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製作した本の追加納品へ!爽やかモーニングとカフェでのこととかも。

6月25日。日曜日。

昨日の夜、嬉しいことがあった。私が製作した本『フレンチトーストに包まれながら』を委託販売しているお店からメールがきて、「店頭在庫がすべて完売したので追加納品をお願いします」という旨が記載されていたのだ。

本の在庫が完売!嬉しすぎる!!!本当に嬉しい!!!

夜中にメールの文面を何度も読み返しながら、自分の製作した本をお買い求めいただいた方がいる(しかも複数!)ということに、改めてじぃんと胸が熱くなった。と同時に、在庫切れになっているのなら、せっかくだからできるだけ早く追加納品をしたいなと思った。店頭に持参しても郵送でもいいとのことなのだけど、せっかくなら久々にお店を訪問して、お店の方に挨拶したり、店頭に並んでいる私の本以外の商品も見たい。

お店からのメールを読み進めると、なんとお店は二日後から施設メンテナンスのため一ヶ月ほど休業をするという。24日にメールが来て、26日以降は臨時休業ということは、直近でお店を訪問できるのは翌日の25日しかない。急な思いつきだけれど、夫に状況を伝えたら子どもたちは見ていてくれるとのことだったので、急遽翌日の日曜日にお店へ追加納品に伺うことにしたのだった。お店からメールが来て、たまたまが開いているのが次の日までで、その日たまたま夫に子どもたちも見ていてもらえる、というこの絶妙なタイミングの重なりが、なんだか今日の私の追加納品の外出を後押ししてくれているようで、ありがたく嬉しかった。

日曜日はもともと家族で久々にモーニングでも行こうかという話が出ていたので、私は家族とモーニングを食べたあと、そのままお店に向かうことにした。駅近くのほうが移動もしやすいだろうと、モーニングは最寄り駅前のパン屋さんに行くことにした。朝起きたら子どもたちは久々のモーニング外食に向けてワクワク準備をしていた。私は私で自分の身支度をして、今日追加納品する予定の本を何冊かトートバッグに入れる。

すごく暑くなりそうな一日だった。起きてリビングの窓を開けた時点から、網戸越しにモワッと湿気のある空気が家の中に漂ってくる。それでも、モーニングに合わせて朝の早い時間帯に外に出ると、まだ日差しはそこまで強くなく、朝特有の爽やかな空気が気持ちよかった。今日は久々にサンダルを履いた。

いざお目当てのパン屋に到着してみると、珍しく店内のイートインスペースはほぼ満席で驚く。いつもの週末のこの時間帯はすっからかんなのに。一瞬どうしようかと戸惑ったけれど、そういえばパン屋さんの近くの駅前広場にいくつかベンチがあるので、そこにパンをテイクアウトして食べようと思いつく。夫も同意してくれたので、家族それぞれ自分の食べたいパンを選んで会計をする。夫がすぐ近くのコンビニで飲み物を買ってくれている間に、私と子どもたちで広場に席を探しにいく。

木陰の下に位置するテーブルを確保することができた。ちょうど椅子も四脚ある。あとから合流した夫と四人でテーブルに買ってきたものを広げ、それぞれがパンを頬張った。私はこのパン屋でお気に入りのベーコンポテトサンド。長男はチョコクロワッサン。次男は塩バターパン。夫はクイニーアマン。「美味しいね!」「外で食べると気持ちいね!」と喜ぶ子どもたち。夫が買ってきたジュースも嬉しそうにグビグビ飲んでいる。私と夫はストレートティーのペットボトルをシェアして交代で飲んだ。新商品らしいそのペットボトルのデザインを見て、夫と二人でああだこうだ話す。

朝の爽やかな空気の中、緑が多い屋外の広場での朝ご飯の時間はなんとも心地よいものだった。辺りは気温は上がってきているけれど、木陰はその影響を受けずに適度に涼しい。これから夏にかけてどんどん暑くなって、屋外でのこうやって過ごすのもしんどくなってくるだろうから、今日、思いがけない機会で外での朝ご飯タイムを満喫できたのはすごく良いタイミングだった。なんだか勝手に得した気分。

