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【週刊ユース分析】ユース強化に熱心なクラブとそうでないクラブが顕著になってる件。

ユース。
それは間違いなくサッカークラブにおけるロマンの源泉


しかし、以前は新チーム設立において下部組織の保有を条件とする規約もあったりして、つまり一方では義務っぽい側面もある。

故に、

ユースの存在をとても大事にしているクラブとそうでないクラブが出来てしまっているような気がする。
さすがに”お荷物”とまではいかないが・・・明らかに愛され方が違うのだ。



■愛というか、先見の明

そしてその傾向は最近とても顕著になっているんじゃないかな、と。
理由は他でもない。若手選手の活躍がひと昔前に比べてかなり目立つようになり、それに敏感なクラブとそうでないクラブに差が出てきているから。

例えばちょっと前までは五輪代表といえば、所属チームのサブメンバーが中心で、名の知れた選手というのは実に少なく「誰この選手?」とか、あるいは五輪を経て有名になっていく選手が多かった。

しかし今は違う。
23歳以下でもほとんどはチームの中心選手。当然クラブも2種年代に対する存在価値の大きさを見つめ直さずにはいられない。

てことはつまり、

今回の題材である「ユース強化に熱心なクラブとそうでないクラブが顕著になってる件」の正体は、
ユース強化が今後のチーム運営において、ものすごく大事であると既に気付き、行動に移し、積極的に時間を費やしているクラブと、
残念ながら組織としてそれに気付けていない、あるいは気付いているけど動けていないクラブの差なんじゃないかな、と。
そう思うのです。

つまりは、先見の明の差なのです。

「保有してる」と、「売り出している」は大きく違う


てことで今回は、この”先見の明および圧倒的行動力”を持っているクラブを挙げながらその気合いの入れっぷりを改めてウォッチし、(主に)広報さんに心からの賛辞とリスペクトを贈ると共に、
SNSを通じて僕が「素晴らしい!」と思った3チームをピックアップしてみたい。



■川崎フロンターレの場合

川崎が本気だ。

個人的には”ようやく”といった印象だけど、重い腰を上げたらその勢いはものすごかった。一気にユース強化クラブの代表格に名乗りを挙げた印象だ。

川崎フロンターレU-18は、僕のまとめによるとプレミアリーグにおいては完全に新興勢力
2021年に初昇格を果たし、2022年度はピカピカの1年生として最高峰のリーグに挑んでいる。

しかし。
この写真の説得力がすごい。

説明不要。
彼らがフロンターレ産の日本代表として名を馳せると、ここぞとばかりに川崎広報は一気にギアを入れてユースの本格的売り出しに乗り出した。

ゲームチェンジャーになるべく圧巻の行動力。
しかしそれだけではない。そこにしっかりとした「ユース愛」を感じるのが川崎😎

なるほど好感しかない。


僕の好きなツイートを2つほど。

ここのところ恒例になっている試合後のハイタッチ動画。
この臨場感はファンにはたまらないでしょう。試合のハイライトは動画漁れば何とか見れますけどね、こういうの見せてもらえるとサポも愛着が沸くってもんですよ。

言い換えればこれだけで良いんですよ。たったこれだけで。

でもこれをやれるクラブとそうでないクラブがある。川崎は今シーズンから一気にこういう所を見せてくれるようになりました。第二の田中選手、三笘選手なんかは絶対に誕生するでしょうね。
そして将来チームを助けるんです。きっと。


それからもう一つ。

これ、川崎の広報さんではなく(サポートショップとはいえ)支給してるお弁当屋さんが作ったんですよ。凄くないすか。
がんばれ!がんばれ!連戦連勝弁当。 縁起良すぎです(笑)。

川崎と言えば地域密着クラブの代表格。ついにその風土はユースレベルにまで広がってるんですね。

僕はツイートの中で思わず「磐田も負けてられない」と書きましたが、ゆめりあの近くで弁当屋やってたら今すぐ真似したいです。
こっちは がんばれ!がんばれ!がんばれ!連戦連勝必勝優勝弁当 にしますよ(笑)。


