山形県高畠町で気づいた地域の可能性~大人こそ学ぶべきなんだ!~
2月に高畠町でFammilyinnと高畠町が行う、地域留学に参加した。
山形県高畠町の地域留学とは?
くらし、なりわい、コミュニティ ~「またね」といえるつながりを~
田舎ホームステイと山形県高畠町で行う、地域巡り会いツアー。
高畠町に暮らすユニークな方々と生活や仕事を共にすることで、「くらし、なりわい、コミュニティ」を体験する企画。
高畠で農業を営む個人や団体のところに訪問するアグリコースと高畠のユニークな人が経営や運営を行う企業や団体へ訪問するクリエイティブコースの2つのコースから選んだプログラムで1週間滞在する。
農業はもういいや。たくさん体験したことあるし。ということで私はクリエイティブコースに参加し、
移動スーパーとくし丸、愛犬のお宿エビスヤ、高畠清掃 、高畠熱中小学校へ訪問した。
どの場所でも今までの生活では気づかなかったことをたくさん得られた。
1週間の中で一番私が知れてよかったと思うことをここに書いておきたい。
私に学びをくれた場所は " 高畠熱中小学校 "
高畠熱中小学校
廃校となった小学校を利活用して大人の学び舎とする取り組み。
『もういちど7歳の目で世界を…』をテーマに、起業家、音楽家、大学教授や料理家など、さまざまな分野のスペシャリストが授業をする。
起業家精神や里山文化・最新技術を学び、創造する場となることを目指している。
1期=半年タームで1万円。隔週土曜日に開催され、教室またはオンライン上から全16コマの授業を行けることができる。
授業は実際に町の課題解決を考えるものもあれば、最新テクノロジー、ビジネス、食や音楽まで多岐にわたる。
ITベンチャー企業の社長、人気番組のプロデューサー、大学教授など各分野のスペシャリストが講師の生の授業が聞ける。
生徒の年齢層は、10代から70代と幅広い。平均年齢は49歳。
社会見学として通う学生、新しい知識を入れたいシニア層、仕事では得られないものを求めるサラリーマンや事業主などなど。
高畠地域の方も多いが、近隣の町村市から通っている人もかなりいるんだとか。
私の偏見
失礼だとは思ってるけど、正直、田舎って価値観が凝り固まって面白くない人たちが多いんだろうなって思ってた。
新参者や新しいチャレンジをしようとしている人に対して厳しかったり、昔の価値観が変わらず残っているイメージがとっても強かった。
そういうニュースとかってたまにひと騒動起きるしね。
だから私が移住したとしたら、地域の人たちよりも外から呼ぶ人たちの存在の方が大事かなって思っていた。
でも、それは勝手な思い込みだし、正しくないってことにこの場所で気づいたんだ。
これに気づけた出来事は2つ。
地域の可能性 ー生徒の声ー
ひとつの出来事は、地域留学の試みの一つで、熱中小学校の生徒であるチェリーさんにインタビューをさせていただいた時。
このインタビュー全体を通じで驚いたのは、チェリーさんのエネルギーだ。
いわゆる一般企業を退職されたシニア世代にも関わらず、今は障害者向けのグループホームの設立に向け頑張っていたり、SNSはインスタをはじめ自分で複数種類を運用してPRしていたり、もちろん熱中小学校の取り組みにもたくさん参加されていた。
失礼だけれど私の想像しているリタイア後のシニア世代のイメージとは全く違かった。こんなに活動できなの???
なんでこんなにエネルギッシュなのだろうかと疑問に思ったが、話を聞くうちに熱中小学校がもたらしたものの影響であることがすぐに分かった。
まず熱中小学校ではもちろん講師の先生が来てくださって授業をするのだけれど、高校や大学などの先生から生徒への一方通行への教えではなくて、先生と生徒、生徒同士の対話が頻繁に行われているよう。
また、授業外で生徒同士でいろんな取り組みが勝手に始まったりもするよう。
生徒の一人が楽しんでいることを同じ興味や似たような興味を持った人が集まっていき、どんどん新しいコミュニティができる。そして新しいことを始める。一人のアウトプットがどんどん連鎖していくんだよと教えてくれた。
ここで私の疑問が一つ。
「授業を受けなくてもその方の執筆した方を読めばいいのでは?わざわざ画学校に通わなくても学びは得られるでしょ?」
チェリーさんの答えは。
授業だと本に書いてないことを教えてくれる。他にも自分が疑問に思ったことをすぐ聞ける。
テレビなどでの受動的な情報じゃなくて、自分で能動的に情報を入れられる。何が正しくて間違っているのか自分の頭で考えられる。
授業だけじゃなくて、生徒同士が繋がっているといろんな情報がもらえる。
なるほど。確かにそうだよなと納得。
分かったことは、もちろん新しい情報や学びを求めてきている生徒が多いと思うけど、生徒が一番に持ち帰っているものは「会話」と「仲間」なんだろうと。
大人の生徒のたちが、熱中小学校で学び、出会ったことによって自分たちでやりたいことをどんどん始めていく。
このエネルギーがチェリーさんのようなシニア世代すら年齢を感じさせないほどに突き動かしているものなんだと。
※チェリーさんへのインタビューは熱中小学校のyoutubeに
大人こそ学ぶべきでは?