パンを食べ終わって少し広場で遊びたいと言う子どもたちに夫が付き合ってくれるというので、私はそのまま駅から電車に乗って出発することにした。「いってきまーす」「いってらっしゃーい」のやりとりがあり、私は家族に手を振って、駅の改札に向かう。家族で過ごす週末に、私が好きなことをすることに協力してもらえて、本当にありがたいし、嬉しい。

目的地のMOUNT ZINEさんには、今年の春頃にZINE制作のスクールに通っていた時期に何度も訪れている。スクールが終わって製作した本の委託販売が始まって以降はご無沙汰していたので、通い慣れてはいるけれど久々の道のりがなんだか懐かしかった。電車を一度乗り換えて、一時間もしないうちに目的地の駒沢大学駅に到着する。

モーニングからストレートでお店に向かうとお店のオープン時間まで少し時間がありそうだったので、事前に周辺のカフェ情報を調べてきていた。カフェ巡りが大好きな私、せっかく空いている時間と機会があるならば、新しいカフェを開拓してみたい。いくつか候補のお店があったので、スマホでGoogleマップを見ながらお目当ての場所に向かって歩いた。地元の駅にいたときよりもさらに日差しが強くなり、気温も上がってきている気がする。熱中症にならないように気をつけなければ、と持ってきた日傘をさしながら歩いた。

一番お目当てのカフェは駅から徒歩15分とちょっと時間がかかりつつせっかくだからと行ってみたのだけど、いざ到着してみたら、やはりその周辺では人気のカフェのようで、外に入店待ちの人が何人か待機していて、時間もないし、そもそも混雑しているカフェがあまり好きではないので、そこはきっぱり諦めた。暑い中15分歩いてきたのに…と少しがっくりしつつ、実はそこまでの道中でも、自分が事前にチェックしていなかったカフェが不意に何軒か現れて(駒沢大学ってこんなにおしゃれなカフェがたくさんあるんだ!と土地勘のない私はびっくりした)、候補は色々ありそうだった。

大きな公園の近くにオシャレな外観のスタバを見つけてそこでもいいかなと思ったのだけど、この日は馴染みのあるスタバのコーヒーではなく、新たなカフェのコーヒーを味わってみたい気分だった。最初のお目当てのカフェとスタバのちょうど中間地点で見かけたカフェが気になり、事前情報なしに思い切って入ってみることにした。

そのカフェは店内の一部で服や雑貨の販売もしつつ、残りの半分ほどのスペースでカフェをやっているらしいカジュアルな雰囲気のお店だった。カフェスペースのドアや可動式らしい窓がすべて全開になっていて、お店の外には簡単なオープンテラスのようなスペースもあった。私がそのカフェが気になったのは、その開放感ある空間と、私が通りかかったときに渋めのかっこいいおじさんが犬を連れつつ外に設置されているスツールに座ってアイスコーヒーを飲んでいるのを目にしたからだった。少し海外にいるような錯覚を覚えるというか、その渋いおじさんとカジュアルなお店の外観がマッチしていてなんだかいい雰囲気だなーと思ったのだった。

カフェ巡りが好きなのでしょっちゅういろんなカフェに出入りしているけれど、初めての場所に足を踏み入れるときは、勝手がわからなくてやっぱり少し緊張する。恐る恐る店内に入ると、注文カウンターらしき場所が見えたので、そちらに歩みを進めた。カウンターの中には二人店員さんがいて、レジ前の店員さんがこんにちはーと優しく声をかけてくれてちょっと安心する。