これ食べるボランティアさんも警備員さんも深層心理で川崎愛が芽生えてくるのは間違いありません。
こうやって作るんですね。地域に愛される強いチームってのは。



■V・ファーレン長崎の場合

長崎については以前のnoteで取り上げたことがあるのですが今回改めて。
V・ファーレン長崎のユースに対する本気度が凄いです。

画像をクリックするとジャンプします。


きっかけは昨年のプレミアリーグ入れ替え戦。
ユース選手のバス移動から試合前のアップ動画をSNSで逐次配信し、更に試合の様子をyoutube中継する力の入れよう。
解説は(当時)トップチーム監督の松田さんだったというのが衝撃的でした。

今シーズンの九州プリンスでは、ここまで神村学園(鹿児島)の独走を許す形で苦戦が続いていますが・・・長い目で見れば(先日取り上げた)鳥栖ユースと共に九州の勢力図を大きく変える存在になるでしょう。

個人的にかなり注目しています。


そんでもって、私が好きなツイートをこちらも2つほど。

ユースチームの必勝祈願にヴィヴィくんもしっかり参加します。
お参りするだけなら別にマスコット参加させてSNSなんかに挙げなくてもいいのでは?と思う方がいるかもしれませんが、こういう細部の拘り方が個人的には大切だと思っています。

ユースだって(夢を与える)クラブの一部なんだ、と。


それからこちら。

キャンプ中にこういう交流やってるんですね。
他のチームもやっているかもしれませんが、昨年惜しくもトップ昇格を逃したユースと、昨年誰よりも先にチーム残留を明言したユースOBのコラボ。

この組み合わせがクラブにとってエポックメイキングな一場面であることを広報さんはよくわかってるんだと思います。

見る人が見ればわかります。何気ないこの写真には「ロマン」が詰まっているということが。



■柏レイソルの場合

ここまで新興組を取り上げてきましたが、やはりというかさすがというかアカデミー強化チームの老舗である柏ユースからも一つ話題を取り上げたいと思います。

今シーズンの4月に行われた(磐田的に)失意の柏戦で、唯一ほっこりしたツイートを発見。

こちらのボールボーイの皆さん。
年齢的にもウェアにエンブレムが付いていることからも(恐らく)アカデミーの選手では?という前提で話を進めますが、

この腰の低さですよ。

サポーターの邪魔にならないように必死で(笑)。

今回 柏ユースの強さを改めて語ることはしませんが、
ここが自分たちのスタジアムで、ここに来てくれる人たちは自分たちにとって大事な人たちであって、柏のエンブレムを纏うならそれがユースであろうがトップであろうがみんな同一の姿勢を示すべきなのであって・・・

みたいな強豪チームならではの伝統、流儀がヒシヒシと伝わってきます。
今やトップの顔である細谷選手も、升掛選手もユース時代にこうやってプロになる日を夢見てたんですね。

こういった姿勢は見ている人は見てますし、クラブの価値を上げる行為は何も広報だけの仕事ではないというのを強く感じさせますね。

素晴らしいと思います👏



■最後に

今回はユース強化に熱心なクラブとして広報活動に着目して3チーム挙げたわけですけど、
こういった活動は長いこと継続して熟成させていくものだな、という思いと、四の五の言ってないで今日からでもすぐに動き出せば効果が出る、という思いが両方あり、自分の中でも交錯しています。

恐らくどちらも正しいんだと思います。


未成年の2種年代の積極的な露出についてはセンシティブな側面があるのも事実です。また、持ち上げるだけ持ち上げといて昇格させないんかい!みたいなネガティブな感情の一因になる恐れも秘めています。

しかし、

クラブユースに所属してプロを目指す”選ばれた”人種の皆さんですよ。目立ちたいに決まってるじゃないですか!

いやむしろそれぐらいじゃなきゃプロにはなれない。性格に差はあれど、ユースの選手ってのは多くの人の目に触れてプレーの質を上げられる選手たちばかりだと思うんです。

実際にプロになって大観衆の前でプレーできる選手はひと握りかもしれません。だったら尚更、2種年代をフィーチャーし輝いている今を大人の力で一生懸命プロデュースしているクラブと広報さんが僕は好きです。

(大人だったら)恥ずかしくなるほど熱くても、それが絵になるのがユース年代ですからね。


ちなみに、

ジュビロ磐田の広報さんも最高です。
こんな素敵な動画まで作っちゃいますから。





本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

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