請負契約の現場でDXCriteriaを利用する
日本CTO協会から公開された DX Criteria を請負契約の現場で実施してみました。
■DX Criteriaの概要
超高速な仮説検証能力を得るために必要な 2つのDX を一体で捉えた基準
5つのポイントを定義
5つのテーマに分類
テーマごとに8つのカテゴリを定義
カテゴリごとに8つの評価項目を定義
想定されている使い方
■アセスメント対象
●前提
・請負契約している受注者側の視点
・発注者は通信業大手
・業務システム開発を支援するチーム
●チームの役割
・価値を楽で安全に、早く多く提供できるように支援
技術的な問題を発見、解消する支援
プロセスの問題を発見、解消する支援
複数の開発支援ツール、システムの開発、運用、導入支援
●支援先
・5部署、150名程度
●目的
「チームとシステムごとの詳細なアセスメント」を、受注者側の視点で実施。現状を整理し、今後の活動方針の案を練りたい。
結果を「外部パートナーとのコミュニケーション手段」として利用し、活動方針の認識を揃えたい。
●回答時の考慮
・複数のツール、システムにまたがる設問は、最もできていないものを採用
・コーポレートは、チームが所属する事業部に設定
■アセスメント結果
カテゴリごとに見ると、team が強く、data が弱い。system、design、corporate は中程度ということが、すぐに見て取れるようになりました。
レーダーチャートにしてみると強みと弱みで面積の差が歴然でした。
採れる施策は「強みを伸ばす」か「弱みを埋める」か。カテゴリ間に相互作用があるので、今回の結果だと、強みで突き抜けるために、先に、弱みを埋めるのが効果が高そうです。
各設問への回答中に挙がったTryは50以上。できていないことは、まねぶことからはじめ、できていることでも、問いを受けることで新たな視点が得られました。
仮説検証をより早く回していくために、効果が大きく、コストの小さなものから、依存関係を考慮したステップに分割して対策を進めていけそうです。
タイムボックスを決めてアセスメントを繰り返せば、進捗の可視化にも利用できますし、その度に新しい気づきも得られそうです。
■まとめ
・超高速な仮説検証能力を得るための強み、弱みを可視化できる
・施策を発想するための問いとしても利用できる
・次にどんな活動を起こしていくかを整理しやすい
・発注者、受注者どちらからでも始められる
■Tips
・設問ごとの根拠や気づきを残せる場所はないので、用意しておくとスムーズ
・企業、チーム、システム で粒度の異なる設問が交じるので、回答時の視点を決めておくとブレにくい
いつも応援していただいている皆さん支えられています。