ふたつ目は、高畠熱中小学校を運営する長谷川さんとの考えに触れた時。
これはTURNSで高畠熱中小学校を運営する長谷川さんのインタビュー記事だ。
ーーーずっと同じ地域で生きてきている人って思った以上に狭い世界で生きていることに特化してしまっていることに最近気づきました。
同じ仲間と同じような話を繰り返すことが当たり前で実はそれが心地よくて、楽しんでいる人が地域に残っているという構図も見えてきたんです。
変化の少ない田舎で生きる処世術としてはいいかもしれないし、もちろんその生き方が悪いわけではない。---
この話って地域とか関係なく度の人にも当てはまることだよね⁉
例えば大学生の私達なら、同じ大学の仲間とか、高校からの友達とかと遊びはするけれど、さらに外のコミュニティ行ったり新しい挑戦をする人は少数派だ。
基本はみんな、親や先生に言われた通りや世間で良しとされている道をたどって、ゆるゆる過ごしてる気がする。そして時期が来たら何の疑問も持たずに就活してる。
これも自分が心地いい場所に留まっているとも言えるし、狭い世界で生きているともいえるよね?自分の暮らしに疑問を持っている人は少ない気もする。だからなのかちょっと外れた人を見ると「あいつなんか変なことしてる」「前と変わってしまった」などと批判する人、不思議がる人もちらほらいる。
それの大きなバージョンが地域なのかと納得!
ーーー選択肢を持ち、自分で考えて動けるようになるために、誰しも学ぶ場とつながっていることが理想だと思います。
義務養育だけでなく大人こそ学び続けないといけない。それがネット上のコミュニティのような形のあってないようなものじゃなくて身近な大人たちとつながりながら学べる場のあることが大事なんですーーー
学んだ先にはーーー
長谷川さんのインタビュー記事は更にこう続く…
ーー地方の人口流出が止まらないのは地元では夢や希望が持てないから。無理やり会社を誘致して地域にお金ができても、人々の生活はあまり変わらないんです。昔と同じやり方で町おこしをしても人が住みたくなる面白い地域にはならない。
ーー誰かが作ったパッケージの中で生きるのではなく、一人ひとりが疑問を持って学び、仕事や生活力を自ら作っていく。個人が自力をつけることが地域創生の要で、そのために学びが必要。
ーー重要なのは新しい人や発想と出会い続け、夢や希望を描いて共有し、個々が行動していくこと。
地域に外から人を呼ぶことが大事だよねって思っていたけど、これを読んで考えが変わった。
まずは、そこの地域の人々が学んで行動していく。そこで生まれたものに惹きつけられて人が来るのだと。
高畠に滞在中のいつ誰から聞いたのかは忘れてしまったけど、「住民の利便性が高まるから外から人が来る」まさにこれだと気づいた。
そして地域に住んでビジネスをするならば、
自分のワクワクしていることを追求するだけだったら趣味でいい。ビジネスをするには、地域や周りの人たちがちょっと困っていることを掛け合わせるという視点が必要。
都会はものの依存がある。と誰かが言っていた。
ものの依存が少ない田舎だからこそ、少しの発想で新しいものができる、これは大きな利点なのではと思った。都会よりも人の利便性は直ぐに高まりそう!
田舎では志向が凝り固まってしまうと思っていたけれど、
必ずしもそうではなく、コミュニティがあれば新しいこと面白いことが生まれる。
そのコミュニティには、能動的に学びたい人が集まると強い。大人こそ学ぶべき。
これが私の1週間での大きな学び。
自分が移住した際には、もちろん外からも人を呼ぶけれど、地域の人たちのコミュニティでの学びをまずは大事にしたいと思った。
雑談
高畠で聞いて腑に落ちた言葉
自分探しをしているときは遊牧するが、作り手になると定住する。
まさに前者が今の自分だなぁと思い、確かに自分のやりたいことを決めている人はひとつの地に根付いた人が多いなぁと思ったりした。
私がやりたいこと決めて定住したらどんな人間になっているだろうか。