飲み物を頼もうと思っていたのに、レジ横にある「アイスクリームあります」の文字が目に入ったところでとっさにアイスに惹かれてしまい、何を注文するか迷う。店員さんの「アイスコーヒーにアイスを乗せることもできますよ」という言葉に、提案の通りアイスコーヒーにキャラメルアイスを乗せてもらうことにして注文した。頼んだものは席まで持ってきてくれるとのことなので、お会計を済ませたら店内の好きな席を選んで腰かける。

開け放したドアの近くの二人がけのテーブル席にしたので、外の席に座っているような感覚もして清々しい感じがした。目線の先には店の外の歩道やそこを行き交う人々。お店の中には私以外にもお店の奥のソファー席に金髪の女性(多分外人さん)が一人と、お店の窓際のソファ席にはワンちゃん連れの女性三人組がいた。

じきにアイスを乗せたアイスコーヒーが運ばれてきた。まずはコーヒーだけをストローで吸って、飲むといい感じの苦味が口の中に広がる。うん、美味しいコーヒーだ。それから少し溶け出したアイスとコーヒーを同時に口に含むと、それも苦味と甘みが適度に絡み合って美味しかった。ストローの先でアイスだけを食べてみたりもした。いろんな楽しみ方ができるアイス乗せコーヒー、なんだかんだでいいチョイスだったかも、となんとなく安心した。

それからは持参していた本を読みつつコーヒーを飲みつつ、目的のお店の開店時間までゆっくり過ごした。滞在時間の最後のほうで、一人の男性が私の隣の二人がけのテーブル席に座った。気づかれないようにチラッと様子を伺うと、持ってきたリュックの中から文庫本を取り出し、アイスコーヒーを飲みながら読みはじめた。

日曜日の午前11時頃、駅から少し離れた立地のこのカフェで文庫本を読む30代くらいの男性。どういう流れで、どういうチョイスで、この人は今ここで本を読んでいるのだろう、なんて、勝手にその男性の日常とか、そういったものに思いを馳せる。特別その男性に興味があるわけではなく、私はカフェに来ると、よくその時その場で一緒に居合わせたカフェのお客さんたちに勝手に思いを巡らせる。この人は普段何をしている人で、今日どうしてどういう流れでここにいるのだろう、とか、どんな気分で何を考えているのだろう、とか。そういったことを勝手に考えることが面白い。

そしてまた私自身も、周りから見たらどんな感じに見えるのだろう、なんて思ったりする。私こそ、日曜日の午前11時にカフェでアイスを乗せたアイスコーヒーを一人飲んでいるけれど。この瞬間の私だけを見た人は、私に小学生の子どもが二人いることとか、電車に乗ってはるばるこの地域にやってきたこととか、普段文章を書いていて本を作ったりもしていてそれをこれからお店に追加納品に行くこととか、きっとわからないだろうな。当たり前だけれど。

全然関わりのない、そしてこれからも恐らく密接に関わることはないかもしれない人々が、その瞬間だけ同じカフェの空間にいて同じ時を共有しているということが、なんだか面白いなぁと。そういうの、なんかいいなぁと、いつもカフェでの時間を過ごしていると思ったりする。

そんなこんなで、無事アイスとコーヒーの交わりを飲み干して、カフェをあとにした。そこからまたお店まで20分ほど歩く。MOUNT ZINEに着いたのはお店の開店直後のタイミングだった。

外観からオシャレで素敵!


久々に見る外観に懐かしさを感じながら店内に入ると、先客がいてお店の人とレジ前で話をしていたので、その会話が終わるまで先に店内を見せてもらうことにした。大小様々なサイズ、形態のZINEがオシャレに並べられている店内。初めて見るZINEの数々に興奮して、つい一つ一つ手にとっては見入ってしまう。

色とりどり!きれい✨
サイズも形も様々なZINE!


