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【⚽️日本サッカーを愛そう】【2021最新版】賢い経営をしているJリーグクラブはどこか!?で斬ってみる
さてさて。
今年も出揃いましたね! 決算報告。
試合結果と順位表に一喜一憂も良いのですが・・・ちょっと待って、あなたの推しチームのその順位!
お金がないクラブがギリギリの世界線で導き出した素晴らしいものなの?
それともお金あるのに全然その価値を発揮できていない残念なものなの?
そう。
Jリーグがビジネスである以上 サッカーセンスと同じくらいクラブの経営センスもまた重要。
てことで毎年恒例のコチラ、行ってみたいと思います!
もう4年目になりますね。大人の自由研究。楽しいです(笑)。
ただ決算報告を眺めててもつまらないので、いつものようにこの4つの切り口で見ていきたいと思います!
① 全収入のうち、スポンサー収入に最も依存しているチームはどこか
② そのスポンサー収入を最もチーム年俸に突っ込んでいるチームはどこか
③ ホームで試合をするたびに、きっちり儲けているチームはどこか
④ グッズを売るたびに、きっちり儲けているチームはどこか
対象は2020年、2021年にJ1在籍だったクラブ+(個人的推しである)ジュビロ磐田の21チーム。
徳島さん大分さん仙台さん横浜FCさんも入ってるから見てってね!
それでは早速行ってみましょう!!
■スポンサー依存度
これは、全収入のうち、スポンサー収入に最も依存しているチームはどこか!?を示しています。
計算式はシンプルに、全収入におけるスポンサー収入の割合。
表中の矢印は前年からの数値の増減を示しています(順位の変化ではありません)。これにて、昨年より良化したのか悪化したのかがわかります。
これについてはズバリ数字は低い方が良い、と思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1660611312904-4aIefPBD4E.png?width=1200)
Jリーグ平均は45.4%と意外にも5割を切っているんですね。
特筆すべきは鳥栖。
かつてスポンサー依存度が高すぎて地獄を見た経験を踏まえ、その依存度は30%以下と実に健全です。
決算報告をよく見ると入場料収入の上昇のおかげで依存度が下がってますね。
他のnoteでも書きましたが経営基盤固めの”最後の一押し”としてやっぱりタイトル(=賞金)が欲しいところ。
スポンサー依存度は、親会社の母体がしっかりしていれば問題は無いのですが50%を超えだすと危険領域かもしれません。
最も危ないのが柏。
2020年度にあった約11億の「その他収入」が無くなり依存率は70%を超えました。「その他収入」って詳しくはわからないのですがタイトル賞金でないのであれば恐らく親会社(日立)からのポケットマネーだと思うんですよね。
スポンサー以外に稼ぐ力を付けることもまた経営センス。親のすねをかじらずにどれだけ出来ているかは要チェックポイントだと思います。
おっと我らが磐田。ぜんぜん人のこと突っ込んでる場合じゃない(泣)。
親のすねかじり代表とも言える神戸が最下位(最も優良)だと!?
いやいや、こちらも決算報告を詳しく見ると「その他収入」が約31億と断トツ。
三木谷さんのポケットは相変わらずパンパンです。
■人件費つっこみ度
どんどん行きましょう。
次は、そのスポンサー収入を最もチーム年俸に突っ込んでいるチームはどこか!?というのを見ていきます。
計算式は、こちらもシンプルにスポンサー収入と、チーム人件費(選手・スタッフの年俸)の割合です。
こちらも数字は低い方が良い、と思われます。
人件費はすぐには削れませんから、突っ込みすぎなクラブはスポンサーが去った瞬間に赤字に陥ってしまいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1660614359302-meJUviSW5t.png?width=1200)
Jリーグ平均は121%と100%を上回っています。
※神戸の300%が少し特殊(スポンサーではなく三木谷さんマネーに頼っているため高く出る)なので実際は100%超ぐらい。
いずれにせよスポンサー収益以上を人件費に掛けているクラブが多く、リーグ全体としては勝ち抜くために儲からない経営を強いられている実態が浮かび上がってきます。
この項で特筆すべきは福岡。
慢性的にスポンサー収入よりかなり多い人件費を掛けており、神戸のようにへそくりがあるわけでもなく、鳥栖のように他の収入が好調なわけでもないので少し心配です。
一瞬、ル○アンの年俸が原因か!?と思いましたが2021年はまだ磐田所属ですね。
逆に優秀なのが浦和。
スポンサー収入を増やしつつ人件費を減らすことに成功しています。J2の優秀な若手を連れてきてスカッドを組む効果が表れていますね。
チームはまだ波がありますが経営的には確実に良い方向に向かっています。
それだけに・・・制裁金(罰金)は本当にバカバカしい。
緻密な経営努力が水の泡に。そりゃクラブも怒りますよ。こういう見方をすると本当に愚行だと気付けるので、ぜひ多くの方に伝われば良いなと思います。
あと、隠れ優秀なのがFC東京。
つっこみ度はまだ100%を超えているので目立ちませんが、前年からマイナス24%と大幅な人件費削減に成功しています。
若手登用の上手いアルベル監督ですから、より一層高額選手(ベテラン)の整理が進むかもしれません。
■試合運営効率
これは、ホームで試合をするたびに、きっちり儲けているチームはどこか!?を示しています。
試合開催して得たお金の何%が利益になっているかが見て取れます。
”利益”は入場料収益と試合関連費の差分としています。試合関連費にはスタジアム使用料、警備費、運営設営費などが含まれます。
この数字は当然 高ければ高いほど良い、という見方になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1660614720650-2iVKkYxqv7.png?width=1200)
前年より観客が戻ってきているので軒並み上昇していることが分かります。これなら2022年の決算はもっと期待できますね!
