【⚽️日本サッカーを愛そう】【2019最新版】賢い経営をしているJリーグクラブはどこか!?で斬ってみる
さて、先日発表された2019年度のJリーグ各クラブの決算報告。こちらから、各クラブの経営センスを探ってみたいと思います!
まずはじめにはっきりさせておきたいのが、今回の決算報告はコロナの影響を受けていない数値。と言うことです。
調査項目は前回と同じく以下4項目。
✔ 全収入のうち、スポンサー収入に最も依存しているチームはどこか
✔ そのスポンサー収入を最もチーム年俸に突っ込んでいるチームはどこか
✔ ホームで試合をするたびに、きっちり儲けているチームはどこか
✔ グッズを売るたびに、きっちり儲けているチームはどこか
それではさっそく行ってみましょう。
■スポンサー収入依存率ランキング
計算式はシンプルに、全収入におけるスポンサー収入の割合です。
表中の矢印は昨年からの数値の増減を示しています(順位の変化ではありません)。これにて、昨年より良化したのか悪化したのかがわかります。
J1平均はほとんど変わっていません。上位では浦和が依存率を上げています。
下位では鳥栖がスポンサー収入の大幅減少により、昨年の3位から大きく依存率を下げたのが特徴です。
鹿島、川崎は賞金が減った分スポンサー依存は増えましたが、それでもまだまだ低く、健全な経営状態であると言えますね。
おっと、我らが磐田。気付いたら神戸、名古屋の巨大スポンサーに次いで3位に浮上しています(泣)。
スポンサー様も特段増えていませんが良化もせず、相対的に順位を上げてしまいました。良い傾向とは言えませんね・・・。
どんどん行きます。
■スポンサー収入をチーム人件費に突っ込んでるクラブはどこだ!?ランキング
計算式は、こちらもシンプルにスポンサー収入と、チーム人件費(選手・スタッフの年俸)の割合です。
特殊な鳥栖を除くと、上位で投入率を上げているのはセレッソだということがわかります。
また、松本・大分の昇格勢も投入率を上げざるを得ない状況でしょう。
J1平均が約6%上昇している中、清水と浦和は投入率を下げ、全体の中でも下位に位置しています。スポンサー様が増え、人件費に突っ込むことなく結果を出しているのであれば、経営体質強化が叶った年、と言えるでしょう。
しかしほとんどのクラブがスポンサー収入以上に人件費を掛けている。という事実が浮かび上がってきます。
儲かったらその分戦力強化に突っ込む。この連鎖がある限り経営体力は上がっていかないのですが・・・本当に難しい事業構造だと考えされられます。
続いては、
■ホームで試合をするたびに効率よく儲けているクラブはどこだ!?ランキング
計算式はシンプルに、入場料収益(入金)と試合関連費(出金)の割合です。試合関連費にはスタジアム使用料、警備費、運営設営費などが含まれます。
上位では神戸と横浜FMが数字を上げています。
神戸は目に見えて観客数が増えていますね。昨年初タイトルも取りましたし、投資に対して観客増という結果がきっちり出ています。
あと、昨年チャンピオンの横浜FMもやはり観客が増えていますね。ダイナミックプライシングを採用して大箱満員ですから、もっと伸びると思いましたが、神戸や川崎には届かなかった。という結果でした。
下位でやっぱり気になるのは・・・磐田ですね。入場収益が約1億円減って、運営効率が2割を切ってしまいました。。。
いやーダントツで酷い!!
これね、スポンサー様を集める前にこの分析をした方がいい。裏に何があるのか詳しくは知りませんが、これは酷すぎますね。毎試合一生懸命準備して、利益率が2割以下では、スタッフの努力も報われません。
トップの仙台と、同じような会場準備・運営をして3億以上の利益差があるんですよ。ホント何とかならないもんでしょうか・・・。
最後に、
■関連グッズを売る毎に効率よく儲けているクラブはどこだ!?ランキング
計算式はこちらもシンプル。物販の売上(入金)と販売関連費(出金)の割合です。
額は少なめですが、昇格組がワンツーとなりました。利益率50%は素晴らしいのですが、”額”を増やすために、今後のスタッフさんのセンスが問われます。
特に大分はトップですが昨年より利益率下げてますからね。昇格に際して原価を上げましたが、思ったより売れなかった。というのが実態かもしれません。
観客数は増えていますから、J1平均が変化していない、というのは少し寂しいですね。高級志向になり原価が増えたのか、あるいはスタジアムで物販を購入するマスに限界が見えてきたのか。分析が必要です。
FC東京が昨年なぞの利益率0%から、わずかに利益を出しました。とはいえサポーターの数からいえばまだまだ少ない数字でしょう。
神戸も大きく数字を伸ばしました。が、実数字含めてまだまだ伸びてもらわなくては困る。と言えるでしょう。
グッズ販売はチームの成績に影響を受けるものの、利益率に関してはまぁまぁ各クラブのセンスが見えますからね。増えたところ減ったところ、各クラブとも数字の推移を見ながら議論されているのではないでしょうか。
■最後に、
来年度の決算報告はとても厳しいものになると想定されます。
各クラブのスタッフ、選手の皆さんにおかれましては、大変な企業努力をされているのだと思います。
現状はどのクラブも薄氷の上を歩くような経営状態。そんな中で、我々の楽しい週末を維持、運営するために活動されています。
本当に、感謝しかありません!
貴重な収入源である入場者収益を失った今、私たちサポーターもクラウドファンディング、グッズ購入といったあらゆる手段で協力できればと考えています。
Jリーグのある週末に感謝して、この記事が何かのお役に立つことができれば幸いです。
前回のnoteで、純粋な2018年度と2019年度の数値比較も実施しているのでそちらも併せてご確認ください。