
【週刊ユース分析】大躍進!ファジアーノ岡山U-18を改めて調査!!
つ、遂にこの時が来ましたか。
長らくユースをチェックしている僕ですが、下のnoteを書いたのがもう3年前になります。
「地方プリンスリーグの不都合な真実」と題して、
中国と北信越においてクラブユースより高体連(高校サッカー)の方が断然強い実態を述べ、クラブユースはそれでいいのか!!と発破をかけました。
今でこそ関東・関西・東海・九州でも高体連勢がめちゃくちゃ勢いをつけてきてますけど、
特に中国北信越において冬の選手権の魅力にクラブチームが負けっちゃってる実態を指摘していたわけです。
ちなみにこれが2019年の中国プリンスの結果。

岡山と言えば、知名度・実力ともにファジアーノより学芸館や作陽。
ちなみに鳥取はガイナーレより米子北。山口はレノファより高川学園なわけです。
中国地方にはサンフレッチェという絶対王者がいるんですけど、そこを除けば高体連が主流。特にファジアーノと岡山学芸館は提携関係にあるのですが同じ学校に居ながらユースから漏れたはずの部活の方が強い、というなんともいびつな関係性にありました。
それでは今年度(2023年度)のここまでの順位表を見てみましょう。

試合数にばらつきはありますが、ファジアーノ岡山U-18が堂々首位。
ご存じの通り岡山学芸館も2022年の冬の選手権で優勝するなどむしろ実力を上げていることを考えると、純粋にファジアーノは強くなっているんですよ!!
これは岡山サポさん的には非常に嬉しい状況ではないかと、わたくしそう思います。
■クラブユース選手権 ベスト4!!
中国プリンスでの結果が決して「井の中の蛙」ではないことを先日のクラブユース選手権で証明して見せました。
堂々のベスト4です。
グループステージでは鹿島、京都らを抑えてトップ通過。
ラウンド16の戦いでは超強豪サガン鳥栖を撃破してみせました。

調べてみても恐らくクラブ史上初の快挙だと思うんですけど、どうしてこんなに力を付けてきたのだろうか!?
この謎に迫るべく、
2つのキーワードを以って読み解いていきたいと思います!!
■キーワード① 学芸館との相乗効果
ご存じの通り、
2023年1月の選手権で岡山学芸館高校が全国制覇しました。
全員がハードワークして絶対に球際で負けない戦いっぷりは全国に少なくないインパクトを残したわけですけど、
このインパクトに「同級生」のファジアーノユース勢が刺激を受けないわけがありません。
同じ学校に学芸館とファジアーノユースの生徒が入り混じる球技大会は日本一熱いと称されるそうですがnumberさんの記事によると、
むしろ「挫折」を経験したのは岡山学芸館の方であるとのこと。
つまり岡山U18のセレクションに落ちた選手が学芸館にいて、その悔しさが学芸館側の最大のモチベーションになっているんですね。
そんな彼らが全国大会で結果を出した。
これはユース側からすれば悔しかったに違いありません。
そして、であれば俺たちにも出来ない理由は無いと真剣に考えた。実はこれこそが若い年代の最高のモチベーションなんですよね。
ここのところのファジアーノ岡山U18の快進撃は紛れもなく岡山学芸館高校との相乗効果によるところが大きいのだと思います!
■キーワード② トップチームの本気
2023年シーズンはじめ。ファジアーノ岡山を昇格候補に挙げている人は多かったように思います。
これまで「J2中位」のイメージが強かったチームは2022年シーズンついに3位となりプレーオフ進出。残念ながら敗れてしまったが観客数は伸びに伸び、十分に昇格の運気を感じさせました。
Jリーグはビッククラブを作りたい思想から、今後は分配する賞金の偏重が顕著になります。もしそうなってしまえば後発の地方球団はいよいよ不利な状態になってしまうわけです。
そんな危機感を十分に意識して、どこよりも鼻息荒く「絶対にJ1へ!!」と叫んでいるのがファジアーノ岡山だったりします。
つまりチームは、本気なのです!
高卒ルーキーながら強烈なインパクトを披露した佐野航大が成長し、絶対に個人昇格するだろうと思っていた輪笠祐士を同カテの秋田から引き抜いてしまうなど、クラブとしても貫禄がついてきました。
大黒柱のデュークこそ移籍しましたが、ガンバから坂本一彩、千葉から櫻川ソロモンと未来の宝石を次々と獲得。若くて勢いのあるチームとしての認知度はかなり浸透したはず。
特に開幕戦を戦って敗れたジュビロ磐田サポには十分にそれが伝わったのではなかろうか。
そして、ユースである。
資金繰りが潤沢でないクラブほど下部組織の持つ意味は大きくなります。これまでクラブユースが弱いとされていた中国地方において、
このタイミングでファジアーノ岡山U18が全国ベスト4の成績を収めたことは実に大きいと思われます。
高体連に流れていた多くの原石が、ファジアーノでのトップ昇格を目指してユースの門を叩けば、こんなに心強いことは無いはず。
ファジアーノ岡山は、未来に向けて明るい資源を入手しつつあると言っていい。ついにそこまで来たのです。
■注目選手!!
それでは注目選手を挙げてみたいと思います。
今回はですね、
SNS界隈でサッカー選手の歴史や過去の情報を土屋さんの次に持っているんじゃないかと思っているひー(@youth_soccer1)さんに実際にクラブユースを見に行って印象深かった選手を教えてもらいました!
日本サッカー界が誇るレジェンド、本田圭佑と岡崎慎司が高3時の選手権初戦で戦ったのは有名だが、両者が2年時の高校総体で既に対戦していたとは…!
— ひー@高校サッカー年鑑収集中 (@youth_soccer1) September 6, 2022
この時はPK戦で岡崎の滝川二が勝利。PKを外していたのは本田だったというのも驚き。
滝川二には河本裕之、星稜には豊田陽平、橋本晃司の名前も。 pic.twitter.com/9ZvBEwGgk9
こちらはポストの一部。詳しすぎるのよ笑。
そして、まずはこの選手を激押ししてくださいました!
FW 三木 ヴィトル(みき ヴィトル) 3年/ファジアーノ岡山U18

