保護猫を知るまで④〜初代猫「ワタナベ」と2つめの病院へ〜
ひときわ小さく母猫のおっぱいを吸うことができず弱っていたところを保護したワタナベ(以下ワタ)。
その後大きな病気もなく過ごしかわいいおばあちゃん猫になった22歳の頃、突然の痙攣発作を起こし、病院へ行き、お薬を飲み始めた頃歩行が困難になりました。
時折起こる痙攣発作をのぞけば、気持ちはしっかりしている様子。
ただ足だけが思うように動かないという印象でした。
2回目の通院日、現在の症状をお医者さまに相談したところ、足のふらつきは薬の副作用の可能性が高いとのこと、ただ、慣れていくと副作用は少なくなるだろうとのことで、薬をやめると発作が増えてしまう可能性があり、発作が起こる度に体力を消耗してしまうため、断薬は避けた方がよいとの見解でした。
お医者さまのお話を聞いて、副作用はおさまっていくことが多いとのことに安堵し、足のふらつきさえ少しおさまれば、歩けないストレスが軽減するだろうし、薬を続けながら発作とつきあっていこうと思いました。
ところが安心したのもつかの間、日々足の状況は悪くなり、ほぼ寝たきりに近い状態になってしまいました。本猫は何度も起き上がろうとしてはこてっと倒れてしまうということに戸惑っているように見え、心が痛みました。
そんな頃、猫と生活している友人から、病院をかえてみては?と提案をされました。彼女の通っている病院を勧めてくれ、もし状況が少しでも好転するのであればと思い、セカンドオピニオンという気持ちで行ってみることにしました。
2つめの病院のお医者さまは体育会系で溌剌とお話される方でした。
大柄な体格でありながら、小さな猫への診察はとても優しく、嬉しいギャップを感じていました。
現在の症状を相談したところ、足のことについては薬の副作用の可能性が高いとの見解でした。
ただ、新しい薬がいくつか出ていて、副作用が少ないものがあるとのこと。
お値段は少し上がりますが、おそろしく高額というほどでもない。
これは試してみたいと思い、まずは薬の変更をすることを決定しました。
また、血液検査の結果から、痙攣発作については脳になんらかの腫瘍ができてその影響で発作を起こしている可能性もあるけれど、高齢猫の場合は検査時に麻酔をかけなければならないので負担が大きい。
その他の可能性として腎臓の数値が悪いので、腎臓病から痙攣発作を起こすこともあるようで、発作をおさえる薬を飲みつつ、腎臓の症状の悪化を遅くする治療をしていくことで発作を抑えられる可能性もあるとのことでした。
先生の見立てでは後者の可能性の方が高い気がするとのことと、腎臓病は悪くなったものがよくなることはないけれど、悪化するスピードを緩やかにすることで猫への負担が軽くなるとのことでした。
また、発作を抑えることは第一だけれど、腎臓病のほうも深刻な数値になりつつあるので、同時にお薬をスタートさせたほうが急激な悪化を防ぐ可能性が高くなるとのお話でした。
好感が持てたのは、先生がいろいろな治療の可能性をお話してくださり、飼い主さんがいいと思う選択をしてくださいとおっしゃってくださったことでした。
私たち飼い主の意見はかわらず、無理な延命治療はしないで苦痛をとりのぞき、なるべく心地よく過ごしてほしいということでした。
根治がむずかしい病気であることがわかったので、ひとまず発作を抑える薬の種類の変更、腎臓病の進行をゆるやかにする薬と腎臓病による過度な脱水症状をおさえる皮下点滴をしていくことにしました。
発作の原因が腎臓病由来のものであれば、腎臓病の薬が効いていけば発作を抑える薬は飲まなくてもよくなることもあるとのことでした。
発作を抑える薬をかえてすぐのこと、びっくりするくらいはっきりとした変化がありました。
最初の薬をのみはじめる前のように、ワタは自由に歩くようになり、オムツをつけている違和感をとても嫌がりました。
そこですぐにオムツをとったところ、自分でトイレに行って用を足し、トコトコ嬉しそうに歩き陽の当たるところで毛づくろいをはじめました。
人間たちはホッと胸をなでおろし、病院を教えてくれた友人に感謝しました。
続きは次回。
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