【リプレイ】ケダモノオペラ「少年と絵」🐺ジェーン編
体験シナリオ「少年と絵」
https://operarpg.jp/
ヤミオオカミ:ジェーン編
むかしむかし
🐺ケダモノ設定
プレイヤー名:ぺそまそ
ケダモノ名:ジェーン
ケダモノ種:ヤミオオカミ
権能:暴虐
伝説:獣の本能
欲望:強者
疑似餌の姿:気品のあるスーツの男性
住処:頭蓋骨の形をした洞窟
はじまりはじまり
◆失われた天井画
「強さ」に執着するジェーンですが、何がきっかけか、ふと、美しいものを嗜もうと思い至ります。森の外の聖堂に絵があったことを思い出した彼は、住処を出て聖堂へと向かいます。
戦争で廃墟になった聖堂は、いたる所が崩れ落ち、絵画は見る影も無くなっていました。そんなところに、少年パウロがやってきました。
パウロ「リュミエールの天井画があったはずなのに、戦争で無くなっちゃったんだ…一目で良いから見たかったなぁ…。」
ジェーンの疑似餌に気づいたパウロは声をかけます。パウロは人見知りをすることなく、ジェーンに天井画をどうしても見たかったと伝えます。
試練①聖堂の記憶を思い出す
【特技:影跳び】>受難の門
すこし時間がかかりましたが、ジェーンは聖堂の記憶を思い出し、パウロに伝えることにしました。パウロは大喜び。聖堂まで案内してもらえないかとお願いします。
ジェーンは「この辺に詳しい探検家だ」と嘘を吐き、パウロを正堂へ誘います。パウロは疑うことなく、恐ろしいケダモノについていくのです。
◆蜘蛛の群れ
初めて見る闇の森の景色にはしゃぐパウロですが、途端に足を取られます。人の気配を感じた蜘蛛のケダモノ"アラクネ"が、彼を食べようと罠にかけたのです。
試練②パウロを蜘蛛から救う
【特技:咆哮】>栄光の門
突如、どこからか恐ろしい咆哮が聞こえます。アラクネは驚き、パウロを手放します。方向がジェーンの仕業だとわかったアラクネは、「子どもを集めてまたこの人間を喰いに来る」と捨て台詞を吐いて、逃げ去っていきました。
ジェーンは「探検家には日常茶飯事だ」と話し、パウロを助け出します。パウロはジェーンといれば安心だと、心から信頼を寄せます。
一安心も束の間、パウロは疲れが祟ってか足元がおぼつかない様子。その姿を見て、ジェーンは闇の森で最も安全な自身の住処に案内します。
◆あらしのなかで
(ジェーンの住処:頭蓋骨の形をした洞窟)
住処に付くとパウロはフラフラと身体を横たえます。ケダモノのジェーンにも彼の様子がおかしいことがわかります。
試練③パウロの手当をする
【特技:使用せず】>受難の門
熱に効きそうな薬草を探すため、ジェーンはパウロのもとを離れます。パウロは不安に感じながらも、ジェーンの後ろ姿を見送りました。
〈置いてけぼりにしてしまいました〉
ジェーンは、これまで見かけた人間が薬草を採っていたことを思い出し、薬草を手にパウロの元へ戻ります。ぎこちない手つきではありますが、ジェーンはパウロの手当をしました。
「ありがとう。僕の身体、毒が回ってどうしようもないんだって。死ぬ前に、どうしてもリュミエールの絵画を見たいんだ」「おじさんに迷惑かけてごめんね」
落ち込むパウロに、ジェーンは優しい言葉で励まします。
◆外つ川の氾濫
再び二人が歩みを進めていると、嵐で氾濫した川に突き当たりました。ここを渡らなければ、二人が目指す場所にはたどり着けません。
試練④川を渡る
【特技:狩人の悪知恵】>栄光の門
それでも前に進まなければならないと、ジェーンは周りを見渡します。手ごろな木を見つけ、おもむろにスーツから分厚い本を取り出します。その本を力強く一振りし、「ソイッ!!!」とたくましい掛け声とともに見事に川に丸太橋を通すことに成功します。
人間離れした力に驚くパウロですが、二人は安全に川を渡ることができました。
◆夢が流れ着く岸辺
しばらく森を歩き、二人は岸辺に到着します。この場所こそ、夢が流れ着く岸辺。リュミエールの天井画を見るには、あとは聖堂を探すのみです。
そんな二人に、先ほど退散させたアラクネと、森中から集められた子どもたちが姿を現し、パウロをめがけて襲い掛かります。
試練⑤追っ手をかわし、聖堂を探す
【特技:ぺろり】>栄光の門
ジェーンは冷静に対処します。ヤミオオカミ本体が姿を現し、目にもとまらぬ速さでアラクネの子どもたちを丸のみにしていきます。
パウロ「うわぁ!驚いた!」
ジェーン「今なにかここにいたかね?」
パウロ「影が沢山迫ってきたように見えたんだけど…」
ジェーン「病み上がりだし、幻覚でも見たんじゃないのかい?」
そしらぬ顔をしたジェーン。パウロはその言葉を信じ、二人は聖堂へと進みます。
◆月光の天井画
短い旅を共にした二人は、ついに人々の夢が織りなしたリュミエールの天井画を目にします。パウロは感嘆の吐息を漏らし、呟きます。
「ほんとうにキレイだ…これが、リュミエールの天国なんだ」
美しさに感嘆の声を漏らすパウロ。対してジェーンは「何度見ても美しさは分からない」と感じながら、パウロを後ろから見守ります。
彼が幸せな気持ちのまま最期を迎え、その後魂に手を出そうと考えます。
〈あなたはパウロに天井画を見せてあげました〉
〈あなたはその絵画の美しさが、まるでわかりませんでした〉
ここでジェーンの過去が語られます。
〈予言:あなたは人間をちっとも理解していませんでした〉
〈予言:死に物狂いの抵抗が、不意をつきました〉
〈予言:皆、恐怖を忘れることができなくなりました〉
リュミエールが書いた絵画を見るという目的で、戦争で焼かれた街から一人飛びたパウロ。聖堂に横たわり、身体はもう満足に動かすことができませんが、幸せな表情を浮かべています。
パウロ「こんなきれいな絵、誰かと一緒に見れて良かった。でももう、身体が動きそうにないや」
ジェーン「そうか。好きなものの前で果てることが出来るというのは、素敵な終わり方なんじゃないか」
ジェーンの手を取ったパウロは、笑顔を残して息絶えました。
〈予言:天井画を見上げながら、パウロは息絶えました〉
パウロを見送ったジェーンは本来の姿になり、パウロの魂を喰らいます。パウロの美しい魂は甘美の味がしました。
しかし、ジェーンの喜びも束の間。一飲みにした魂もまた、毒に侵されていたのです。毒を身体に取り込んだジェーンは、パウロの横に倒れこみます。美しさの分からない天井画を見上げながら、徐々に毒が身体を蝕むのを感じました。
その毒は、ジェーンから体の自由を奪いました。侵された魂は、ジェーンの誇りである「強さ」を発揮することができない身体に変えてしまったのです。
〈予言:それは身を亡ぼす毒でした〉
ケダモノオペラ「少年と絵」 おわり
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