名古屋グランパス対川崎フロンターレ観戦記
東京住まいになって初の関東での名古屋グランパス戦観戦である。しかも相手は絶対的な王者川崎フロンターレ。先週パナスタにガンバ大阪対川崎フロンターレ戦を観に行ったばかりなので、二週連続での王者観戦となる。
等々力陸上競技場まで歩く。見渡せばスタジアムへ向かう人がたくさんおり、迷うことはない。ただ豊田スタジアムへの一本道と異なり、商店街や住宅地を抜けて行くので、道の候補はたくさんある。スタジアムに近付くにつれ、集約されていくのだが。今日は気温が20℃を超え暑かった。日射しの種類が変わったようだった。
スタジアムに隣接するフロンパークで友人と合流。彼はフロンターレのサポーター。ビールを片手に近況を語らう。応援するチームは違うが、良い時間だ。
さて、試合開始。徐々に川崎が例のごとくボールを支配し始める。そして前半のうちに先制点を奪われた。いやはや。
観ていて辛い前半だった。ボールを支配され続けるのだ。グランパスの選手が複数で追い込んでも、ボールを取れない。抜け出されてしまう。グランパスボールになってもまたすぐに奪われる。プレッシャーをかけられパスミスを誘発される。フロンターレは同じような場面でパスが繋がるのだ。
この差はいったいなんなのか。フロンターレのボールを支配し続けるサッカーは、風間監督が源流。だが、グランパスも同じく風間監督が指揮をしていた時期があった。川崎に在籍していた選手も複数名古屋に移籍してきている。
しかし、ボールを扱う精度に決定的な差がある。川崎のサッカーを、我々はもう何年も見てきている。だがあの精度に川崎以外が到達できないのは何故なのか。そんなことを考えながらもどかしい前半を終えたのだった。
折り返して後半。割とオープンな展開になっていき、名古屋がボールを持つ時間も増えていく。ダミアンやチャナティップを下げたことも影響しているのだろう。川崎はACLもあるから選手のやりくりは一層の神経を遣う。
しかし名古屋が攻めるが、ゴールは割れない。割れず仕舞いだった。後半残り10分の時間帯、おそらく川崎であればゴールを奪ったことだろう。強引に。無理やりに。
名古屋はここで奪えないし、川崎はここで奪わせない。ここが勝ち続けているチームと、そうでないチームとの絶対的な差なのだろう。
ではその差はどうすれば縮められるのか。これは、勝つしかない。勝つことでしか埋められない。矛盾するような表現であるが。グランパスは、そこに挑もうとしているのだろうか。覚悟をもって臨んでいるのだろうか。
同じJリーグでありながら、この絶対的な差。練習以前に、普段の心持ちから違うのではないか。それが積もり積もっているのだろう。
川崎に在籍していた阿部選手や齋藤選手に、その違いを尋ねてみたい。ひとりひとり、そしてチーム全体に王者としての緊張感があり、それがさらなる高みへと突き動かしているのではないか。少しでも気を抜けば、自分のポジションも奪われる。慢心している暇はない、みたいな。
などと考えさせられた、0対1の敗戦であった。
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