お店の一角ではイラストの展示が行われていたりもする。実はその展示にZINEスクールで一緒だった知人も参加していると聞いていたので、その展示から見せてもらった。犬と猫がテーマのイラスト展示。複数のアーティストさんがそれぞれの個性たっぷりなイラストを展開していて見応えがあった。知人のイラストの猫ちゃんとワンちゃんが可愛くて、ちょうどそのイラストのポストカードを販売していたので購入することにした。

展示を見ていると、先に来ていたお客さんが帰っていくのが見えたのでお店のレジのほうに回ると、ZINEスクールでもお世話になった先生(という呼び方でいいのだろうか)がいらして、久々に挨拶ができて嬉しかった。持参した本を納品させていただき、少しおしゃべりしつつ、それからしばらく店内の隅から隅まで、ひたすらZINEを手にとっては見ていった。

私の本も並んでる✨


本好きにはたまらない空間。一日中でもいられるなあと思いながら、いろんな本に触れられる喜びをしみじみ感じながら店内をゆっくり回る。

最終的に、日記本のZINEを二冊購入することにした。MOUNT ZINEさんには、どちらかというと文章メインの本みたいなZINEよりも、イラストや写真がメインのZINEが多い気がするのだけど(本当に趣向が凝らされていて個性的なZINEが勢揃い!)、やっぱり文章を読むことが好きな私は、その中でも比較的文章が多めだったり、文章メインのZINEに惹かれて、そこはなんだか私らしいなぁと思ったりした。いろんなZINEを見ていると、自分がつい手にとってしまうものや好みのものの傾向とかが見えて、店内を回っていてそれが自分でもとても面白かった。

二冊のZINEとポストカードのお会計を済ませて、再度お店の方にご挨拶をしてお店をあとにした。また施設メンテナンスの休業が終わったら遊びに来たい。願わくば、その頃にはまた今回追加納品した在庫が売り切れて、さらなる追加納品がてら訪れることができたらとても嬉しい。

来た道を駅まで戻って、電車に乗って帰宅した。帰ったら夫と子どもたちが「おかえりー」と出迎えてくれる。夫はあのあと、子どもたちのお昼にチャーハンを作ってくれたらしい。なんといいパパなの!思いっきり感謝を伝えておいた。


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自分の本をお店に追加納品に行って思ったこと。

自分が知らないうちに、あるとき、誰かが私の本をお店で手にとってくれて(あんなにたくさんあるZINEの中の一冊なのに!)、きっと表紙を眺めたり、パラパラページをめくったり、もしかしたら文章やあとがきを何行か読んでみたりして、買おうかな、どうしようかな、って考えてくれて、そして最終的に「買おう」と決めて、それをレジに持っていって、お会計をしてくれて、それを自分のバッグにしまって、家に持ち帰ってくれている。

お店に置いている本は、私の知らないところで、それが起こっている。

本当にありがたいことだなぁ、尊いことだなぁ、と思う。
感動と感謝しかない。

本を買ってくれた人は、どこに住んでいて、その後どこに帰っていくのだろう。一人暮らしなのかな、家族と暮らしているのかな。買ったそれをどこで読むのかな。家かな、それともどこか外に持ち出して読んでくれているかも。朝なのか、昼なのか、夜なのか。持って帰ってくださったその一冊は、その人の日常に溶けこんでいく。

それってやっぱり、なんかすごい。

ちなみに私の本は、私のオンラインショップを通して購入していただき、私が直々に梱包発送してお届けしているパターンもあるのだけど、その方法だって、もちろん同じくらいありがたいし、嬉しい。

結局、誰がどこでどう買ってくれようと、私の本を手元にお迎えしてくれたということだけで、とにかく常にありがたく嬉しい。

それは前提としたうえで、お店に置いてある本が、私の知らないところで(知らないところでというのがポイント)、勝手にいろんな人の日常に溶け込んでいっている、というのは、やっぱり、それにはそれ特有の面白さと、ありがたさがあるなと思う。

本を置いてくださっているMOUNT ZINEさんにも感謝だ。

これからも、お店からも、オンラインショップからも、いろんな方に私の本を手にとってもらえたら嬉しいな。

私も、頑張ろう。


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