【饂飩美味紀行】#33 伊吹いりこうどん燧燧（すいすい）（福岡県福岡市南区）
博 多 に 伊 吹 の 風 薫 る、心 和 ら ぐ い り こ 饂 飩
■ 福岡県福岡市南区の位置
福岡の南に広がる一帯、これぞ南区と申す地なり。都心の賑わいを北に望み、南は春日・大野の地に続く、この界隈は、人の営みと自然が寄り添う、風雅なる住まい所として名高きところ。
樋井川や那珂川の流れは四季折々の趣を映し、暮らしを潤す命の水路。街道沿いには家々が軒を連ね、静かながらも人々の往来は絶えぬ。また、公園の緑に包まれ、幼き子らの声が響くさまは、まことに和やかなる情景と申せましょう。
西鉄の走る音は、まるで時代を超えて人を運ぶ早駕籠のごとし。博多・天神へはすぐさまの距離、江戸の昔ならば日のうちに往復も叶うべし。かの南区は、都の賑わいを近くに置きつつも、静寂と自然を併せ持つ、粋な住まいの地と申せましょうぞ。
■ 店舗外観
■ 饂飩絵図
■ 饂飩膳の記録
いりこ出汁へのこだわりが光る一椀
この店にていただく饂飩（うどん）、ただの一椀とは侮るべからず。その真髄は、讃岐の国 伊吹島より産するいりこ出汁にあり。いりこの頭とはらわたを丹念に取り除き、じっくりと煮出されたその出汁は、まさに香り高き一服の茶にも劣らぬ風味。瀬戸内の潮風を孕む燧灘（ひうちなだ）の恵みが、器の中に凝縮されて候。
粋な構えと利便の駐車場
二階が饂飩処、一階がいりこの商い処と申す、風雅な佇まい。入口を違えれば、また趣も変わる妙。車寄せは細道を進みたる先にござり、迷いの末に辿り着けば広々として心地よし。この造り、初めての客人にはちと冒険めいた楽しみを提供するものなり。
かけ饂飩と揚げ物の妙味
注文せしは「かけ饂飩」にわかめをあしらいたるもの。海藻の香りがいりこ出汁と相まみえ、一口ごとに心落ち着く味わいなり。さらに、揚げたての鯵の揚げ物を自ら手に取る趣向も、粋にして洒脱。自家製のたるたるをたっぷり纏わせ、風味を楽しむがよろし。
もてなす夫婦の温顔
店を構えるは温顔優しき夫婦なり。客を迎える態度、いかにも丁寧にして温かし。その気配りの妙は、料理の風味と相俟って、来る人の心を和ませ候。また、店の名は瀬戸内の燧灘（ひうちなだ）より頂き、「伊吹島いりこうどん 燧燧（suisui）」と名付けられたり。その名には、海の恵みとともに、人々の心を温める願いが込められておるようにござ候。
総評：侍の昼餉に相応しき一椀
脂っこき御馳走の後日には、これなる饂飩の一椀、身も心も癒すに至極ふさわしき候。胃に優しく染み入り、されど味わいは深きこと、まこと風雅な昼餉にござる。一階にては伊吹島いりこを携え帰り、家にてその風味を再現するもまた一興。幾度訪れようとも飽きぬ、粋なる一店なり。
■ 店の評判帳
絵図帳にて情報あり
■ 食通評判帳
■ 詳細な絵図
■ 推奨取り寄せ(宣伝)
これなる器、一久（いちきゅう）の細十草（ほそとくさ）と申す逸品にござる。径十六寸、高さ八寸三分、重さ五百七十匁と、手にしっくりと馴染む風合いなり。材質は磁器にて、堅牢かつ雅なる佇まい。細やかな十草模様は、侍の品位を映すにふさわしき趣を持ち、食卓を引き立て候。
また、この器、現代の利便を取り入れ、電子の焜炉（電子レンジ）や水車のごとく回る洗い桶（食洗機）にも対応するとのこと。日々の膳に用いるも良し、粋なもてなしの膳に加えるも良し。細部にまでこだわり抜かれた造りが、心地よき一時を約束仕り候。
◇ これまでの饂飩美味紀行のあゆみ
◇ 饂飩食いだおれ絵巻
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麺の道、細く険しく、果てしなく
彼方へと続く 白き饂飩の旅路なり
趣深き 御椀に注ぐ 一椀の 饂飩に込められし 匠の技
その奥深き 絢爛たる世界
未だ知れざる 境へと誘わん
饂 飩 美 味 紀 行――それは、”終わりなき味の冒険”