選挙に行くキッカケは
夫は投票に行く。
恥ずかしながら、私は選挙に行かない人だった。
ひとり暮らしをはじめて、忙しいとか、よく知らないからとか、いくらでも理由はあった。
夫と付き合い始めた時、毎回選挙に行っていることを知った。
そして「俺は選挙に行ってないのに、色んなことに文句言ってるやつが一番許せないんだよなぁ。文句言う場所にすら立ってないでしょ。」と言われた。
私は恥ずかしくって、顔がカーッと熱くなった。
そして、今まで選挙に行ったことがないと伝えた。
夫は、それは恥ずかしいよとズバッと言った。
その日、私は自転車を降りて、いつもなら通り過ぎる選挙ボードの前に立ちじっくり見た。
「この人は駅でマイク持ってた。」
「この政党、知ってる。」
そんな程度の感想しか持てない。
どの政党がいいも悪いもわからない。
私は大人じゃないのかもしれない。
日本人なのに、自分の住んでいる地域や国の事をぜんぜん知らないんだなと思った。
そして、はじめて選挙に行った。
ドキドキした。
会場は静かだった。
意外にも順番待ちをするくらい沢山の人が来ていた。
投票率は下がっていると言っているのに、こんなにたくさんの人が投票しているんだと知った。
自分の投票券をだして投票する。
紙を切れ目の入った箱に入れる。
テレビで見たことのある、投票所の風景だ。
…私、あっているのかな?
作法があるのかわからないけれど、沢山の人がいるなか投票した。
結婚後は夫と投票に行くようになった。
いつも期日前投票に行くことが多い。
子どもたちが生まれてからは、抱っこしていくこともあった。
思えば、自分たちの生活が変わると、気になる制度も変わっていく。
若い人が投票しないから、年配の方に配慮されたことが多くなるのもうなずける。
本当はそういうものではないけれど、求める人の、求めることが多くなる。
当たり前のことなのかもしれない。
投票はしているけれど、いまだに政治はよくわからない。
深い部分や、どこがどう変わっていったか、どうなるのか見通しはつかない。
子どもたちのことを考えて投票してみても、私のちっぽけなたった一票で変わるもんかとも思う。
でも、私にできることはそれだけしかない。
投票しない人に対しても、別にどうとも思わない。
私は夫のように他人に対して正しさとかを求めない。
求められないと言った方がいい。
なぜならちゃんとしていないから。
正しいことを主張するのは、とてもパワーがいることだ。
間違っていることを、間違っていると伝えるのはとても大変だ。
それを避けない、避けようとしない夫を見ていると、疲れないかなとも思う。
けれど、そういう人が必要なのだなとも思う。
夫に言われなければ、今も選挙に行かない人だったかもしれない。
真面目で、正論ばっかりで、優しくってちょっと厳しい。
そんな夫を少し見習いたいのだった。
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