見出し画像

【⚽️日本サッカーを愛そう】なぜ”金J”は思いのほかウキウキしてしまうのか?

日本人は金曜日が大好きだ。

生まれた瞬間死語になった「プレミアムフライデー」という言葉を除けば、金曜日にまつわる全てに対して日本人は肯定的。
それはJリーグも例外ではなく、いつからか” 金J(キンジェー)”というコンテンツができ、今ではすっかりJ1の特権として定着している。


もともとJリーグファンのすそ野を広げようと始めたこの企画。
週末勤務が当たり前のサービス業の方々も観戦できるように、とか、会社帰りに同僚を誘ってスタジアムに、とかいった新しい機会創出が目的だったはず。
しかし、
嬉しい誤算というか何というか…これが既存のJリーグファンにもそこそこ受けているから面白い。


そう。
私たちは金Jに対してなぜかウキウキしてしまうのだ!!



という事で、
ここからは私たちがなぜ金Jに対してウキウキしてしまうのかというのを”シーン別”に分析してみようと思う。

まずは、「押しチームが金曜日に試合をする」シーンからだ。


■シーン① 全サポーターが会長と化す

待ちに待った週末。

その1日前にゲームが見れるお得感は確かにある。金曜日ともなればサポーターの”余韻タンク”はカラカラだ。一日でも前倒しで試合が見れるというのは実のところ非常にありがたい。

しかし、

金Jが思いのほかウキウキしてしまう真因は実はここじゃないと思っている。ではなにか?

金Jの注目度は高い。
1試合しかない、というレギュレーションがすごく良い。というのも、待ちきれなくてゲームを見てしまうのは何も対象サポだけではないからだ。実際に、かなり多くのJリーグファンが見ている

これはツイッターのTLを見ていても凄く感じる。あのチームのサポさんも、このチームのサポさんもみんな私のチームを見ている。

この事実が、実はかなり嬉しい。

そうかそうか。みんな見ているのか。どうだい私の息子たちは。素晴らしいだろう。どうだい私のホームスタジアムは。素晴らしいだろう。

こうして金Jを迎えるサポーターはクラブの会長と化す
VIPルームで葉巻を加えながら息子たちの躍動を他サポにご披露するのだ。
あぁ彼かい?先ほどから明らかに動きが良いだろう。覚えておくといいよ。そのうち代表になるんじゃないかな。フフフ。

実際はDAZNの前で缶ビールをあおりながら2本目の飲水タイムを窺っているのだが・・・脳内では良質なワインと良質な選手を次々と”お客様”に振る舞っている状態だ。

そう、この一方的な優越感かつ勝手なオーナー感こそ金Jが思いのほかワクワクする理由。

間違いなく一方的だが、それでいい。


”金J”を催すときの私たち(イメージ)


なお、試合の内容は関係ない。
もし劣勢だとしてもその時はもう他サポさんのことなんて忘れてるから(笑)。



■シーン② 全てを手に入れたお姉さま的立ち位置

金Jの醍醐味は言うまでもなく、その試合に勝った場合に最大化する。自分の中のいやらしい部分が露呈されるが・・・もう止められない。

説明不要だろう。
勝ち点3を上積みして、翌日他チームが必死にバトルし合う様子を見るのだ。

あら、みんな頑張ってるじゃない。この暑いのに必死に勝ち点を奪い合ってる。私?私は大丈夫。もう欲しいものはすべて手に入れたから。

さながら自分は絶世の美女。今節の勝利を手にしただけなのに全てを手に入れたような優越感。
みんな、私が持っているものと同じものが欲しくて必死に戦ってる。
14時からはあのチームが。15時からはあのチームが。19時からはあのチームとあのチームが奪い合うのね。全部見ちゃう。フフフ。


金Jという仕組みは勝利した場合のご褒美があまりにも大きい。一度経験してしまえばまた欲しくなる禁断の蜜だ。
その味を知ったうえで再び金Jの対象チームになろうものならもうヤバい顔をしてゲームを見ている可能性がある。


ちなみにジュビロ磐田は第10節の名古屋戦がそうだった(金曜祝日だったため正確には木曜日開催)。大津選手の2分間の逆転劇。

あれは最高の蜜の味だった。
それは翌日まで甘く、僕らはスポーツニュースの記事と他チームの試合を交互に見ながら完全にイっていた。

かつてマリーアントワネットもこんな言葉を残している。
「勝ち点が無ければ、勝てばいいじゃない。」
まさにそんな気分だった。


「パンが無ければ、Jリーグチップスを食べればいい」とも言ったとか。



■シーン③ バカですけど、何か?

では逆に、
その金Jに敗れてしまった場合はどうなのか。

世の中にはハイリスクハイリターンという言葉がある。つまり、勝って最高のご褒美が得られるならその逆は地獄ではないのか。

これに関しては大丈夫だ。心配するな。と、声を大にして伝えたい。
なぜか。バカだからだ。


敗戦はそれなりのショックが残る。勝ち点3の差は思いのほか大きく、ズッ友だと思っていた周囲のチームが上に行ってしまうのを見ると何とも悲しい気持ちになる。

しかし、

それとこれとは別の部分で、次こそは勝てそうな気がする。という謎の切り替えが発動する。
そのスイッチの切れ味は自分が思っているより100倍は鋭い(笑)。

次は川崎?強いよね。でもなんかイケそうな気がするのよ。なぜって?それはわからない。苦戦はすると思うよ。でもさ、勝てるんじゃないかな。
知らんけど。

金曜日敗戦だったとしても翌日には実に上からの立場で他のチームを見ている。
あーだから勝てないんだよ。とか、さすが良いチームだね!とか。どの口が言ってんだぐらいの清々しさで、自分の口が言っている。


Jサポ「のび太くん。大丈夫知ってる。」


つまり、金Jは勝っても負けてもウッキウキなのである。



■すそ野は広がったのか

ここで”金J”の本来の目的に立ち返ってみる。

もともとは、スタジアムに来れない(来ない)人をスタジアムに。というテーマで始まったと思うけど、実際のところのその効果はそれほど大きくないのかな、といった印象。

それよりも、週末だったら行けるのに金曜は無理だよ・・・という遠征サポーターの方が多いかもしれない。

しかし、

個人的には金Jの1試合開催というのは肯定的だ。
というのも、自分の推すチーム以外のゲームを見る機会はとても貴重だと考えるから。
もっと言えばこれが裾野広げに一役買っているのではないかな、と。

そもそも応援していないチームの試合なんて見る?という感じだけどこれが意外と見る
前に述べたように”余韻タンク”がカラカラのサポは、仕事終わりの充実感もあいまって他チームであろうが取り敢えず見てしまう人が多いのだ。


その結果、「お、何か凄く良い選手がいるな」とか、「噂には聞いてたけど確かに上手いね」みたいな気付きが生まれれば、それはもうプラスでしかない。

数というより、情報量ですそ野が広がっている。
このことはリーグ全体を盛り上げるうえでとても大事な要素ではなかろうか。そう思うのです。



さて、
今回は3つのシーンについて金Jが思いのほかウキウキしてしまう理由を分析してみたわけですけど、共感できる部分はありましたでしょうか(笑)。
いずれにせよ楽しみ方が多様化するのは良いことですよね!


ちなみに、

次のジュビロ磐田の金Jは、8/19の名古屋戦!
名古屋は良い選手ばっかりで難敵だけど…勝てるんじゃないかな。

知らんけど。





本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!


いいなと思ったら応援しよう!