・はじめに
要望があったのをきっかけに!励みになります😉
久しぶりにディズニーの眠れる森の美女を見て絵の美しさに感動し、そういえば原作を読んだことなかったなと思い読んでみました。
「いばら姫」にはグリム兄弟版とペロー版の2種類あり、古い民話なので色々改変されたりしていて、決まった文章がないみたいです。今回はこちらの英語版を訳してみました。
BRIAR ROSE—I
遠い昔のお話。ある王国で、王様と女王様がとても悲しんでいました。
なぜなら、彼らは子供を授かることができなかったからです。
ある日、女王様は泉で休んでいました。すると1匹のカエルが泉から這い出てきて女王に言いました。
「あなたの望みは叶うことでしょう。1年以内に小さな女の子が産まれますよ」
カエルが言ったことは本当の事になりました。
女王様はとても美しい小さな女の子を産みました。王様は、小さなお姫様のために誕生を祝う式典を開くことにしました。
王様は、「妖精の贈り物」を小さなお姫様に送るために、王国中の魔女を全て招待しました。
魔女たちは全員で13人いましたが、王様は金の皿を12枚までしか持っていませんでしたので、12人しか招待しませんでした。
夕食をすませた後、魔女たちはテーブルから立ち上がると、「妖精の贈り物」を小さなお姫様に送りました。
1番目に送られたのは「優しさ」、2番目は「美しさ」、そして3番目は「富」。そうやって12番目までいった時の事でした。
12番目の魔女が口を開く前に、13番目の魔女がやって来ました。
13番目の魔女はとても怒っていました。なぜなら自分一人だけ招待されていなかったからです。
彼女は大きな声で叫びました。
「姫が15の歳になった時、糸車の軸に指を刺されて倒れ、そして死ぬだろう」
その言葉に全員が恐怖で青ざめました。
12番目の魔女には、まだ最後の贈り物が残っていました。お姫様の元に行き、こう言いました。
「あの人の邪悪な予言を止めることはできないけど、少しだけなら防ぐことができるわ。この子は死なないけど、100年の深い眠りにつかなければなりません」
BRIAR ROSE—II
小さなお姫様は、とても美しく、とても優しく、彼女を知ったら誰でも愛さずにはいられませんでした。
【メモ】
no one who knew her could help loving her.
no oneで否定が入っているのでcould helpも(防ぎようがない)になる。
→who(お姫様)を知ったら誰でも彼女を愛すことを防ぎようがない
彼女が成長してくると王様と女王様は、この愛しい我が子に何かが起こるのではないかと、とても憂鬱な気分でした。
王様と女王様は、王国中の糸車を全て燃やしてしまいました。
それから何年か経ち、お姫様は15歳になると、王様と女王様はお城からお出かけになりました。
お城の中で一人きりになったお姫様は、気の向くままに色んな部屋や広間を見て回りました。
【メモ】
she rain about over the palace
彼女は(rain→流れた?)、その場所を越えて
その場所から流れるように出たってこと?
