なぜ「エッセイ」本を作ったのか
先日、「本(ZINE)を製作しました!」というお知らせの記事を書いたのですが…
今回はその製作した本の具体的な中身について、少しツラツラ書こうかなと思います。
今回製作した本は、エッセイのような日記のような、私自身が日々の生活の中で実際に体験したり感じたことを綴った文章の短編集です。
私たちは日々生きていると、いろんな出来事に遭遇したり、いろんなことを考えたり感じたりする。ときにものすごくビッグなイベントや出来事が起きることもあるけれど、今回のエッセイ集で綴られているのは、あえて何気ない日常の中でふと心に沁み入った瞬間や、じんわり"いいなぁ"と感じたこと、そのふと感じた感覚が流れ去ってしまう前に、言葉で残したいと思った場面。
なので、先に書いておくと、この本の中には、読んですごく役に立つこととか、「参考になったなー!」と思うようなことは書いていないと思います。
ただただ、私という一人の目線から、目にとまったこと、心にとまったこと、大切に思った感覚を綴っているだけです。
面白いのが、この本を製作する前の、ここ数年の私の活動では、このエッセイ本とはまさに真逆のことをやっていました。まさに誰かに役立ちそうな情報や読んでくれた方に参考にしてもらえるようなノウハウや自分の気づきなどを発信してきました。
例えば、ファッションスタイリストの仕事では、毎日を快適に過ごすための服選びの方法やオシャレに見えるコーディネートのポイントだったり。
コミュニティ運営やカウンセラーの仕事では、日々を快適に過ごすためのマインドとハートの整え方や、自分を知るツールとしての西洋占星術の知識、SNSでの発信に関する知識などなど、具体的な知恵やノウハウだったり。(なんともバラエティに富んだ内容!)
今回本を作ろうとしたとき、これまで自分が培ってきたノウハウや知識を活かして、人の"役に立つ"ような内容の本を作ることもできた。
でもそれをしなかったのは…
単純に今の私がやりたいことではなかった、というと元も子もないですが、でもそういった"役に立つこと"をSNSを通して発信することはもうかれこれ5年ほどやってきて、もうある程度やったから今はいいかな、という感覚があったのも一つ。
そしてもう一つは、そもそも私が今回本を作ろうと思ったきっかけは、昨年、本当にいろいろと不思議な流れで、魅力的なエッセイ本や日記本の作家さんに出会ったことでした。
エッセイ本や日記本は、架空の物語を描く小説と違って、基本著者の身に実際起きたエピソードや考えたこと、感じたことが綴られている、とても"リアル"なもの。
それを読む読者は、もちろん著者とは別の人間なのだけれど、そのエッセイや日記を読んでいる間だけは、そこに綴られている文章の内容やそこに流れる空気のようなものをまるで著者と共有しているかのような感覚になったりもする。
その感覚を感じることも面白いし、さらには、著者の綴った文章に触れたことで、そこから派生して自分自身もいろんなことに対して思考を巡らせるきっかけになったり、自分の人生において何かしらの影響を受けることもあったりするのが、
また面白い。
実用書などと違って、具体的な知識やノウハウが載っているわけではないけれど、人のエッセイや日記に触れることで、確かに受けとるものがある。
その一連の著者と読者の"ふれあい"のようなものが、エッセイ本や日記本の面白さであり魅力なのかなと、私は思っていて。
そしてそんな著者と読者のいろんな形での"ふれあい"に魅力を感じて、私もエッセイや日記を書いて、本(ZINE)というカタチにして世に出してみようかなと、思ったのでした。
オンライン上では、もともと何年も前からブログやインスタで自分の日常のことを書いてきたし、昨年noteも始めて、本の元になる文章は既にあったので、それらを加筆修正したり、新たに書き下ろしたエピソードもあります。
ということで、今回は作った本が"なぜエッセイなのか"というお話でした。
私のこのエッセイ本も、ぜひ気軽に触れてもらって、それを読んでいる間は、そこに流れる世界だとか空気の中を、一緒に漂ってもらえたら嬉しいなと、思っています。
そもそも本を手にとること、それを読むことに、明確な理由や目的なんていらない。
なんとなく気になるなぁと思ってもらえたら、なんとなく手にとっていただいて、なんとなく楽しんでいただけたら(楽しまなくても、ただ書かれているものに触れていただくだけでも!)、とても嬉しいなと思っています。
本はオンラインショップにてご購入いただけます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?