム戦が始まった。



■強い

ジュビロ磐田は4-3-3。
攻撃時は右サイドのキョンス選手が上がり、塚田選手を真ん中にして3枚でビルドする3-4-3に可変。キョンス選手の逆サイドに竹田選手。中盤は亀谷選手、野口選手の両テクニシャン。
前には運動量豊富な原田選手を真ん中に、伊藤選手、舩橋選手が迫力をもって張っています。

対する大津はキレイな4-4-2。
こちらはとにかく前線の小林選手と、最終ラインの碇選手のデカさ(背の大きさ)が目を引きました。
この屈強さがいかにも大津っぽい。


立ち上がりはジュビロ磐田U-18がボールを支配します。
これについては正直想像していたものとはかなり異なりました。一言で言うと、強いのだ。磐田ユースが。

大津と言えば12月から行われる選手権のシード校。プレミアでも目下5連勝中とその実力は疑いの余地はありません。
正直かなり押し込まれるのではないかと覚悟していたのですが、前半ほとんどの時間でボールを保持したのは磐田でした。

まず、
塚田選手、御船選手、松田選手の後ろ3枚がかなり良い。何が良いかって、3人とも揃って前に運ぶことが出来る。大津の前線からすれば、行けばパスで逃げられ、パスコースを意識すればドリで前に運ばれる。
身体の大きな小林俊瑛選手をもってしてもほとんど前線でボールを引っかけることが出来ていませんでした。

加えて、
中盤の亀谷選手、野口選手が躍動。足元に自信のある両選手はとにかく真ん中でボールに触りまくっていました。プレッシャーがあればバックパスで逃げ、隙があればターンして推進する。CBがドリで前に行けるのもこの二人のたゆまないフォローがあるからでしょう。
大津の中盤がたまらず複数人でケアに入ると今度は両サイドがスペースを狙う。キョンス、竹田の2年生コンビだ。前半は特に磐田の右サイドが面白かった。

僕の目の前でその攻防が繰り広げられていたのでヒシヒシと伝わって来たのですが、大津12番の田辺選手はかなりキョンス選手に気を遣わされていました。首を振る量がハンパじゃない。もう授業中に好きな子を何度もチラチラ見てしまう男子中学生バリに(笑)。

相当警戒していて、キョンス選手が行く素振りでクッと体を動かすだけで田辺選手の足が2,3歩動く。駆け引きだけで相当体力を消耗したに違いありません。

目の前で磐田の2番が躍動。


そうこうしているうちに抜け出しから舩橋選手が決めます。大津からすれば、とうとうやられてしまったといったところでしょう。
大量得点は無いだろうが、追加点は行けそうな雰囲気がありました。

しかし、
前半終盤に奇麗に繋がれて右サイドに展開されると、センタリングから大津に押し込まれました。前半のうちに同点に追いついたことは大津とすれば御の字だろうか。
やはりハイボールは怖いな、と思ったのですが・・・今思えばこれが大津反撃の狼煙でありました。

後半は雰囲気が一変します。



■これもまたユース

後半開始から攻勢に出る大津でしたが、追加点を奪ったのは磐田でした。

速攻から今度は12番竹田選手が広大なスペースを走り切ってそのままゴール。本当に磐田はこの両ワイド(竹田選手、キョンス選手)が頼もしい。体力もあって攻撃的センスが抜群。彼らはいずれも2年生だ。

試合はこのまま磐田優勢のまま進んでいく可能性は、十分にありました。

しかし、
大津は2失点後に明らかに戦術を変えてきました。191cmの小林俊瑛選手にこれでもかとロングボールを当て、そのセカンドボールを回収することで反撃を試みだします。

あまりにもシンプルな戦術ですが、大津の場合はそこに相手を破壊する強さがありました。この辺りから3年生の山下基成選手、田原瑠衣選手らが益々躍動します。
気が付けば同じ様な形から立て続けに3失点。大津からすればしてやったりの逆転劇でしょう。磐田サイドからすればゲームに勝って勝負に負けた気分か。

いや、明確な戦術を持って逆転したことを考えればゲームに勝ったのもまた大津だったかもしれません。


ユース世代というのはチームビルドの段においてトップチームほどバラエティに富んだ選手を揃えられない宿命にあります。
実際、磐田U18にはこの戦術に対抗できる駒は無く、”わかっていても”191cmの小林選手にことごとくハイボールの主導権を許すことになり、ズルズルと敗戦へ向かってしまいました。

「これもまたユース」と割り切るにはあまりにも悔しい敗戦でしたが、結局磐田は4-2で敗れ念願のプレミアWEST制覇の夢は潰えたのでした。


試合後、ベンチメンバーも含めてグラウンドを叩いて悔しがる選手たち。そんな彼らを、僕は声を大にして擁護したい。

ジュビロ磐田U-18はかなり強かった!

6月に試合を見たときから進化していたし、プレミアを制するに十分値する実力を持っていたと言っていい。
昇格して5年目のシーズン。いつも残留目標だったチームがついにここまで来たのだ。
これをロマンと言わずになんと表現できよう。代表の2選手が不在だったことも考慮して、何度でも声に出して言おう。

磐田のユースは、強い。
来年こそ悲願を果たそうじゃないか



■改めて語りたい選手たち!!

