読めなすぎた本
本は昔からわりかし読んでいたし、手にしたからにはできる限り読破できるよう努めてきた。
しかしそんな中でも、途中で断念してしまった本も何冊かある。
それらの多くは難解すぎたり冗長だったりするもので、
自分には早すぎた、もしくは合わなかったということだ。
読みづらい本といえば、三大奇書に数えられる「ドグラ・マグラ」なんかが挙げられるが、
あれは初めから「訳の分からないものとして理解を諦める」というスタンスで読んでいたのでチャカポコうるさいだけでさほど苦ではなかった。
まあ、読みきれはしなかったけど。
昔、宿泊したビジネスホテルのロビーに「ご自由にお持ちください」との貼り紙とともにある書籍が置かれていたことがあった。
怪しい宗教本でも胡散臭いビジネス書でもなかったので、
暇つぶしの足しにでもなればと深く考えずに持ち帰った。
その本はジャンル分けすると難しいのだが、
強いて言うなら恋愛指南本だろうか?
「あなたたちがパートナーと十分に愛し合えていないのならすぐに別れなさい」というのが結論の主張のようなのだが、
何が言いたいのかどこまで読んでも一向に分からない。
いや、言いたいことは「」内の事なのだけれど、ひたすらそれを言いたいがためにいろんな表現をこねくり回している、という印象。
どうやらその著者(中年男性)は本当に愛し合える運命の相手を伴侶として迎え、僕は幸せです、ちゃんちゃん、をアピールしたいようだった。
そこそこ分厚いその著書の中で、3章以上にもわたってひたすら「君たちの恋愛は間違っている」「◯◯だったら別れなさい」「◇◇でも別れなさい」「それは本当の運命の相手ではない」「私たちの愛こそ本物の愛だ」
みたいなことをずぅっと書いている。
いい加減辟易してきた頃、ようやく話が展開を見せる感じになるのだが、「運命の相手じゃないパターン:これもあれもそれも全部」
「見た目が好きだとか性格が好きだとか、そんなのは愛じゃない」
挙げ句の果てに「ではどういう相手が運命の相手か?それは…運命の糸で繋がっているとしか思えない相手である」「理屈や言葉を超えて、この人しかいないと心から思える相手である」「私のパートナーはまさに運命の相手だった。直感で分かった」
…………これは酷い!
ひたすら説教じみた講釈を聞かされ読者を否定され、じゃあ"本物"たる著者の愛はどうかと見れば、
なんだかよく分からない概念的な説明しかされず、しかも手垢の付いた夢物語みたいな結論だ。
要するにこれは、著者が自身の妻を自慢したいがためだけの書なのだな、
と悟り、途中で本を閉じてしまったのだった。
……
話はここで終わらない。
先日、何年も前のこの鬱陶しい本の真相がようやく理解できたのだ。
ツインレイという言葉がある。
スピリチュアルの世界でよく用いられるワードなのだが、
これはお互いが生まれる前に結ばれる約束をしてきた魂のつがいのことだ。
9割以上のほとんどの人間が、ツインレイの相方と約束をしてから世に生まれ出てくるらしい。
(ごく稀に単体の魂もあるそうだが本当に少ないそう)
ただし、今生で出会えるとは限らず、接触のないまま転生して次の生に持ち越す者が多いとか。
もちろん科学的に証明されてはいないが、事実、「出会った瞬間に分かった」「理屈を全て超えてこの人だと確信した」といった形で夫婦になっている人たちが大勢いる。
一目惚れとも少し違うらしい。
どれだけ見た目がタイプじゃなくても性格が合わなくても本当に、「あ、君だ。ようやく見つけた」となるらしい。
そして「この人の全てが愛であり、この人を愛する以外の選択肢がない」みたいな状態になるそうだ。
まさに運命の相手。
この概念を知ったとき、自分はすぐさまあの本を思い出した。
そうだ、きっとあの著者はツインレイの片割れを見つけたのだ。
ツインレイは直感だと言われるし、とても言葉で説明できる感覚ではないらしいし。
そう考えると終始何言ってるのか分からない支離滅裂な状態にも納得がいく。
ツインレイに出会っていない人間にとっては彼らの表現は全く理解不能で飲み込めない。
そこに齟齬が生まれる。
そういうことだったのだ!
事情を少しだけ理解した自分の立場からすれば、あの本は決して一般的な大衆には理解されないだろうと思う。
ただの惚気、もしくは奇書としてきっしょ、と言われて終わりである。
そう考えると少し哀れな気もしてくるが。
ツインレイなるものがそもそもあるかは疑問だし、
あの著者がそうだったとも断言はできない。
あくまで推測の範囲だ。
だがそうだと仮定したところで、自分にはおそらくツインレイの片割れも運命の相手もいないから、
どうぞ遠くでお幸せにという感想しか生まれないのであった。
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