経産省のDX関連情報を整理する
先日の 業務自動化カンファレンス 2020 / 金融ICTカンファレンス 2020 で伺った、経産省のDXに対する取り組みがすてきだったので、これまでの情報を整理してみます。
■DXレポート
2025年の崖を越えないと、日本が世界で活躍する場は失われる
●原因
・経営者の理解が足りない
・レガシーシステムが足かせ
・事業会社にIT人材がいない
・予算配分が守りに偏っている
●対策
・機能を分類して 廃棄、塩漬け、クラウドへ Lift & Shift
・受託開発以外に 技術研究組合、ジョイントベンチャー、内製
・ビジョンと戦略の不足が課題
・ブラックボックス化がレガシー問題の本質
・攻めと守りのIT投資割合
・日本はベンダー企業にIT人材が偏っている
・2025年の崖
・情報資産の分析、評価、仕分け
・技術研究組合
・開発規模 / 開発難易度と形態
・DX実現シナリオ
■DX推進指標
現状や課題に対する認識を共有し、アクションにつなげるための気付きの機会を提供するものとして、成熟度のアセスメントを用意
●構成
・経営
ビジョン、企業文化、体制、人材育成、事業戦略 など
・ITシステム
データ活用、アジリティ、非競争領域の共通化、ガバナンス など
●利用イメージ
・企業が、自己診断 → IPAで集計 / ベンチマーク
・企業が、団体 / コンサル / ベンダー に依頼して自己診断を活用
・DX推進指標の構成
・成熟度レベルの考え方
・DXによる競争力強化の達成度合いに関する定量指標の例
・DXの取組状況に関する定量指標の例
・ITシステム構築の取組状況に関する定量指標の例
・ベンチマーク、先行事例の提供
■デジタルガバナンス・コード
経営者が判断しやすくするために、原則と筋道、認定制度を用意
●原則
・ビジョン
・デジタル戦略
・体制
・資源配分
・実行と評価
●ステップ
・リスクのコントロール
・2025年の崖を克服
・ビジネスの変革、創出
・デジタルガバナンスコードの成り立ち
・デジタルガバナンスコードの構造
・DX進展の流れと評価観点
・成熟度水準の考え方
■DX銘柄2020
企業の外側からDXを促して、経営者の判断を後押しするために、法認定基準と優良企業を認定
●構成
・DX認定企業
デジタル技術による社会変化に対応する準備が整った企業
・DX注目企業
注目されるべき取組をしている企業
・DX銘柄
上場企業のうち業種ごとに1,2社
・DXグランプリ
業種の枠を越えて「デジタル時代を先導する企業」
●基準
・攻めのIT経営銘柄2019選定の柱 × 価値共創ガイダンス
・企業価値向上のためのDX推進の取組
革新的な生産性向上
既存ビジネスの変革
新規ビジネス創出
・情報処理法の改正
・デジタルガバナンスコードと認定制度の体系
・認定制度と銘柄制度の関係
・DX銘柄の選定基準
・攻めのIT経営銘柄2019とDX銘柄2020との関係性
・企業価値向上のためのDX推進の取組
■まとめ
経営トップが主体的に、DXを経営戦略に組み込む観点で対応が整理されているのを強く感じました。原則や筋道、認定制度が整うことで具体的なアクションが起こしやすくなりますね!
同時に思うのは、トップダウンは、大きな流れをつくるために必要なアプローチですが、この観点だけでは、文化を評価指標としか表現できなかったり、変革の段階を表現できずに、経営と現場での乖離は避けられないかもしれません。
先日、経団連のデジタルトランスフォーメーション会議で話題になっていたDXCriteriaの様に、ケイパビリティとして捉え、自組織に取り入れる方法を考える活動を、トップダウンと並行して起こしていく必要がありそうです。変革で生まれる対立構造や大きすぎる変化に、どう立ち向かっていくかが重要ですね。
いつも応援していただいている皆さん支えられています。