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お好み焼きライス

関西の方々が「関東のそばつゆの色の黒さ」を嘆くのとほぼ同じくらい口にされるのが「お好み焼きにライスを付けないなんて」であろう(と勝手に邪推する)。確かに関東ではお好み焼きでご飯を食べる習慣(キャスタム)は無い。なんであらへんねん?関東はお好み焼きより「もんじゃ」だから?いや、もんじゃでメシも無いぞ。炭水化物に炭水化物はあり得ない?それなら焼きそばパンはどうなる?…今すぐにでも東西乱闘バトルが始まりそうだ。

私自身お好み焼きでメシを喰うようになったのは大人になってからである。大人になったからその味が分かるようになったのではなく、それまで食べる機会が無かった、というのが正しい。お好み焼きは子供のころ、ホットプレートで母がよく焼いてくれたものだが、その際にはご飯は付けられていなかった。ご飯が必要ないくらい、たくさん焼いてくれたものだ。

ところで、お好み焼きライスは旨い。まづ、おたふくソースが旨い。そこにかつぶしとマヨネーズと青海苔なんだから、旨くないわけがない。でも、お好み焼きライスの旨さはソースだけじゃない。豚肉、玉子、キャベツ、他色々の旨さがあってこそ出てくる旨さなのである。

一度、たこ焼きライスというのをやったことがある。何、単純な話。たこ焼きを買い、シロメシと一緒に食べてみるだけだ。するとどうだ。まったく旨くないじゃないか!ちゃんとマヨかつぶし青海苔ソースなのに。生地だって同じようなものなのに!

結局たこ焼きは、生地に山芋を混ぜようが、具はタコのみ、である。いくら旨味があるタコといっても、鉄板を飛び越え、生地をぶち抜いてまで、その旨さはメシには着弾しない、ということなのだ。

なるほど、どおりで店にたこ焼きライス付きなんてメニューが無いわけだ。それどころか、たこ焼き屋に白飯が置いてあるのを見たことすらない。そう、たこ焼きは、単体で食べるのがいいのだ。

そしてお好み焼きにはシロメシ、である。

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