物語を終えること
物語を始めるのは簡単だが、終わらせるのは難しい。
韓国の男性と付き合っていた日本人女性の多くが「別れる時は本当に大変だった。付き合っている時は蝶よ花よとお姫様のように扱ってくれるが、別れる時にはストーカー化したり、般若の如く怒り出したりと、豹変するらしい。
私の妹をして「菩薩のような人」と言わせるオッパだが、彼も鬼になってしまうのだろうか。
「もしも別れたらどうする?」と彼に冗談まじりに聞くと、「んー。僕の祖父母は『あげたお小遣い返せ!』って言うだろうね」と笑って答えた。
韓国に行くたび、笑顔で出迎え、十分すぎるお小遣いをくれたハルモニたち。考えてみれば当たり前のことだが、彼女らは私のことを好きなのではなく、「孫の嫁」として歓迎していたに過ぎないのだ。
もしも彼と別れたら、彼女らも豹変してしまうのだと思うと切ない。
物語の終わりは、地獄の炎に包まれている気がする。
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