あのゲキサカさんにもまだ個別リンクが無かったのですがひーさん曰く「フィジカルが高校生離れしていて、CBやCFやボランチならわかるんですが、サイドに完全に張るタイプであんな体格の選手を思いつかない笑」とのこと。
一言で言うと、ロマン!ですね。
ファジアーノ岡山サポーターの皆さんおめでとうございます!!
まだまだ成長しそう。ただブラジル&刈谷JY出身ということは地元出身ではないのかな🤔
順調に岡山の未来を象徴する選手となってくれるか、注目ですね。
DF 服部航大(はっとり こうた) 3年/ファジアーノ岡山U18

そしてひーさんが「安定していた」と太鼓判を押すのがCBで主将の服部選手。
名前が航大で目標とする選手が輪笠。
岡山どっぷりで良いですね~。ちなみにファジアーノ岡山U18はシーズン初めのイギョラ杯でも優勝しているんですが、その大会のMVPが服部選手でした。
当然トップチームのキャンプにも帯同しており、トップ昇格する可能性もあるかも。
バイス、柳ら重量級の選手に揉まれて吸収すれば面白そうですね。これぞユースの醍醐味。
そして、来年の入団が決まっている選手も挙げておきます。
【太田龍之介選手(明治大学) 来季新加入内定のお知らせ】
— ファジアーノ岡山スタッフ公式 (@fagiano_koho) May 23, 2023
このたび、明治大学の太田龍之介選手(ファジアーノ岡山U-18出身)の来季新加入が内定いたしましたので、お知らせします。https://t.co/VZvsYAGeEB#ファジアーノ岡山#明治大学#太田龍之介 pic.twitter.com/tL5dw9YU8s
大学サッカーNo.1の明治で研鑽する太田選手。
満を持してファジアーノ岡山に凱旋入団です。
エルゴラさんのアプリで確認すると「岡山U-18」出身のJリーガーってほとんどいないんですよね。
つまりそれだけユースからプロになることが難しかったわけですけども、遂に生え抜きと言われる選手が名門大学からやってまいりました。
これは岡山サポさんは嬉しいんじゃないでしょうか。
そしてこの太田選手を皮切りに、次々と若い世代が大会で結果を残し育っているわけです。
もう一度言いますけどね、これはロマン。
始まってますよ!岡山さん!!
■最後に
クラブユースが育たない地として、(広島を除く)中国地方を取り上げたのが約3年前。
それ以降も選手権の岡山学芸館だったり、インターハイの米子北だったり、高川学園がぐるぐる回るトルメンタで有名になったり。と、話題の中心はやはり高体連だったわけです。
しかし!その風潮をファジアーノ岡山が破ろうとしている。
高体連とクラブユースどちらが良いとかそういう問題ではなくて、純粋に底が上がってるなというワクワク感があるのと、
他のクラブと争奪戦必至の高体連勢に比べてユースの強化は人材確保に安定をもたらしますからね。
ファジアーノ岡山がクラブとして何か変わりつつあるな、と感じるには十分な出来事かと思います。
いずれにせよ岡山の反撃は始まったばかり。特に今シーズンは若さだけでは乗り越えられないJ2の壁を改めて感じている最中かもしれません。
思いのほか苦戦していますが、ユースを見れば岡山サポさんはワクワクできるシーズンになっているのではないでしょうか!!
注目していきましょう。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!