読んだ本(デッサンの55の秘訣)
デッサンの55の秘訣
バート・ドットソン 著
田辺晴美 訳
デッサンのやり方を教えてくれる本。デッサン、高校の美術で1-2回やった事があります。もしかしたらその時コツのようなものを教わっていたのかもしれませんが、特に記憶にありません。モデルの生徒の、両肩に流した髪、その真ん中のひと束が背中に残っていた事だけ覚えています。
著者は美術家で漫画も描いている方だそうですが、ググっても作品が出てこなくてどんな人がわかりませんでした。時々冗談を交えながら、見たものの測り方、目から紙への写し方など基本的な事から教えてくれます。後半の章では見て写すデッサンの枠を越えて、ものを組み合わせたり想像力についても語られます。各章には計算ドリルのようにちょっとした課題があり、習った事を実際にやってみる事ができます。最初の3つほど挑戦して、あとは時間がかかりそうだったのでさっさと読み終える事にしました。
タイトルにはデッサンとありますが、私がデッサンだと思っていた「目の前にあるリンゴや人物モデルを描く」ためだけの本ではなく、風景画や空想を描く事についても触れられます。見て描くというくくりの中では、「何を描くか」という事にはあまり囚われる必要はないと思わせてくれます。内容は人物デッサンにも大いに役立つものだったので、大変満足でした。
透視図法についての章もありましたが、これに関しては「スケッチ感覚でパースが描ける本(中山繁信 著)」の方がわかりやすかったので流し読み‥。「スケッチ感覚〜」がかなりパースを噛み砕いたやさしい本だという事もありますが、このデッサンの55の秘訣は文章が全体的にちょっと読みにくい。ドッドソンさんの文書か、訳が合わなかったのかもしれません。他にも、描き方よりもこういう技法があるよ、という入り口を教えてくれるので、気に入ったやり方があればそれを専門に学ぶためのきっかけになると思います。
わたしのようにゼロの状態から学びたい者には大変助けになる本でした。
本棚に置いといて、基本を忘れたらまた読もう。
すわみ