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私、どんな高級料理よりも、農作業後の塩むすびが好き!~北海道の離島“奥尻島”でボランティアvol.3~

いろんなところ行って、いろんなこと体験してみた私にとって奥尻島での10日間での思い出の一つが「ご飯」
私がこんなこと思うのは本当に珍しいっ!



食に興味がないんです

私は食べることに興味があまりない。

大学生になってからよく言われること
「農学部なんだ!じゃあ食べるの好きなの?」
「食品に興味あるの?」


「・・・そんなにないです。」

このやりとりは何回しただろうか。

わざわざ美味しいものを食べにどこかに行くとか、旅行の目的にするとかはしない。
ご飯も、自分の中でこだわりの食材や調理法があるわけでもない。

学生にとっては少し高級な宿で出る夕食やホテルなどのランチは、私には高すぎる味のようで、もはや味がよく分からない。
味わうっていうよりも「なんか高い味がしたっ!たぶん美味しい!」ってなってた…笑

そんな人間が奥尻島でご飯が食べたくて美味しくてたまらなくった話。




「私、どんな高級料理よりも、農作業後の塩むすびが好き!」


これは私が屋久島でボランティアをした後に自分の母に伝えたこと

なんでこう思ったのか、空腹は最高の調味料だなんて言うからそれも関係してるのかその時は深く考えたことなかったけど、奥尻島ではっきり分かった。

私にとっての美味しいは、味ではなく過程だってこと。

まず昼ごはんや夜ご飯の場合は、ボランティア活動のために体を動かしてお腹がすいた状態でいるから、その後に食べるご飯が何倍も美味しく感じる。
まさに空腹こそ最高の調味料状態のこと。

そしてさらに気づいた大事なことが、

誰がどうやって作ったか知っているご飯は美味しいってこと。

誰かとご飯をつくって食べることは美味しさを倍増させること。

家ではお母さんに作ってもらうけど、自分は作らないし、親が作っている場面にも居合わせない。
これじゃあご飯のありがたみも美味しさも減るでしょ…!

奥尻島では、メンバーで交代交代でご飯係だったから、が作るか、何を作るか、どう作るかがいつもより身近だった。

自分が担当の時は一緒のメンバーとおしゃべりしながら楽しく作って

「これするからあれやって」
「味どう?」
「もっといっちゃう??笑」
味見して「美味しい!天才じゃん!?」

なんていうやり取りがあるから既に気持ちがほくほく。

そこからさらに作っていないメンバーに「美味しい」なんて言われたらもっと自分の作ったご飯が美味しい。


人の誉め言葉が調味料になる。

自分が担当じゃない時は、料理してるところ見に行ったり、待ってる間に匂いや声を感じたり。
頑張って作ってくれたことが分かるからいつものご飯の何倍も美味しくて…

そしてみんなで「いただきます」をして
「美味しい!」「最高!」「ありがとう!」っていう空間が最高に良い。

特別な食材や調味料を使ってるわけでもない。プロの料理人が作っているわけでもない。
でも、私(たち)のために作ったという気持ちは何よりも入っている。
私のお腹を満たすご飯は、この気持ちとみんなで食べるという空間も与えてくれ、私の心を満たしてくれる。

いつもより食欲が刺激されるのか、ボランティアとかで複数人と共同生活するときはいつもはしないおかわりを積極的にしちゃうんだよね笑


人に作る楽しさ、美味しいって言ってもらえる嬉しさ

人に作ってもらえる幸せ

をいつも以上に実感するひととき。
共同生活の良さってここにある気がしている…。



最後に

奥尻島での経験から、大学4年生になってからは、ご飯の準備はできるときは頑張って手伝うようにしてるし、親と自分のためにお昼のおにぎりを作るようになった。

食に興味はない人間だからこそ、食だけでなく、気持ちの面で満たされるご飯の場をつくれたらいいなって思ってる。
私が経験したこの思いと同じようなことを思う人を増やせたらなって思うの。





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