【エッセイ】掘り下げて聞くこと

2月から月に一回、オンラインでライティング講座を受講している。憧れのライターさんが講師をつとめる、2時間のマンツーマンの講座だ。

一対一なので、ライティングをする上での悩みや困り事も相談にのってもらっている。

前回、「自分の書くインタビュー記事が、淡々としすぎて薄っぺらくなってしまう」悩みを話した。何度か他人にも指摘されたことがあるくらいだ。深みがある文章を書けるようになりたかった。

そこで受けたアドバイスが、「相手の話を掘り下げて聞くこと」だった。

例えば、パン屋さんの取材でセールスポイントを聞いた時、「小麦にこだわっている」と返されたとする。その時「産地はどこ?」「なぜ、この品種に決めたのですか?」というように、「なぜ?」と疑問を持ち、聞いていく。すると記事を書くときに、生きてくるという。

早速、取材はもちろんのこと、職場や家での会話でも取り入れ始めた。

今まで流してきたことを深く聞いてみると、なかなかおもしろい。その人がやってきたことや、意外な趣味など色々な面が見えてくるのだ。

そして、「深く掘り下げること」で、自分の思いに向き合うようになった。

モヤモヤすることがあると、「なぜスッキリしないんだろう?」「私はあの時、どうしたかったの?」と書き出す。伝えたいと思った時は口に出すようにしている。

「どう思われるか」気にしていたが、伝えてみると相手もしっかりと聞いてくれる感がある。

今までは、見て見ないフリをして流していた。それなのに頭から離れなかった。書き出して、時に口に出すなど実際に動くことで、問題がクリアになることを実感している。

「相手や自分に対して、掘り下げて聞くこと」で少し変わってきた気がする。取材だけではなく、日々の習慣にしていきたい。