フィクションでしか聞いたことがない！①

ゲイの受けなので、おかげさまでお察しの通りの原因で何度か肛門科にお世話になったことがある。

その度に薬をもらうのだが、
根本治療をしないと意味がないと思うようになった。

この場合の根本治療とは？
切れないお尻になることに決まっているだろおおお！！

そこで何万穴もの肛門を見てきたエキスパートもといエケツパートである肛門科の先生に、
どうすればお尻がちゃんと広がるのか聞いてみた。

ちなみに、切れた原因や広げたい理由については正直に申告済みだ。
そんなとこで恥ずかしがってどうする。

先生は、「事前のマッサージを入念にすること。あとはオイルをたっぷり塗ることかな。（笑）」と答えてくれた。

よくぞちゃんと答えてくれた先生！

……しかし。

そのアドバイスは自分にとっては既に当たり前の分かりきったものだった。

率直に言うと「んなこたぁ知ってんだ！もっとこう、スルッと入るような目から鱗の手法を教えやがれってんだ！」ちゅーわけだが、
流石にこの心の声をそのまま伝えるわけにはいかない。

「それはもちろんですがね先生、もっと入りやすくするには？」
やんわりと聞いてみた。

すると返ってきたのは。

「そこ、そもそも入口じゃなくて出口だからね（笑）」

ネットのコピペや笑い話でよくあるやつだ！！！

現代の小話として「肛門科で"入口じゃなくて出口"と言われてしまう」みたいなお笑いネタはたまに見聞きするが、

実際に自分が言われたのである。

「そうですよねぇ〜（笑）」
と軽く流しはしたものの、内心感動していた。

肛門科の先生に"そこは出口"と言われる
これは快挙だ。
生で聴けた！！！

例えるなら
CAの「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」
刑事の「カツ丼でも食え」
格さんの「この紋所が目に入らぬか」
ぐらい、耳馴染みがありながら現実で聞くことのないセリフを聞けたのだ。
それぐらい価値があるのだ。

これが聞けたことにより、朱雀は悔い改め、
負荷がかかるような無理な活動は控えるようになりましたとさ。
ちゃんちゃん。

……何の話をしているんだろう私は。

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