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【⚽️日本サッカーを愛そう】【ジュビロ磐田】井原正巳と洪明甫、それから伊藤槙人。

2022シーズンが終わりました。

毎年この時期になるとシーズンを回顧して、あぁ今年はこれが印象的だったなぁ…などと感情の棚卸しをします(笑)


昨年はルキアン選手、三浦龍輝選手、ヤットさん、そして「同級生」という括りで大津選手・山本康裕選手について書いてみました。

読んでくださった皆様、反応くださった皆様、本当にありがとうございました!
想いを共有できた気がして、書く側としても非常に嬉しいオフになりました。


そんなこんなで今シーズン。
いい想い出は少なかったわけですけども・・・どの選手について回顧してみようかな、と思った時 真っ先に思い付いたのが今回の主役、伊藤槙人選手でした。

理由についてはこの後詳しく述べるとして、
いろいろ考えてタイトルを井原正巳洪明甫(ホンミョンボ)という日韓を代表する守備のレジェンドと並べてみました。

代表経験のない伊藤選手をそこに並べるのはさすがにやり過ぎだろうか。


いやいや、(正直贔屓目はありますが)ジュビロ磐田における彼の存在はまさしく井原正巳であり、洪明甫でありました。

そんなお話です。

言わずと知れた「アジアの壁」。
韓国代表はアレだが、ホンミョンボはマジで好き。



■数字

昨年途中に横浜からレンタル移籍し、2022シーズンはじめに完全移籍を宣言した伊藤選手。まさに大車輪の働きでしたね。

リーグ戦34試合のうち32試合で先発。途中出場含めると33試合。1試合の欠場は累積警告によるものだと思います。

当然これは大井健太郎、山本義道、森岡陸、リカルドグラッサらに比べても圧倒的に多く、まさにDF陣の軸だったわけです。

また特筆すべきは、3バックのどこでも対応していたこと

調べてみたら意外にも真ん中が飛びぬけて多かったのですが、印象的には右でも左でも出ていたイメージでしたね。

伊藤監督時代にはよくフォーメーションを変えましたし、森岡選手やグラッサ選手が途中交代したシーンも何度かあったので、試合中のポジション移動を含めると実際には数字以上に左右でやっていたかもしれません。

そして、
更に私が特筆したいのが、残留の掛かった終盤の3連戦において

第30節 9/17 セレッソ大阪戦
左サイドで出場 2-2 DRAW

第31節 10/8 鹿島アントラーズ戦
右サイドで出場 3-3 DRAW

第32節 10/12 横浜マリノス戦
中央で出場 1-0 WIN

と、全て異なるポジションで出場していること。


重圧の掛かる試合ともなれば慣れたポジションで職務を全うしたいと思うのがサラリーマンの性(笑)。
それを「毎試合変わるんだけどいいかな?」という上司の無茶ぶりに、文句など垂れることなくフィットしてみせたジェントルマン
それが伊藤槙人。

結果的には降格してしまいましたが、終盤の粘りは槙人選手の器用さが無ければ成立していなかったかもしれません。

ここは(気付いていない方多いと思いますが)かなりチームを助けてくれていたはず。
賛辞に値です!!

3戦ぶりの真ん中は古巣相手。相当気合が入っていた!



■クレバー

さてここからがメインメッセージになりますが・・・僕が2022シーズンの伊藤槙人選手を見ていて非常に印象深かったのが、上記無茶ぶりに対する紳士的対応もさることながら、
一番はそのクレバーさではないかと感じています。

取り乱さないんですよ。絶対に。

緊迫した場面でも敵味方関係なく常になだめているシーンが多く、たくさんの磐田サポの記憶にも残っていると思います。

最終ラインの真ん中ともくればそこは戦場。それ故にこのポジションには”闘将”と呼ばれるファイタータイプが多く、自らを鼓舞し、それでいて相手を威嚇しながら戦っているのが常。

”闘将”といえば古くは柱谷哲司から始まり秋田豊、田中のトゥーリオ。我らが鈴木秀人もまた荒々しい漢でした。


「おいおい、センターバックの真ん中なんてそんなの当たり前だろ!逆にあれぐらいの気迫見せないで務まんのかよ!!」

そんな声が聞こえてきそうです。

でも私はここで思い出すのです。
闘将とは真逆、それは得てして”クレバー”と称されるのですが、そのクレバーさを以ってディフェンスラインをしっかりと統率していた男たちを。

それが井原正巳と、洪明甫(ホンミョンボ)でした。



クレバータイプのセンターバック
チームの最終ラインにこのタイプの選手がいることは本当に心強い。

日韓戦ともなればピッチ上は必ず荒れに荒れます。1990~2000年辺りは特にそうでした。それでも格闘技にならず試合としてしっかり成立していたのは、最終ラインを締める両キャプテンが、クレバーでジェントルマンだったからに違いないと、今になってそう思います。

僕は正直 韓国代表があまり好きではないのですが、それでも今なおあの赤い悪魔を冷静に見ていられるのは、当時のキャプテンが洪明甫だったからに他ありません。

韓国代表は大っ嫌い。でも洪明甫は大好き。
マジでカッコよかったんです!!
いつだってクレバーで、ジェントルマンだったから。要するに、敵ながら彼の存在は本当に大きかった。


ジュビロ磐田の場合、
それが伊藤槙人選手だったりするわけです。

磐田を象徴する”クレバー”



■これから

特段スピードがある訳ではない。
パトリックやウタカを弾き飛ばす体格がある訳ではない。
ロングフィードは健太郎さんの方が断然上手い。

伊藤槙人選手をテクニカルな部分で冷静に評価すると意外にも辛辣な言葉が並んでしまいます。
しかし、
彼は左右そして真ん中と、どこにでも対応してみせる柔軟さと、そして何よりジュビロ磐田に精神的安定をもたらしてくれています。


井原正巳はワールドカップでバティストゥータと対峙した時31歳でした。
国内組として、初めてのワールドカップで堂々と戦った谷口彰悟も31歳。


いずれの選手も代名詞と言えるようなスピードやパワーがある訳ではありません。それでも彼らは強く、熱く、そして何より「安定」しています。


このことは伊藤槙人という選手が成長する幅はまだまだ沢山あると思わせるには十分です。
大井健太郎の去ったチームには鈴木海音や森岡陸といった若き才能がひしめきますが、やはり伊藤槙人選手が更なる進化を遂げ、冷静な大黒柱として君臨してくれなくては磐田の最終ラインはままなりません。


改めて、
クレバータイプのセンターバック
。チームの最終ラインにこのタイプの選手がいることは本当に心強い。

ジュビロ磐田はこの財産を活かさない手はない。
心からそう思うのです。



伊藤選手にとって「3」はどう映っていたか。




井原正巳と洪明甫、それから伊藤槙人。この並びが真のものになりますように。

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

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