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【⚽️日本サッカーを愛そう】俺たちにしか出来ない静岡ダービー。

■自己紹介

まず私、静岡県の西部で生まれ、大学から現在まで首都圏在住。

気がつけば、実家の野山を駆け巡った時代よりも都会暮らしがよっぽど長くなったわけで、あぁオレもコンクリートの様な味気ない大人になったもんだ…とセンチメンタルになったところをバリバリのシティガール嫁に
「1から10まで静岡臭」
と、一臭、いや一蹴され、それ以来地元への愛情がダダ漏れです。

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■静岡の西部という所

静岡県の西部といえば同郷の方はよくお分かりだと思うのですが、当時のあそこはザ・野球王国。浜商、浜工、掛西、島商などなど野球強豪校がひしめいています。

かく言う私も野球少年で、田舎の小学校ゆえスポ少と言えば野球。サッカーをやる環境はありませんでした。

ただ、静岡がサッカー王国であるということはみんな認識しており、サッカーボールが飛び交うCMと、朝の番組キックオフは欠かさずチェック。毎年冬の選手権はそれはもう家族全員で見ていました。体育でリフティングをすれば野球少年達が二桁三桁のリフティングを当たり前のようにするわけです。

そんな私は、親族にヤマハとNTNに勤める大人がいるという事でチケットがよく手に入り、野球練習の無い日のスポーツ観戦と言えば聖地・東山。ヤマハ発動機サッカークラブを応援していた訳です。野球帽をかぶって(笑)


静岡がサッカー王国と言っても、私の感覚で言えばそれは県の中部、藤枝から静岡ぐらいの範囲のみの話でした。
野球の練習試合で清水に行った時、6年生の試合に4年生が出てたりして、あぁここはサッカーの街なんだな。と思ったのを覚えています。

当時の高校サッカーは清水全盛期。清商、清水東に新興の東海第一(現・翔洋)が食い込む構図です。

3沢とサントス擁する東海第一が選手権初出場初優勝を果たし、「静岡を制するものは全国を制す」その説得力はいよいよ盤石のものとなりました。

国見、市船、帝京、武南、四中工以外は何かの間違いで先制されても全く負ける気がしなく、サッカーの神様が描いたシナリオの通りに逆転し、勝ち進んでいくのです。

彼らは西部の野球少年にとってもアイドルでした。休み時間になれば、みんな校庭でサントスのバナナシュートを練習しました。

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■のぞみが止まらない横長の静岡

ここで、横に長い静岡の特徴をおさらいしておきます。
静岡は西部、中部、東部、伊豆の4つに分けられる訳ですが、伊豆は温泉、東部はほぼ神奈川で御殿場だけ野球、中部は県庁とサッカー、西部は野球と工場。雑ですがこんな感じ(18歳までの私の偏見!)です。

私のいた西部は、名古屋に近いこともあり、大きな会社が多いのか特徴です。
ヤマハ、ホンダ、スズキ、モーター系を中心に多くの工場がありました。今でも資生堂、ユニチャームなどたくさんの工場がありますね。
大企業はスポーツクラブを持ちます。サッカーで言えばヤマハやホンダが代表的でした。

つまり当時の静岡の構図として高校時代は中部でサッカー、卒業しても県内でという人は西部でサッカー、というラインが通常だったのです。
その傾向はJリーグ発足後でもしばらく続き、藤田、名波、田中ら清水で活躍したビッグネームが当たり前のようにエスパルスではなくジュビロを選んだのです。

西部サッカーの代表格、ヤマハとホンダの当時の攻防ネタも色々あるのですが、これはまた別の機会で筆を取るとして、ここではエスパルスについて触れます。


日本にプロリーグができると知った時、同時にどうやら清水に球団ができるとらしい、との噂が。

それを聞いた私感想は、シンプルに「やったぜ!」でした。
当時のサッカー王国静岡の中部と西部は一心同体。清水を冠したプロチームができるなんてなんて素晴らしいんだ!ついにこの時が来たか!
そんな感情でした。

日産から長谷川健太が、読売から堀池が、我らがヤマハからも大榎がエスパルスに入団し、おぉ!清水東の三羽ガラスが清水に!武田はどうした…まぁいいや。沢登も!向島も!サントスもか!

その後、川淵さんの一県一クラブの方針によりジュビロはオリ10から漏れてしまうのですが、(悔しいけど)清水ならしょうがない。
そんな感情だったのを覚えています。


■清水の存在

私は、東山を聖地と呼び、骨の髄までヤマハファンです。エスパルスとの試合は絶対負けたくないし、エスパルスに対し、チームとしては新興勢力、静岡のサッカーチームを代表するのはヤマハであり、ジュビロであるという感覚が強くあります。

ただ、

サッカー王国を名乗っていた静岡で生まれ育った私にとって、清水は特別な存在。
リスペクトとかいう次元じゃない。同士なのです。

清水あってのジュビロだし、逆に清水から見ればヤマハあってのサッカー王国のはず。
そんな2チームがプライドをぶつけ合う。
それが静岡ダービーなのです。


■俺たちのダービー

ここ最近の静岡ダービーを観ていると、
罵り合いというか、およそサッカー王国のダービーとは軸のズレた楽しみ方をしてしまっているように見えます。

静岡は最近の各カテゴリーの結果から、今はサッカー王国の冠を外さなくてはいけないかもしれません。
ただ、これまでの歴史、静岡という地形と文化が生んだダービーだけは、この先何年経とうともサッカー王国だった静岡にしか醸し出せないものがあると思うのです。

静岡のダービーは深さが違う。それは日本のどこを探してもおそらく向こう何十年と無いものです。


表面上のdisり合いは本質的ではない。
いや、多少のdisりはあってもいい。ただ静岡のダービーを、俺たちのダービーを正しく理解して、愉しみたい!

そう想うのです。



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