YAWARA!3年目(企画のスタート141)
1991年秋のお話をしています。9月15日祝日敬老の日午後3時放送「コボちゃんスペシャル!夢いっぱい」視聴率は良好でこれがこの後にいくつか影響を及ぼしていきます。さらに10月10日で「シティーハンター」のTVシリーズが終了。でもその作品のポテンシャルを強く感じてるし原作も多く残しているので、このまますべてが終わったんだ、という気持ちにはなれないボクがいました。とは言ってもこちらの件に関しては結果としてそれから4年以上の時間を要するのですが。
この年の10月で放送3年目に突入して視聴率も絶好調だった「YAWARA!」もその環境に変化が出てきます。まず制作側として原作の消費ペースを考えなければならなくなってきてました。原作に追いついてしまう、という事実を突きつけられるのです。これは原作をアニメ化している段階で最初からシンプルに想像できてた事、ですが番組が続くという事は、作品の面白さなど実力がある事はもちろん、そのタイミングや幸運も含めての結果であるのです。続けるにはそれなりのクオリティに内容量が伴わなければならない。これはすべての原作アリのTVアニメ制作がぶつかるカベで、それを想定して例えばオリジナル展開などいろいろな施策を施したりする事はよくあるのですが。
この「YAWARA!」に関して言うと、浦沢直樹先生原作には主人公猪熊柔をめぐる大河ドラマのようなしっかりした時間軸の進行があり、かなり最初からアニメチームが提案するべきオリジナル展開を入れ込むタイミングは難しいと言われてました。そして原作はリアルに1992年のバルセロナオリンピックに照準を合わせて進行しています。アニメでも毎週「バルセロナまであと〇〇日」と出し続けています。原作をアニメ化している、すなわち原作を追いかけている我々としては、その収束点(追いつく時点、そしてアニメとしての決着点)を探していく作業に入らざるを得なくなっていたのでした。写真はビッグコミックスピリッツの読者プレゼント用テレホンカードです。滋悟郎(じっちゃん)はホントにいつも元気ですね😊