パートナーへの不満は、仲を深めるチャンス!
私たち夫婦は結婚して3年になるが、付き合っているときも含めて、喧嘩という喧嘩をしたことがない。
喧嘩としてぶつかるだけでなく、仲が険悪になったこともない。
なぜだろうと考えてみたとき、お互いに「不満の伝え方」が上手なのではないかと思い至った。
人間は、嬉しいことや楽しいことなどのポジティブな感情よりも、嫌なことに対する嫌悪感や不快感といったネガティブな感情のほうが強く感じやすいらしい。
たしかに、一日を振り返ったとき、「いいな」と思うことはたくさんあっても、一つのネガティブなことで一日中暗い気持ちになったり、イライラしたりするものだ。
何かに気合を入れて頑張ろうと思うときにも、「相手を見返したい」だとか「嫌な現状を打破したい」とか「恥ずかしい思いをしたくない」といったネガティブな感情にもとづいたモチベーションのほうが、「楽しそう」「自分を高めたい」などといったポジティブなモチベーションより強く自分を動かしてくれるという経験は、みなあるだろう。
なので、夫婦間やカップル間においても、嫌なことがあったときに我慢してしまうと、そのときは波風が立たずに済んだようでいて、実は愛情や関係性に長く深い影響を及ぼしてしまうのだ。
我慢したことを後々「そういえばあのときも…」と思い出すのは、自分の中でわだかまりが残っている証拠で、それが少しずつ積み重なることで、決定的な亀裂が生まれてしまうことも少なくない。
だから、「嫌だな」と思うことがあったら、その都度解消して引きずらないことが大事なのだ。
ただ、一緒に長い時間を過ごしていると、様々な生活観や価値観の違いから、相手に「こうしてほしい」「これはしてほしくない」という不満がたくさん出てくるのは避けられず、その都度指摘していたら関係が悪くなってしまいそうに思える。
例えば、靴下を床に脱ぎっぱなしにするだとか、油よごれのフライパンと水しか入れていないコップを一緒に桶の中に入れるだとか、外着のままベッドに寝るだとか、トイレットペーパーの芯を捨てないだとか。
「ええ!なんでよ〜!」と思うことは、日々出てくる。
そんなときに大切になってくるのが、「不満をうまく伝える」ことだ。
不満を伝えると仲が険悪になってしまうのではないかと思うかもしれないが、そもそも不満がでてくるのは、「ずっと一緒に過ごしたい」「ずっと仲良くいたい」と思っているから。
友人と割り切っている人の行動ならなんでも許せてしまうように、どうでもいい相手には、なんの感情も抱かないものだ。
だから、不満が出てくるのは愛情の裏返し。
大切にしたいから、一緒にいたいから、不満が出てくる。
しかし、自分が相手と楽しくいられるために、不満は解消した方がいい。
この根本に立ち返ると、相手とずっと一緒にいるために、どうやって不満を伝えればいいか、が重要になってくる。
不満があったときに、「なんでこんなことするの!」「ねぇ、なんども言ってるよね! やめてっていってるじゃん!」などと、相手を責めるような言い方をすると、相手も防御態勢に入って、険悪になってしまう。
相手と仲良くいたいだけなのに、自分から関係をぶち壊しているようで、自分が嫌になってしまうこともあるだろう。
不満を伝えるときに、私たちが心がけているポイントは「ユーモア」「自分を主語にする」「感謝をする」ということだ。
例えば、靴下を洗濯かごに入れてほしい時。
私はよく「不満ラッパー」になる。
「今日も靴下床に転がる、イェイ、靴下拾うこれ私の日課、イェイ、これ何度繰り返せばいい、地味な作業、地味に重労働」
などと即席ラップを披露すると、険悪にならずに不満を伝えることができる。
もちろんすぐに治るわけではないが、なんどもラップをしていたら、靴下をかごに入れてくれるようになった。
2点目の「自分を主語にする」というのも大事だ。
例えば「なんで〇〇してくれないの?」と相手を主語にするのではなく、「〇〇してくれたら嬉しい」「〇〇してくれたら助かる」と自分を主語にして伝えると、相手は前向きな気持ちで受け取りやすくなる。
最後の「感謝をする」というのは、相手が不満をうけとめ、改善してくれた時にきちんと言葉で伝えることだ。
「〇〇してくれたんだね!嬉しい~!」といってハグをすれば、またやろうと思ってもらえる。
この3つを意識するだけで、不満を相手に伝え、改善を促し、イライラが蓄積して爆発することを防げる。
それだけでなく、ユーモアで一緒に笑ったり、感謝を伝えることでさらに愛情が深まったり、楽しい会話の発端になったりもする。
不満は、関係をより楽しいものとするチャンスなのだ。
パートナーと喧嘩が絶えないというとき、ぜひ3つのポイントを意識するだけで、無駄な衝突が避けられるのではないかと思う。
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