Jリーグ平均は約44%と、1試合行うごとに入ってきたお金の約4割が手元に残る計算です。
これは多いのか少ないのか・・・。個人的にはもっと儲かっていいと思うのですがいかがでしょうか。
特筆すべきはガンバでしょう。
マイナスということは、試合開催するたびに赤字を垂れ流していることになります。頑張って準備して、頑張って警備して赤字ですよ・・・。
スタジアム使用料が高すぎるのか。いずれにせよお客さんがいっぱい来てくれないと儲からない構図になっています。
あとはやはり・・・磐田。
もうこの項の常連なので相変わらず何の策も打ててないんだな、と悲しくなります。2021年はホームの勝率が良く観客も入ったのですが、それでもなんとか赤字を免れただけで儲けとは無縁。
入場者数が頭打ちで入金に限界があるのは分かっているのですが、となるとなぜこんなに出金が多いのでしょう。
試合関連費(試合するのにかかるお金)3.5億は浦和や横浜FMと同等ですよ!スタジアムの大きさは全然違うのになぜそんなに金がかかるのか・・・。謎過ぎます。
個人的にはお金が欲しければクラファンよりまずここの対策に本腰を入れるべきでは、と思います!!
逆に試合関連費が1億を切ってしっかり儲かっているのが大分と仙台。
使用料が安いのが要因だと思うのですが羨ましい限り。こちらはいかに入場者数を増やすかにフォーカスをあてて経営戦略が練れますね。
そりゃチームが勝てばおのずと客は増えるわけですが、それに運命を託すようでは経営センスがあるとは言えません。
2022年度は共にJ2で戦う両チームですがどんな手を使ってサポ予備軍の足をスタジアムに向かせるか。大分と仙台のコアサポさんは注目してくださいよ!
■グッズ販売効率
これは、グッズを売るたびに、きっちり儲けているチームはどこか!?を示しています。
グッズ販売して得たお金の何%が利益になっているか。
”利益”は物販収益と物販関連費の差分としています。
こちらも当然高ければ高いほど良い、という見方になりますね!
![](https://assets.st-note.com/img/1660617123761-hb9YA7SS7X.png?width=1200)
まず皆さんのひいきのチームはどうでしょう??
グッズの満足度低いのに利益率が高ければこれはもう粗悪品の一歩手前でクレームもの(笑)。
逆に満足度高く利益率が低いなら拘り過ぎ!とも言えますね。
Jリーグ平均は約29%。モノを売って利益率30%前後は良くもなく悪くもなく、といった数字でしょうか。
湘南は何があったのでしょう!?
大赤字から一転して利益率トップに。前年は大量誤発注でもしちゃったのかな。
また清水が(他の項目含めて)コツコツと儲けているんですよね。これも山室さん効果かなぁ。
清水サポの皆さん、グッズの質やセンスに満足されてますか?もし問題ないならクオリティを維持したまま利益率60%超は凄いことです!
こういうコツコツとした頑張りが利益→選手の獲得につながってるんですよね。
また柏はグッズ関連を別会社で計上しているのかな?決算報告には現れてきませんでした。
■最後に
皆さんの推すチームの経営センスはいかがだったでしょうか。
このまとめは今年で4回目になるわけですけども、上手くやっているクラブとそうでないクラブが2極化されているなぁ、という印象があります。
当然これだけでは諮れない事情があるのでしょうが、逆にたったこれだけの比較で自分たちの立ち位置がある程度見られるのも事実なわけで。
真剣に向き合っているクラブと、何となくやっているクラブの差はしっかりと出てくるのだと思います。
4年前に比べて頑張っている印象を受けるのは鳥栖と清水ですかね。地方クラブならではの経営メソッドを確立しつつある感じがします。
今後も要注目です。
あと雑感ですけど、
自由研究ってこういうので良いんだな、とつくづく。会社の決算報告をまじまじと見るなんて夏休みじゃないとできない訳で。
将来スポーツマネジメントに関わりたい小中高生なんかは、こういう簡単な比較を自由研究にすれば将来すごく役に立つと思います。
あ、そうだ。
まだ自由研究が終わってなくて困っている小中高生がいれば、この記事と分析に使ったデータベースをお売りします!(気の利いたBIツールは使えてませんけど)
価格はそうですね。
僕自身はタダでも良いんですけど・・・できればジュビロ磐田の補強費に充てたいので1億円からかな(笑)。
なんせ本業の試合開催しても儲からないので(泣)。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!