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保護猫を知るまで⑤〜初代猫「ワタナベ」と腎臓病〜

ひときわ小さく母猫のおっぱいを吸うことができず弱っていたところを保護したワタナベ(以下ワタ)。
その後大きな病気もなく過ごしかわいいおばあちゃん猫になった22歳の頃、突然の痙攣発作を起こし、病院へ。薬の副作用と思われる歩行困難に見舞われましたがお薬をかえたことで再び歩くことができるようになりました。

発作を抑える薬が効いていたのか、腎臓病の薬をはじめたこともよかったのか、発作はほとんど起こらなくなり、徐々に発作を抑える薬は減薬していき、ついには断薬に成功して腎臓病に集中することになりました。

腎臓病に関しては、経口のお薬と、皮下点滴を続けていくことにしました。
腎臓病のステージが進んでいくと、腎機能の低下により老廃物や毒素を尿中に排泄することができなくなってくそうです。
皮下点滴による水分摂取により脱水を予防するとともに、体内の水分量を増加させて尿量を増やし、老廃物の排泄を促します。

ステージが進行していくと、皮下点滴を行う頻度をあげていくことになるとのことで、ここでお医者さまから提案がありました。

"これから先、何か突発的なことが起こる可能性もあるけれど、それは年齢を考えると仕方がないとして、ゆるやかに病気が進行して最期を迎えることになると思う。
定期的に経過観察のための通院診療は行うことを前提とし、ゆくゆくは皮下点滴の頻度が数日に1回となることが多いので、その度にワタナベちゃんを通院させるのは負担になるであろう。
飼い主さんたちが自宅で皮下点滴をできるように練習してみませんか?"

確かに、頻繁な移動は家が大好きな彼女には負担になるだろう、私たち人間のスケジュールはも必ずしも合うとは限らない。
ただ、ワタに針を刺すことができるのだろうか。。。
そんな不安がありました。

皮下点滴は血管に針を刺すわけではないので、むずかしくないですよ、というお医者さまの励ましを受け、近い将来に向けて診察のたびに訓練をさせていただきました。

幸いにもワタはスピーディーにうまいこと刺すことができれば暴れることもなく点滴の間大人しくしてくれていたので、その点は難易度が低かったかもしれません。

これからの生活にむけて人間たちは点滴の訓練。
ワタはというと少しずつ食欲は低下していきましたが穏やかに生活していました。トイレも自分で歩いて行き、毎晩の部屋の中を回遊するお散歩のルーティーンも行っていました。

もしかして、ちょっとボケちゃったかな?と思ったのは、時々壁に顔をギリギリまで近づけて、「ニャー!!!」と鳴いていたことです。
え、何か見えるの?と思いつつ、なんだか可愛くて愛おしくて静かに見守っていました。

病院のお医者さまとよいコミュニケーションが取れるようになり、今後どういった経過をたどっていくのかわかってきたことで、人間たちは心構えと今後必要となるであろうものを調べ始める準備を始めることができました。

病院では過去通院していた猫さんたちの中で最高齢だったようで、お医者さまには「とっても強い子だね〜。童顔だからおばあちゃんに見えないね〜。」とお褒めの言葉をいただき、人間たちはとても誇らしかったです。


続きは次回。

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