そして、ついに古い塔の頂へ続くらせん階段にたどりつきました。
彼女は小さなドアを見つけました。
鍵穴には錆びた鍵がついていました。
彼女がそれを回すと、ドアは流れるように開きました。
中は小さな部屋で、老婆が座り糸車で麻を紡いでいます。
「ごきげんよう」お姫様は言った。「そこで一体何をなさっているの?跳ね回って面白いのね」
【メモ】
jumps about soについて
気になったので糸車の動画を探してしまった。足でふみふみするとまるで跳ね回るように動くのでそのことを言ってるんだと思う。
そう言うと、彼女は手を伸ばし糸車にさわろうとしました。
妖精の予言の通りのことが起ころうとしていました。
お姫様は糸車の軸に指を刺してしまいました。
その瞬間、彼女は近くにあったベッドに倒れ込んでしまい、まるで死んだように深い眠りに落ちてしまいました。
お姫様だけではなく、その魔法はお城全体に広がって行きました。
ちょうどお出かけから帰ってきた王様と女王様と、一緒にいた貴族たちも、全員深い眠りに落ちました。
馬たちは馬小屋で、犬たちは庭で、鳩は屋根の上にとまり、ハエは壁にとまって眠りました。そう、暖炉で燃え上がっていた炎でさえも眠りに落ちたのです。
お肉は焼きあがる前に止まりました。
料理人がちょうど見習いを叩いて叱りつけようとしていましたが、振り上げられた手は落ち、深い眠りに落ちてしまいました。
お城の外では風が止み、木の葉も揺らぎを止め、ほどなくして周囲にはイバラが生えてきました。
イバラは年を追うごとに高く高く成長し、ついにお城が見えなくなるまで覆ってしまいました。屋根も、煙突も、旗が立ててある一番高い塔ですらも、全て覆ってしまったのです。
BRIAR ROSE—III
この王国の美しい眠り姫の物語は、時を隔ててもずっと語りつがれていきました。
たくさんの国の王子たちがイバラの覆いを通り抜けようと試みましたが、誰も突破できた者はいませんでした。
その鋭い棘は、まるで手のように素早く若者たちを拘束していきました。
【メモ】
The sharp thorns seemed to have hands which held the young men fast.
その鋭い棘は、~のように見えた、手を持っている、それは掴んだ、若者たちを、素早く
それからたくさんの年月が過ぎ、遥か遠くの国の王子様が訪れました。
彼は眠り姫の物語を聞いたことがあったので、固く覆い茂っているイバラの棘のことを知っていました。
しかし、若い王子様は勇敢だったので、逃げ帰ることはしませんでした。
「恐れはしないぞ。私は美しいブライア・ローズ姫に会いに行く」と彼は言いました。
100年の眠りの魔法が今、解かれようとしていました。
眠りについたお姫様が目覚める時が来たのです。
王子様がイバラの覆いまで来ると、美しい赤い花が満開に咲きほこり、イバラは朽ち果て広い道になりました。
すぐに王子様はお城の門を抜けると、馬と犬たちが地面の上で眠っているのを発見しました。屋根では鳩が頭を翼にうずめて眠っています。彼はお城の中に入って行きました。
ハエですらも壁に止まって眠っていました。
王座の近くには王様と女王様が倒れ込んでいて、その周りには貴族たちが眠っていました。
お城全体はまるで時が止まったように静かで、王子様の心臓の鼓動まで聞こえてくるようでした。
部屋という部屋を見て回り、ついにあの古い塔にたどりつきました。
らせん階段をのぼると、小さなドアを見つけました。
鍵穴には錆びついた鍵がついており、ドアは半分開いていました。
そしてその先には、眠っている美しいお姫様がいました。
王子様は、お姫様に跪くと彼女にキスをしました。
すると、お姫様は目を開き、お城全体も眠りから覚めました。
王様と女王様、まわりの貴族たちも起き上がりました。
馬たちも馬小屋の中で驚いて立ち上がりました。
犬たちはしっぽを振ってピョンピョンとジャンプしています。
屋根の上にいた鳩は、頭を持ち上げると空に飛んでいきました。
壁に止まっていたハエはブンブン飛びまわり、
厨房の炎も燃えあがり、お肉を再び焼きはじめています。
料理人は見習いをひっぱたくと、見習いは泣きながら走って出ていきました。お城を囲んでいたイバラの覆いは全て枯れ果て、風と共に吹き飛んでしまいました。
王子様は美しいお姫様と結婚して、いつまでも幸せに暮らしました。
ヴィルヘルム・グリム&ヤーコプ・グリム(グリム兄弟)
どう考えても王様が悪いですね!!そして王子様はたまたま運が良かっただけで、戦いもなくいきなりキスをする暴挙には驚きました。