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続・モツ煮込み論

味噌ベース・多種モツ・野菜無し、については前回述べた。

多種モツの対義語は、単一モツ。味噌ベース・単一モツ・野菜無しとなると、その代表は群馬県渋川の永井食堂という事になるだろう。連太郎街道沿いにあるドライブインのような店が出すそれは、所謂白モツしか使わない。蒟蒻は入るのだが野菜は入らない。定食が基本であり、アテというよりオカズなのだが、モツ煮込みに間違いはない。そして、凄まじく旨い。この系統は群馬県内に多く見られることから、総称して「群馬系」と呼ぶことにする。

味噌ベース・単一モツ・野菜無しを「群馬系」と定義づけた。しかし番外もある。かっぱである。かっぱの話は後に書こうと思うが、かつて御徒町駅ガード下にあった最強居酒屋のモツ煮込みは、同じ系統である。が、系統は同じでも味は全く異なる。味噌ベースながら胡麻をたっぷりと使った甘めの汁、ふるふるとどこまでもやはらかなモツ…今はもう食べられないそれ、幻系とでもしておこうか。

同系統に豆腐を入れ、小鍋でレンゲ添えで出すと「加賀屋系」となる。ご存知よく分からんけど色んなところにある酒場「加賀屋」。こちらも味はかっぱに近く、そして大きな豆腐がチャームポイントとなっている。

味噌ベース・単一モツ・野菜有りに行こう。これはもう実家を代表とする、千葉・茨城あたりで良く見られるタイプ。故にこれを「チバラギ系」とする。野菜を入れることで酒のアテからメシのオカズまでを幅広くカヴァーできるそれ。実家では父が必ずジャガイモを入れることを要求していた。確かに、モツ煮の汁で炊いたおジャガは旨い。母はニンジンが好きなのでそれも入る。勿論、ネギはたっぷりとあとがけで。

そろそろ時間がきたようだ。私の中の三大煮込み。一つは、じんちゃん。
も一つは、かっぱ…と言いたいところだが、これはもう食べられない。ということで、永井食堂を推す。ちなみにこれはお取り寄せが可能である。

最後の一つは、実家の煮込みという事になる。勿論家族以外は食べられない。どうしても食べたい人は、私の嫁になればいいのである。なんじゃそりゃ。

おしまい

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