シーズン初めに後藤啓介選手、伊藤陵介選手、塚田夏樹選手、野口来夢選手、伊藤猛志選手、竹村俊選手、舩橋京汰選手を、

静岡学園戦のあとに李キョンス選手、松田和輝選手、亀谷暁哉選手を取り上げました。

今回の観戦で一人挙げるとすればそれは、中村駿太選手になります。
少し詳しく。


中村 駿太(なかむら しゅんた)② (MF 2年生)

後半途中から亀谷選手に代わって投入。

正直、亀谷選手はかなり効いていたのでなぜ変えるのか?という思いが個人的にはあったのですが・・・入ってすぐにその疑問を払しょくしてくれましたね。

もの凄い運動量。セカンドボール回収マン。終盤のオープンな展開でとにかく彼の献身的な動きは目を引きました。
ラフなボールに行くだけではなく、しっかりと”受ける”ことも出来る。沈みがちだった磐田を再び活性化させるエンジンとしてはこの上ない途中投入でした。

個人的に好きなタイプというのも多分にあるのですが、中村選手が経験を積んでいわゆる”気が利く”ようになればジュビロ磐田U-18の中盤も安泰ではないだろうか。

来シーズン(その成長も含めて)大注目の選手です!


そして、
大津高校からも一人挙げるならやはりこの選手。

田原 瑠衣(たばる るい)③ (MF 3年生)

実は今シーズンが始まる前に、WESTの注目選手として既に紹介させていただいたのですが、
実際にこの目で見て改めて取り上げずにはいられない。

大津の10番はやはり伊達ではなかった。スタジアムにいた多くの磐田サポがそう思ったのではないでしょうか。

この表現が適切ではないかもしれませんが、わかりやすく言えば”静学っぽい”。とにかく、屈強なイメージの強い大津において一人ずば抜けて足元が上手いのだ。OBで言えば京都の豊川選手のように俊敏で、更にテクニシャン寄り。
昨年からレギュラーだったので2種ファンにはお馴染みの選手ですが、実際にこの目で見てやっぱり上手かった。

そして僕が特に唸ったのが、後半になってから要所要所でポジションを捨てて亀谷選手にプレスを仕掛けていたこと。
前半からかなり効いていた磐田の8番に対して、率先して対処していたし実際に亀谷選手も嫌がっていた。あれはベンチの指示なのだろうか。もし個人的な判断によるものならさすがとしか言いようがない。

選手権でも浜松開誠館は手を焼くことになるでしょう。
彼に固執しすぎてもいけないし、目を離せば一瞬でひと刺しされてしまう。とにかく厄介な選手(褒め言葉!)だし、大津産のテクニシャンとくれば今後の進路も注目せずにはいられません。



■最後に

最高の観戦日和だったのですが、結果は非常に残念なものになってしまいました。。。

でも何だろう。帰りの新幹線での満足感は十分にあったのです。これはトップチームの負け試合では感じられない高揚感。

言い換えれば、これが2種年代をウォッチする事の醍醐味かもしれません。結果を追いながら、結果だけではない何かを見出している。

「何か」とは、
ジュビロ磐田の将来に見る希望だし、先日より明らかに強くなっているチームへのリスペクトだし、時間がくれば(3年生は)強制的に退団させられてしまうユース年代の儚さ故のドラマかもしれません。

とにかく、小難しい分析を排除して一言で言うならばロマン
まだ実態のないものだけど確実にそこにある「何か」を見て、僕らはユースを応援しているんですね。


残念ながらこの大津戦の敗戦を受けてリーグ制覇の可能性は消滅したわけですけども、
これは同時に次のステージへの始まりでもあると思っています。
来シーズンこそやってやりましょう!!



日帰りがmustであったため実家に寄ることすら出来ませんでしたが、非常に充実した磐田遠征でした。

来シーズンもまた行くと思います。

U-18を通してジュビロ磐田の夢と希望を見出している同士の皆さま。ゆめりあやヤマハスタジアムを訪れた際にはまたよろしくお願いいたします!


最後の最後に、ランチ時間に間に合わず「xyz」さんに寄れなかったのは無念&無念(泣)。
ビールを諦めきれず、掛川駅で生中を2杯ほど飲んでこだま号で爆睡。

こちらもまた来シーズンにとっておきます!



■最後の最後に

県立高という宿命を背負いながら、堂々とトップリーグで戦う大津高校。

今回観戦したゲームも、それから選手権の初戦も、(相手が静岡なので)直接的に応援することは出来ませんが、それでもその奮闘ぶりに心から賛辞を送りたい。

今回は前泊出来たのでしょうか。
熊本から磐田までやって来るだけで相当タフだと思うのですが、最後まで走り抜けて欲しいと思います!


こちらは試合終了後の”お辞儀”。
静岡学園もそうでしたが、強豪校のお辞儀はやはり美しかったです!

大津高校の未来にも幸あれ!!



本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!


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